井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

宿題が終わった・・・・

2019年03月31日 | 日記

靖國神社さんから、早々と燈籠祭りに掲げる雪洞への
揮毫依頼が来るのは毎年のことだが、書かぬ間は
気が重くてかなわない。

 

文章は一瞬に浮かぶのだが、長年ワープロ打ちで指が書き文字を
忘れ果てていて、おまけに更に不慣れな筆文字でその、見苦しいこと。
立派に表装されて掲げられるのも心苦しく、
今年は不義理をしようか・・・・と気弱く思っていたのだが、さっき腹を据えて書いた。恥さらしでいいや、と。
拙く綴った和紙を丸めて、送付用の筒に入れて
蓋をしたとたん、気が楽になった。

 

とはいえ、楽々と書いたわけではなく字のまずさには
目をつむって今回は試し書き無しで一気に書いてしまおうと
書き終えたとたんに、文章半ばの誤字一字に気づいて萎えた。

 

予備の和紙は一枚きりなので、緊張して書いた。
書きながら「若き特攻兵たちの文章の格調の高さ」と書くべきところ
「格式の高さ」としてしまったことに気づいたが、もはや和紙は
尽きている。絵が描ける人が羨ましく、書が達者な人は
更に羨ましい。私に欠けているのは方向感覚と絵心である。
それと筆文字。初めて提出した時は台湾元総統でいらした
李登輝氏と並びたいそう誇らしく嬉しかったのだが、李登輝総統の
墨痕淋漓の能筆と並ぶと、美空ひばりさんと音痴が並んで
歌を歌っている塩梅。

 

さて今年はどなたと「肩」を並べるのやら。昨年はデヴィ夫人
だったような気がする。最近は政治家は外されているような気がする。
政治家が靖國神社の祭りと関わってはまずいのだろうか。味気ないことだ。


萩原健一さん

2019年03月29日 | 日記

唐突な訃報だった。


萩原健一さんと仕事はご一緒したことはないのだが、
ご縁のある女優さんから、間接的に噂は聞いていた。


映画「約束」で共演した岸恵子さんからは、初対面の時、
スーツにネクタイで現れ、緊張した様子だったと好意的な
口ぶりだった。
自分が認めた先輩には、きちんと礼を尽くす人だったのだろう。


別れた後のいしだあゆみさんは、萩原さんが「事実婚であり、
籍は入れてなかった」とマスコミに語っていたそうで、
あゆみさんのご両親ともども怒っている、という話だった。
籍は入れていたのに、と。たぶん、次の女性への慮りで
嘘をついたのかなあ、という結論だったような気がするが
随分昔に交わした会話で記憶が曖昧である。


結婚している間、ご飯は撮影中の昼食でも必ず家に戻って食べる人だったので、あゆみさんは外出も出来ず、家でご飯を作っていたとも
聞いた。萩原さんがいい仕事にめぐりあい、高揚した表情で
帰宅すると俳優として嫉妬した、という率直な感想も聞いた。
役者同士のカップルは似たようなことかもしれない。
夫婦という関係以上に、男女という以前にお互い役者というライバルなのだ。
上手くいっているカップルはどちらかが、一線をきれいに引いた場合であろう。

 

今回の報道でも、あゆみさんとは結婚していたという
報道と、事実婚であったという報道と二種類が
混在している。他人にはどうでもよさそうなことだが
結婚していたご当人にしてみれば、面白からぬ
ことなのかも知れない。


そういえばあゆみさんとはしばらく話してない。が、
こんな時に電話するのは不謹慎だろう。


岸さんともご無沙汰続きだが、感性の合う方で
お会いすれば話ははずむ。岸さんが昔、メインを
務めていたトーク番組にお招き頂いたことが
あるが、余り話がはずんで面白いので一回の
オンエア予定が2度に分けての放送になったことが
ある。

 

私が印象に残っている萩原さんは、最初は助監督として
チームに入っていたが岸さんの相手役が降板、急遽
役者として出演することになったという「約束」での
いわくつきの年上の女性に恋する青年像だ。
他には「前略おふくろさま」。倉本聰さんの倉本節ともいうべき
特有の「間」を持つ寡黙なせりふを、自分のものにして
チャーミングだった。板前の役柄で、撮影に入る前に
包丁さばきなど、ちゃんと修行して臨んだのだという。

