記憶の彼方へ

カラーとモノクロの写真と一緒に 日頃のなにげないエピソードやホッとするコトバを♪

亀のはなし

2011年06月07日 15時45分36秒 | Weblog
公園の池を見ていたら、ダックスフントを連れたおばあちゃんが話かけてきた。

初めはたわいのない世間話だった。ところが池の亀を見たおばあちゃん、いきなり亀のはなしを始めた。
「大きくなった亀を飼ったらいけないよ。何故か知ってるかい?」縁日で小亀を掬うのもへたっぴだった私は飼ったことなどない。
「亀というのは昔は病気を背負ってくれる生き物だったんだよ。家族に病気のものがいると亀に向かって治りますようにと手を合わせてお願いしたものなんだ。それでほんとに病気が治ったこともあったのさ。だからこの池にいるような大人の亀を飼うことは危険なんだよ。亀が背負った病気が人間にうつるからだよ。」
驚きを隠せなかった私は「ええ~っ、そうなんですか?」と尋ねた

そんな言い伝えがあったなんて。でもさ、背負った亀は苦しくないの?痛みはないの?
なんだか亀が気の毒に見えた。
この話をCちゃんにしたら、「だから歩くのが遅いのかな」と真顔でつぶやいた。思わず爆笑してしまったが、何かしら背負い込んだ歪みを受けているような気がする。
亀も大変なんだね。

「おねえさんは今日はお休みなの?」とおばあちゃんが聞いてきた。
「はい、そうなんです」と答えると、「こうして休みの日にはこういうとこに来て、のんべらしたほうがいい。の~んべら。」
初めて聞いた「のんべら」という言葉が妙に心地よかった。


Official website
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 都会のオアシス | トップ | 方向音痴はなおらない »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。