2020年12月22日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面の見出し「『巨大ITが秩序』現実に」を拝読しました。
この記事はコラム「パクスなき世界 大断層」の第2回目のものです。
この記事は現実に起こった話を紹介しています。11月12日に、インターネット通販大手の「楽天市場」で、商品の一つである大型テレビの価格が目まぐるしく変わった話を紹介します。
午前9時過ぎに、一部の出店者が20万円前後だった大型テレビの価格が3万円から4万円引き上げると、1時間以内に全出品の41パーセントが追従した。
そして3日後に、今度は約2万円値下げしたところ、同様に1時間以内に全出品の41パーセントが価格を下げたのです。
ECサイトを調査する企業のバリューズ(東京都渋谷区)の高木正良氏は「相手の値動きに合わせて自動で価格を変えるソフトウエアの存在が背後にある」と、種明かしをします。
同様に、米国AMAZONのWebサイトでは、自動値付けは出展者の3割超が、このソフトウエアによる値付けを採用しているとうわさされています。
この記事は、日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では見出し「『巨大ITが秩序』現実に デジタル化、国家置き去り」と伝えています。
イタリアのボローニャ大学のエミリオ・カルバノ准教授らの実験では、複数の人工知能(AI)に商品の値付けをさせると、バラバラだった価格が最終的に均一の価格になります。
AIソフトウエアが他者の動きをにらんで利益を最大化した結果、価格が最終的に均一の価格になります。
これは消費者にとっては不利益な価格水準に収まるケースも出てきます。既存の概念では「価格カクテル」に当てはまる事例です。
カルバノ准教授は「人の意図や交渉によらない『AIカルテル』を、現行の競争法では規制することはできない」と指摘します。
経済協力開発機構(OECD)は、これまでの報告書で同様の懸念を指摘しています。
デジタル化の世界は、これまでのルールを置き去りにして急速に進んできました。既存秩序の根拠になっている法典や規制に対して、目の前で進むデジタル化した現実の間には、埋めがたい距離が開き始めていると伝えています。
米国Googleの新たな決済アプリケーションでは、2021年からシティーバンクなどの口座がひも付けが、銀行側には口座維持手数料や最低残高の決定権が制限されているそうです。
Googleなどの巨大IT「GAFA」合計の時価総額は、シティーバンクなどのグローバルに展開する30の金融機関の約2倍に達しています。
強者のルールに弱者が従う構図も金融では起こっています。
現在、膨大な個人情報を持つ巨大IT企業の「GAFA」は国家をしのぐ影響力を持ち始めています。米国では、当局がGoogleとfacebookをトラスト法(独占禁止法)で提訴しています。
進むデジタル化の恩恵を人々に平等に分配する仕組みや法の誰がつくるのか答えを探し始めています。なかなかの難問です。そして、いい答えを出せるのかどうか人類の知恵が試させています。
(追記)2020年12月23日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面の見出しは「ソニー、AIの倫理を審査」でした。
ソニーは2021年3月から人工知能(AI)を使うすべての製品について、倫理面での安全性を審査すると、記事は伝えています。
AIは利便性が高い半面、動作の判断基準が不透明で、意図せぬ差別などの問題を引き起こす可能性があり、これを審査しますとのことです。まだIT技術を人間が適正に利用する努力に務めています。
自動運転車がもし事故を起こした時は、その責任は・・。これに答えを出す必要があります。
この記事はコラム「パクスなき世界 大断層」の第2回目のものです。
この記事は現実に起こった話を紹介しています。11月12日に、インターネット通販大手の「楽天市場」で、商品の一つである大型テレビの価格が目まぐるしく変わった話を紹介します。
午前9時過ぎに、一部の出店者が20万円前後だった大型テレビの価格が3万円から4万円引き上げると、1時間以内に全出品の41パーセントが追従した。
そして3日後に、今度は約2万円値下げしたところ、同様に1時間以内に全出品の41パーセントが価格を下げたのです。
ECサイトを調査する企業のバリューズ(東京都渋谷区)の高木正良氏は「相手の値動きに合わせて自動で価格を変えるソフトウエアの存在が背後にある」と、種明かしをします。
同様に、米国AMAZONのWebサイトでは、自動値付けは出展者の3割超が、このソフトウエアによる値付けを採用しているとうわさされています。
この記事は、日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では見出し「『巨大ITが秩序』現実に デジタル化、国家置き去り」と伝えています。
イタリアのボローニャ大学のエミリオ・カルバノ准教授らの実験では、複数の人工知能(AI)に商品の値付けをさせると、バラバラだった価格が最終的に均一の価格になります。
AIソフトウエアが他者の動きをにらんで利益を最大化した結果、価格が最終的に均一の価格になります。
これは消費者にとっては不利益な価格水準に収まるケースも出てきます。既存の概念では「価格カクテル」に当てはまる事例です。
カルバノ准教授は「人の意図や交渉によらない『AIカルテル』を、現行の競争法では規制することはできない」と指摘します。
経済協力開発機構(OECD)は、これまでの報告書で同様の懸念を指摘しています。
デジタル化の世界は、これまでのルールを置き去りにして急速に進んできました。既存秩序の根拠になっている法典や規制に対して、目の前で進むデジタル化した現実の間には、埋めがたい距離が開き始めていると伝えています。
米国Googleの新たな決済アプリケーションでは、2021年からシティーバンクなどの口座がひも付けが、銀行側には口座維持手数料や最低残高の決定権が制限されているそうです。
Googleなどの巨大IT「GAFA」合計の時価総額は、シティーバンクなどのグローバルに展開する30の金融機関の約2倍に達しています。
強者のルールに弱者が従う構図も金融では起こっています。
現在、膨大な個人情報を持つ巨大IT企業の「GAFA」は国家をしのぐ影響力を持ち始めています。米国では、当局がGoogleとfacebookをトラスト法(独占禁止法)で提訴しています。
進むデジタル化の恩恵を人々に平等に分配する仕組みや法の誰がつくるのか答えを探し始めています。なかなかの難問です。そして、いい答えを出せるのかどうか人類の知恵が試させています。
(追記)2020年12月23日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面の見出しは「ソニー、AIの倫理を審査」でした。
ソニーは2021年3月から人工知能(AI)を使うすべての製品について、倫理面での安全性を審査すると、記事は伝えています。
AIは利便性が高い半面、動作の判断基準が不透明で、意図せぬ差別などの問題を引き起こす可能性があり、これを審査しますとのことです。まだIT技術を人間が適正に利用する努力に務めています。
自動運転車がもし事故を起こした時は、その責任は・・。これに答えを出す必要があります。