~西田side~
さて、昨日に引き続き本日も準主役であります西田の心のつぶやきをお楽しみ下さい。
その前に、私自身の話を少しさせて頂きます。
私は司様とは違い、愛ある結婚をし幸せに過ごす予定でした。
が、どうして、女というのは結婚前後であのように豹変してしまうのでしょうか?
結婚式の日の可愛い妻は、今となれば夢。
今の妻は別人のようになりました。
『おかえり。』と笑顔で出迎えてくれたのは、最初の数日だけ。
今となれば『おかえり。』は、スマホ越しとなりました。
なんでも、『(スマホを見るのに)忙しい。』だそうです。
そうです。
私の妻も皆様と同じように、二次の世界へ入ってしまったのです。
原因は私ではありません。
学生時代から大好きだったマンガの二次の存在を知ってしまったのです。
そして、今となれば、妻にとって二次めぐりは無くてはならない存在になっているそうです。
私の夜の誘いより、新しい作品を追い求めることの方が重要らしいです。
夜遅くでもスマホのチェック!
日付が変わるころにアップされる時もあるようで、就寝は常に日が変わってからです。
そして、早朝にもアップされるようですね。
勿論、お日様が上って無い内からスマホをチェック。
そして、再び寝るというルーティーン。
(『私の朝ご飯は?』というのは思ったとしても、口が裂けても心の中でしか言いません。ボンクラ上司のお蔭でその辺りは慣れております。)
一度読んだ作品も、読み直すのが楽しいらしいのです。
なんでも、数回読んで気付くことも多いだとか…。
何度読んでもキュンキュンするらしいです。
こうなると、西田、完敗です。
まさか、今、この話を読んで下さっている皆様も、私の妻のような日々を送っているのでしょうか?
このような事がございまして!!
私は部下として!
ボンクラ上司にも、このなんとも納得できない結婚生活を、骨の髄まで味わってもらおうと思ったわけです。
ですから、牧野さんには、さっさとご自分の気持ちに気付いてもらおうとしたのです!!
そして、司様と本当の夫婦になって頂きですね…。
司様にこの納得できない結婚生活を味わって頂くというプランが、私の中では完成しておりました。
ですが…。
ここに大問題が出てきました。
そうです!
牧野さんが鈍感すぎるという問題です。
自分の気持ちだというのに…。
私でも気付いていたというのに、本人が全く気付くどころか、その気配すらありませんでした。
その上、あのボンクラが余計なことをしてしまいました。
そうです。
あの大河原事件です。
恋愛初心者の分際でヤキモチを妬かせる作戦などを、西田の許可も得ず、勝手に強行してしまいました。
ですが、怪我の功名と言うべきなのか…?
牧野さんが自分の気持ちに気付いたのは、まさかの、司様と大河原様とのあの報道の時でした。
タイミングが悪すぎました。
私はこの情けない上司による、非常に情けない行動を隣で見ながら─────。
心配そうな表情をしながら(ここがポイントです。心と表情を連動してはいけません。)
『これでまた、司様の人生の墓場体験が遠退いた。(チッ)』
と思っておりました。
本当に、お二人は両想いだというのに、一体何をしているのか…?
この辺りは、皆様方の方がイライラしながら過ごされたことだと思います。
流石の私もイライラし、因島に出張へ行った際、司様にサインを出しました。
気付いたあなたは素晴らしい!
西田のことをよくわかってくださっています。
そうです!
コーヒーのことです。
牧野さんは、司様のコーヒーを飲みたいというサインを見逃してはいませんでした。
『司様の小さな癖に、牧野さんが気付いている。』
ということまで、私が教えたというのに…!!
我がボンクラ上司は、私のサインを全く気付くことはありませんでした。
なんとバカな上司なのでしょう。
部下の私がそれとなく、サインを出しているのですよ。
それに全く気付かないバカ上司。
正真正銘のバカだった…と、情けなく思いました。
今まで私が何度も《仕事しろオーラ》を出してきましたが、無駄だったのがよくわかりました。
オーラや表情では無理なのです。
微妙な空気だろうが、雰囲気も司様には無意味っ!
あのボンクラは、そんな高度な感性を持ち合わせてないのです。
皆様の職場にもこのような上司がおられると思います。
本当に、お互い(バカ)上司には苦労しますね。
でも、皆様の方が職場だけなのでマシなのかもしれません。
私の場合は、ボンクラの私生活まで片足を突っ込んで、心配するフリをしながら、今の状況から少しでも司様が不幸になるように、常に計算し動かないといけないのです!!
何故か?
それは、最後に私が笑うためにです。
お読みいただきありがとうございます。