 

末尾ながら、萩原健一さんのご冥福を祈ります。

 


領土を奪われたまま、何の友好か

2019年03月25日 | 歴史・政治

用心に用心を重ねて、風邪にもインフルエンザにも無縁に一冬を
乗り切ったと気が緩んだのか、危ないなあとちらっと思いつつ
パジャマを着るのが億劫で、湯上がりの下着のままベッドに
入ったのだが、明け方の気温の低下に寝冷え。

 

熱が出てしんどいことおびただしかったのだが、熱自体は体に
よいことなので、解熱剤で一気に楽になることは承知だが
服用せずに我慢していること、48時間。
こういう時は、胃を休ませるのにいいチャンスだと、おかゆを
すする程度にとどめていたら、面白いことに慢性蕁麻疹が
出なかった。あるいは、そうかもしれない、という期待が
あったのだが、そのとおりだった。
体温と蕁麻疹にいかなる相関関係がありやなしや、医学上の
根拠は知らないが、ありようとして発熱している間に
蕁麻疹は鳴りを潜めていた。

体に力が入らないので、ベッドでぼっーっとテレビを見ていたのだが
ニュースを見れば腹立たしいこと複数。怒るだけの気力は
まだあるなぁと思いつつ、夜明けの再放送「暴れん坊将軍」なども
見ていたのだが、縁談から逃げ回っている上様がその回は
結婚話でたまげた。
さる姫君との恋愛は、結局姫の家のほうの都合で実らず
終わるのだったが。

 

本放送の間は興味もなかった「暴れん坊将軍」だったが
衣装や所作、時代劇のセリフが面白く、再放送を割に見ている。
やはり熱にうなされながら見た「大奥」にも、暴れん坊将軍こと
吉宗は登場していたのだが、これが湯殿で背中を流しに来た
腰元にのしかかるやら、あれ上様おたわむれを、
ご無体な・・・・って、一体なんなん、と
「暴れん坊将軍」での清廉潔白な吉宗に馴染んだ私としては
湯殿でのおふるまいには愕然としたのであるが、無論
「暴れん坊将軍」と「大奥」双方ともにフィクションと
承知のことである。ところが延々「暴れん坊将軍」を
見ている内に私の中では連続ドラマの中の吉宗像がいつしか
リアリティを帯びて、風呂場の湯気で性欲亢進、女人を押し倒す
吉宗公にたまげたのであった。「大奥」の中でのその腰元は
自ら色仕掛けで、吉宗公の湯浴みの場に上がるのであるが、
それにしても、そんなに簡単にひっかかるのかい、と。

 

というわけで、フィクションであるドラマでの人物像さえ
繰り返し見ているうち、清廉潔白で女嫌いの上様像が
脳裏に定着するのであるから、テレビで繰り返し流されるニュースが
上辺だけのきれいごとであるかもしれない、あるいはフェイクですら
あるかも知れない、と疑うことを知らない人たちはやすやすと
騙されてしまうのであろう、と思う。

 

さて、政府は一向に韓国制裁に踏み切らぬ様子だが、
日韓ともに「日本は制裁に踏み切れない」という意見がある。
たとえば日本の韓国からの輸入額は3,2兆円、韓国への輸出額はその倍近い
6兆円であるのだから、そんな大幅黒字をみすみす自ら捨てることはない、
という意見である。

私のような感情派はそんな儲け、プライドを汚されてまでいらんワイ、と
叫ぶのだが、感情的な反応でなくても、冷静な分析を
引けば、日本が韓国へ売っているのは韓国が要らないと叫んでも
無益。あちらの産業にとっての必需品ばかりである。日本の純度高いフッ化水素や工業ロボがなければ、何も生産出来ないのが韓国である。
日本がフッ化水素や半導体製造装置などの輸出を止めれば、
サムスン電子を筆頭とする韓国半導体メーカーはお手上げだが、
日本のフッ化水素メーカーや半導体製造装置メーカーは国内需要の他、
アメリカや中国、台湾や欧州などの半導体メーカーに輸出先を
振り替えることが出来る。
世界のいたる所に、日本製品を必要とする青山あり。韓国にこだわる
ことはない。


