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太平洋戦争は正しい戦争なのか?

2008-03-27 11:28:16 | Weblog
太平洋戦争に対する考え方
「日本にとって正しい戦争だと思いますか。」という問いに対して、「戦争の正邪は軽々しく判断すべきではないし、またできるものでもない。」と前置きしながらも、あってはならない戦争をやった責任は日本とアメリカ双方にあるとしています。日本の過ちは中国大陸に戦線を拡大したこと。アメリカの過ちは、日本から戦争以外の選択肢を奪った(ABCD包囲網)こと。昨日のNHKスペシャルで日本が中国大陸で戦線をずるずると拡大していく様子を特集していましたが、その中にあった「日本は資源をアメリカに依存しており、戦争状態になると輸出を止められてしまうので中国に宣戦布告はできない。」というような説明がありました。日本は中国進出時から輸入制限のリスクを認識していたのにそれを止められなかったことになります。本にも書かれていますが、アメリカは開戦前からオレンジ計画として日本との戦争を想定していたそうです。逆に日本はアメリカとの戦争は全く考えておらず、ロシアばかりを警戒してとのこと。私が思うのは、日本はうまくアメリカの戦略にのせられたんだな、ということ。結果的に軍事大国日本を弱体化させ、全て悪いのは日本で、正義に国アメリカを強調できたのですから。

著者はこの一方が悪で、もう一方が正義という考え方をとてもおかしいと思っていて、その例として広島の平和記念公園の原爆慰霊碑をあげています。そこに書かれている銘文「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」について、主語がないため誰が過ちを繰り返さないといっているか分からないが、たぶん、日本人なのだろうと言っています。しかし、原爆を落としたのはアメリカで、アメリカは原爆投下によって戦争が早く終決したのだから「正しい」と考えている。つまりそこからは、自分の過ちでないことまで自分の過ちとする日本と、自分の過ちを認めずに正当化するアメリカの姿が見えてくる、と言っている。このことは、原爆投下に対してだけでなく、当時の戦争全体に共通していることのように私には思える。昨日のサンデープロジェクトでも、日本人による満州事変、日中戦争、太平洋戦争の総括が必要だと言っていたが、できるかどうかはともかく「必要」というのはその通りだと思う。

ちなみに、あのマッカーサーも次のように証言しています。GHQ総司令官だったマッカーサーがこういう証言をしているのだから、「全て日本が悪かった」という教育が自虐教育と言われるのは仕方がないかもしれません。

・対訳 マッカーサー証言

Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.

したがって、彼らが戦争を始めた目的は、主として安全保障上の必要に迫られてのことだったのです。



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1 コメント

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Unknown (上原 聡)
2008-03-29 00:06:35
ABCD包囲網は「過ち」と言えるのでしょうか?

今日の国際関係と外交においても同様の手段が頻繁に起用されてます。国連安保理による対イラク制裁・対イラン制裁・対ミャンマー制裁と、制裁という手段は国際社会が協調した結果の外交手段であります。その後の対応は、制裁を受けている国の判断で決まる訳で、誰も戦争に追い込んだ訳はありません。

従い、米国による対日制裁は次の選択肢を日本に与えたと考えます:

(1)中国での戦争を停止し、米国の要請に応じる。米国による対日輸出は再開される。

(2)対日制裁による資源不足を補う手段として「戦争・占領・資源確保」を選ぶ

極めてシンプルな判断だと思います。外交で資源を確保するか、戦争で資源を確保するか。

日本は後者を選んだ訳です。あくまでも、アメリカではなく日本が選んだ道です。
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