本朝徒然噺

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思い立ったが吉日

2006年01月31日 | つれづれ
現在の会社に転職して、まもなく2年が経ちます。

転職の際、「新しい仕事に慣れるまでは」ということから、それまで習っていた三味線(長唄の三味線)のお稽古をお休みさせていただいていました。
新しい環境に慣れたら再開を……と思っていたのですが、なかなかきっかけがつかめず、ずるずるとお休みの状態が続いていたのです。

もちろん、その間も盆暮れ、お正月のご挨拶だけはしていましたが(といっても別に強制されていたわけでも何でもなく、自分の気持ちの中の問題で)、いざお稽古となると、仕事との兼ね合いも気になってなかなか再開できずにいました。
でも、丸2年経ってちょうどいい節目かなと思ったのと、「時間は“できる”のを待っていたのではいつまでもできない、時間は“作る”ものだ」と気づいたので、思いきってお稽古を再開することにしました。

「思い立ったが吉日」で、昨日さっそく師匠に電話し、「来月からまたお稽古にうかがいたいので、その前にご挨拶にうかがいたいのですが……」と相談。
実際に行動に出てみればトントンと進むもので、「明日はお稽古日じゃないけど家にいるからいつでも来て」とのことだったので、今日、仕事帰りにさっそくご挨拶に行ってまいりました。

ご挨拶の品をお渡しして、最初にやる曲目やお月謝のことなどをうかがったら玄関先で失礼しようと思っていたのですが、師匠の奥様から「この後何か予定はあるの? 何もないなら、ぜひご飯を食べて行って」とありがたいお言葉。
「いえいえ、そんな、どうぞおかまいなく……」と一度は辞退しましたが、ご夫婦2人のお宅で「たまにはにぎやかにごはん食べたいのよ~。お酒飲めるでしょ?」とおっしゃってくださったので、あつかましくもご相伴にあずかり……。

奥様も、お仕事をしながらずっと長唄を習って来られた方なので、勤め人の気持ちや事情もよく理解してくださるのです。
お食事をいただきながら、近況報告などをして盛り上がりました。
その合間に、さりげなくお月謝のことも教えてくださったので(こちらに気を遣わせないように本当にさりげなくサラっと言ってくださったので、さすがだなあ~と思いました)、こちらもそれを逃さず聞いて、その場で「頭の中にメモメモ」です。

有閑マダムでない素人弟子にもやさしいコストなので(長唄三味線の世界ではなかなかの大御所であるにもかかわらず)、本当にありがたいです(涙)。
素人弟子にも「細く長く続けてもらえるように」とあらゆる面で配慮してくださっているのが、本当にすごいと思います。
幼いころから芸の世界で生きて来られた方ならではの「余裕」というか、懐の深さを感じます。

奥様は唄の師匠なのですが、「自分の勉強のためでもあるから」と、格安のお月謝で唄を教授されています。
唄が頭の中に入っていないと三味線の手もなかなか覚えられないので、三味線のお稽古に慣れたら唄もぜひ習いたいと思います。

師匠も奥様も本当に気さくな方で、そういった師匠にめぐり会えたことは本当にありがたいなあ……と思います。
芸事ってやっぱり、その師匠の「芸」と「人柄」に引かれることが、長続きの秘訣ですから。
仕事が忙しい時はお稽古が中断してしまうこともあるかもしれませんが、師匠がおっしゃったように「細く長く」続けていこうと思います。

そんなわけで、「お稽古日記」も加えて、ブログを近くリニューアルする予定です。
リニューアル後も、どうぞよろしくお願いいたします。