ビザを復活させれば、観光客は激減するであろうし、旅行業者に
とっては由々しきことだろうが、日本一国の経済に打撃を与える
レベルにはない。

 

韓国の捏造慰安婦や偽徴用工を手段としての
日本侮辱は、つかの間の制裁で息が止められる。しかし、
政府はいっかな踏み切ろうとはしない。政府内部のある種の
連中の足引っ張りのせいなのか。
日韓議員連盟の連中の不甲斐なさ、気色の悪さよ。
TPP参加を阻止する程度の手ぬるい制裁では、竹島など
永久に戻っては来ない。韓国の主だった企業を軒並み潰すぞという
迫力無しでは領土さえ返らない。
拉致被害者も同様であろう。

韓国民は、いざ日本が本腰で制裁に踏み切った時の怖さを
知らされないでいる。それを知らせる政府はたちまち
ロウソクデモで潰されるだろうが。

 

もともと、竹島という領土を盗られた状態で「友好」など最初から
あり得ない。まやかしである。
李承晩ラインで、日本の漁師たちが殺生され領土を盗られたまま
国交正常化した事自体が間違いではなかったのか。国交を正常化した
時点で日本は竹島が韓国の独島であることを認めたに等しいことでは
なかったか。

 

2015年度の外務省HPに記載された、大韓民国に関する記述の
能天気ぶりを見よ。

 

 日本と韓国は,最も重要な隣国同士です。日韓はこれまで,政治,経済,安全保障を含む様々な側面で相互依存関係を深めてきました。

 

 その間,両国民間の交流と協力も飛躍的に進展し,国交正常化当時,1年間約1万人であった両国間の人の往来は,現在では1日1万人を超えるまでになりました。

 

 日韓国交正常化50周年を記念する本年も,日韓両国の間で,芸術,学術,スポーツ,社会など,幅広い分野で両国民間の交流の促進,相互理解の増進,友好関係の強化がより一層進むことが期待されます

 

         ーーーーー以上ーーーーー

 

羅列された文言に、逐一反駁可能だが億劫なので、止めておく。
韓国に付け込まれ、なめられるわけである。それにしても
害務省よ。この省のバカバカしさ、不甲斐なさはこれにとどまらぬ。

 
 


里見浩太朗さんと渡哲也さん

2019年03月25日 | ドラマ

「徹子の部屋」に里見浩太朗さんが出ていらして、
なつかしく拝見した。
「外科医 有森冴子」シリーズの一話に、ゲストで
お出まし願い、脚本を執筆する前に帝国ホテルの

ラウンジでお会いした。

新たに組むベテランの役者さんと組む場合は、その方の
既成のイメージから僅かでも外に出ることを考える。
私は、里見さんに少し「汚し」をかけたく
職業設定をボイラーマンにしようと目論んでいた。
ボイラーマンを「汚し」というのは不穏当だが、
裏方の仕事で、衣装も作業で汚れがちの、という意味である。
東映時代劇の表舞台で華々しかった方に、油で汚れた
作業服を着て頂きたかったのだ。
それを言ったら「体育の教師がいいです」と即答で、
私がいえ、ボイラーマンでぜひ、と粘らなかったのは
物語の必然としてボイラーマンがあったわけではなく、
里見さんには珍しい現代もので、それも市井に生きる
名もない庶民という役どころで十分、新しかった
からだ。

書く仕事を始めてから会うスターさんには平常心で
接するのだが、書き始める遥か以前から銀幕の
星として仰ぎ見ていた人たちに会うときは、いささかの
緊張が伴い、それは渡哲也さんにお目にかかった
時もそうだった。やはり帝国ホテルのラウンジである。
「今回、渡さんには歌いながら子供と一緒に踊って頂きたいです」
と申し上げたら、渡さんはちょっとびっくりした
顔をなさったが、「はい踊ります」という返事だった。

「夏休みのサンタさん」という作品で、子供絡みの
シーンが多かったのだ。子供の見る夢として
渡さんと子供の、ちょっとしたミュージカルを
脚本中に書き、作曲家に先にメロディーを書いてもらい、
後で、私が童謡的な詞をはめた。

