本朝徒然噺

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ラグビー早明戦

2004年12月05日 | つれづれ
ラグビー早明戦を観に、国立競技場へ行った。

この時期のラグビー観戦はたいてい寒く、足元から冷えて、試合も後半戦になると震えながら観ているパターンが多いのだが、今日は天気にも恵まれ、しかも暖かかった(暑いくらいだった)のでよかった。ラグビーの試合にしてはめずらしく、ビールが売れていた。暑くて選手はちょっとかわいそうだったかもしれないが。

この早明戦と、年明けに行われる大学選手権決勝は、毎年必ず観に行くことにしている。
ラグビーというスポーツが好きということももちろんあるが、大学を卒業してずいぶん経つ今、母校との関わりをもつ数少ない機会でもあるからだ。

早明戦には、毎年多くの観客が集まっている。
早慶戦はここ何年も観に行っていないが、こちらも以前に比べて観客が増え、チケットも売り切れてしまうようである。

ここ最近、ラグビー人気が高まっているようで、それはそれで良いことなのだが、観客が増えたぶん、ラグビー観戦のマナーを理解していない人が増えている気がする。
特に、大学ラグビーの場合、学生諸君が多く観に来るため、その傾向が強い。
もちろん、きちんと理解している学生もいるのだが、ただのお祭り騒ぎになっているような人も見受けられる。

ラグビーは、身体接触が激しいぶんお互いにマナーを守った試合が求められていることから「紳士のスポーツ」と言われ、「ノーサイドの精神」(試合の時以外は敵味方もなくお互いに仲間だということ)を基本としている。
それは観客にも言えることで、野球と違って応援するチームごとに席が分かれておらず、双方入り混じった状態で客席に座っている。それゆえ、節度のある観戦態度が求められるのである。
相手チームに対して不快なヤジを飛ばしたり、相手チームの選手がゴールキックをする時に「外せ」などと大声をあげて集中力をそぐような行為は慎むべきとされている。

しかし、最近はこういったマナーを守れていない観客が、残念ながら増えている気がする。
もちろん、学生に限ったことではなく、大人のなかにもこういった人はいる。

また、試合を運営する側にも「ノーサイドの精神」が薄れてきている気がする。
最近では、試合開始前に両校の校歌斉唱やエール交換などのセレモニーをやるケースが増えているようだが、「ノーサイドの精神」という観点から見ると、いささか疑問を感じずにはいられない。

観客が増えることは、ラグビー界の発展にとってもちろん良いことだと思うが、一部の心ないファンのために古くからのファンが離れてしまうようなことになったら、ブームが去った後には目も当てられないことになってしまう。

一生懸命頑張ってプレーしている選手たちのためにも、観客一人一人が気持ちよい試合づくりに一役買っていく必要があると思う。