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フランス大統領選挙Nicolas SSalkozy(サルコジ)氏が当選

2007-05-07 08:59:54 | 海外
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/05/06/AR2007050600644.html
フランスは移民を受け入れてきた長い歴史を持つ。19世紀以降、出生率の低下や戦争に
よる労働力の不足、また、新たな兵士を作るために積極的に移民を受け入れた。
 フランスは革命以降、国家観を「ナシオン」の考えのもとに形成してきた。フランスの
共和制には、「自由・平等・博愛」の理念をはじめ、共和国の原理を尊重する限りにおいて、
誰でも「国民」として認めるという精神がある。国民についても、人種、民族、血統は
二次的なものでしかなく、「自由・平等・博愛」の理念を共有することが重要とされる。
それは「個人」とフランス共和国との一種の契約であり、逆にいえば、この基本理念や
原則に義を唱えると、フランス国民として認められないということである。
 こうした精神のもとで、出生地主義に基づく国籍法が制定された。難民や亡命者を含め、
多くの外国人をフランスは受け入れてきた。1993年に国籍法が改正されるまで、移民の
第2世代は成人(18歳)に達した時点で、自らの意志で拒否しない限り、自動的にフランス
国籍を取得することができた。つまり、フランスでは移民たちを個人として、フランスに
取り込んでいく制度が成り立っていたのである。
 しかし、オイルショック後12%を超える失業率という景気後退に伴って、世論やFN
(国民戦線)といった政党は移民に対して排外的な色を強めていった。「移民ゼロ運動」
といった外国人排斥運動も一部で展開されている。この運動は、移民の総数(360万人)
と失業者(290万人)を比較し、前者が後者を大きく上回っていることから、移民を追い
出せばフランスの失業問題は解決されるといった、極めて短絡的な考えから生まれた。
実際景気後退の煽りを受けて職を失っているのは移民労働者達なのである。「極右」と
いわれる政党FN(国民戦線)はこうした世間の動きに便乗し、「私は従姉妹よりも実の娘
を、隣人よりも従姉妹を愛する」というFN代表のジョン・マリー=ル・ペンの言葉が象徴する
ような、自分と血のつながりが濃い人、つまり何事もフランス人が第一で、それ以外の人
つまり外国人は切って捨てても構わないという民族的同質性に基づくナショナリズムを主張
していた。例えば、失業問題の解決策として、国内の移民労働者を帰国させ、フランス人の
ために雇用を確保することをあげている。これは、不法移民だけでなく合法的に滞在している
人たちまでも追放しようとする乱暴な主張である。FNの主張は、移民を社会経済問題の
「スケープゴート」に仕立て上げていった。社会の最底辺に位置しているフランス人労働者の
フラストレーションを移民に向けさせ、FNの支持層に取り込んでいくことはそう難しくない。
 こうした流れから、移民に対する規制を強化する、とりわけ国籍取得条件に関する議論が
活発化した。1993年に国籍法が改正され、移民の第二世代は、期限付きの滞在許可を16歳まで
更新しつづけなければならず、フランス国籍を自動的に取得することはできなくなったのである。
フランスの移民は、99年の国勢調査によると、431万人で人口の7・4%。このうち半数は欧州系。だが、今回の暴動の主体となった北アフリカ系、イスラム系の若者のように、フランス生まれで仏国籍を持っていれば、この数字には含まれず、必ずしも実態を反映していない。しかも、フランスでは、差別を助長しかねないという理由から、人種、民族別の公式統計が存在しない。このため、移民とその子孫であるイスラム系住民は500万から600万人と推計されている。また、ドイツではトルコ人を中心に320万人、英国では180万人のイスラム教徒が暮らしている。



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