ところが撮影当日、スタジオには振付師が待機していたのだが、
直前になって「踊れない」とおっしゃり、歌だけのシーンに
なった。それまで築き上げて来た渡哲也的イメージに対して
抵抗がおありになったのかもしれない。

それでもドラマそのものが渡さんがこれまで絶えてお演りになった
ことのない役柄で書いたので、渡さんは「新しい面を見せた」として
何かの賞を得られ、こちらとしては新基軸で書いた
甲斐があり視聴率も23%と上々だった。
小説を角川書店から出したのだが、その文章の一節が
高校の入試問題に採用され、これは事前には本人に知らされず、
事後承諾である。入試問題なので、当然のことだろう。
ただ、私が作詞して武満徹さんに曲をつけて頂いた
合唱曲「島へ」が高校の音楽の教科書に載った時も、当時の文科省から
だったか? 事後報告で、ちょっと割り切れなかった。
事前に許諾を求められたとしても、お断りはしないが、
おそらく誰も断ることはしない、ということを前提の
偉そうな(お役所文書を私がそう感じたに過ぎないが)
文面にひっかかったのだった。

NHKからの再放送依頼も、担当者によりけりだが事後承諾めいていて時々
カチンと来ることがある。一回偉そうな調子の電話に「許諾しません」と
言いかけたことがある。私に許可を得る前に放送日が
決まっていたからだ。しかし、ノーと言おうとして止めた。
作品には監督はじめとしたスタッフから音楽家から役者まで
100人もの人たちが関わっている。私の一存で
再び日の目を浴びる作品を埋もれさせることは出来ない。

という意味で、薬物を理由にお蔵入りになる作品に対して
複雑な思いがある。私の考えでは、観客が自らの意思で
お金を払って見る映画は無問題。テレビでオンエアされる
作品は嫌でも目に入って来るので、オンエア中止は
やむを得ず。ただ、事件を起こす以前の過去の作品群封印は
過度に過ぎるのではあるまいか。そう思っている。
DVD化された作品は、買うほうが承知で見るのだし。






フィギュア男子の衣装

2019年03月24日 | スポーツ

ネイサン・チェンが激賞されているのだが、見落としてしまった。
事後のニュースを見ても羽生くん他日本勢は結構長く映し出されるのだが
ネイサン・チェンがあっという間に終わってしまう。
天は二物も三物も与える・・・・というのはイチローさんや
大谷選手に感じることだが、ネイサン・チェンもイェール大学での
優等生だそうで面差しも整い、この人の人生に
このさき一体、何が欠けるのだろうと、悪意からではなく興味がある。

ネイサン・チェンの衣装のシンプルさも話題になっていたので
日頃から感じていることを率直に書くなら男子スケーターの
宝塚風きらびやかな衣装が私には他人事ながらそこはかとなく気恥ずかしく、
だから今回のネイサン・チェンの黒一色に白がもやもやと走っただけの
簡素なデザインが好もしかったのだが

男子スケーターの透けたりフリフリやラメの衣装を
楽しみにしている女子ファンもいるのだろうか? 
と、単に素朴な疑問。派手やかな衣装を批判しているわけではない。
見物の男はいったいに衣装など気にかけてないのだろうか、と
これも単に疑問、質問。私は衣装に目を奪われず、シンプルに
滑りを観たいのだが、氷上が殺風景になるだろうか。
にしても、各選手が花畑状態にカラフルな中にあって、ネイサン・チェンの
黒が凛々しくかえって存在感があったような?

ザギトワ選手はついマサルとペアのイメージで見てしまうが、
この人も美貌で肢体美しく、天から二物も三物も。

カザフスタンのトゥルシンバエワ選手の4回転と、それに反応する
日本人女子選手たちの賛嘆の表情は幸い、後追いのニュースで
見られた。

人間の技術や頭脳の進化は理解できるのだが、身体的進化というのが
今ひとつ実感が掴めない。年々五輪で秒単位の進化があるわけだが、
フィギュアにおける5回転時代の到来は可能なのだろうか。