マグロチャンピオンの料理道場

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99個の卵

2012年07月13日 | 祝 バンコク「魚やす」開店


バンコクの「トンロー日本村」に「魚やす」を開店することになり、内装業者との打ち合わせやスタッフ募集などを並行してやることになったが、このテナントのビルのオーナー会社と契約が済んでからは、毎月の家賃も発生するので1日も早くお店を開けたいと気持ちばかりが焦っていた。

中国の場合には、賃貸契約が済んでからお店の内装などの準備に2か月程は掛るので、最初の一か月は家賃が無料というケースが多いのだが、タイの「中華系のタイ人」はなかなかガメツイようで、うちの店の大家は半月分しかサービスしてくれず、なんとか一か月以内にお店をOPENしたいと考えていた。

しかし、それでもタイでスケジュール通り事が運ぶはずもないので、内装業者などには1か月後の開店と言いながらも、OPEN予定日は一か月半後の6月22日と自分では設定していた。

この6月22日に特に意味がある訳ではないが、広告を打たなくても金曜日なのである程度の集客が見込めるのと、できれば18日頃からプレオープンして、22日のグランドオープンには混乱を避けたかったからだ。

中国では幾つもお店をOPENしてきたので、たとえば蘇州店の場合には、上海や大連から自分のスタッフを連れてきて、ぶっつけ本番でグランドオープンしたが、バンコクのスタッフの場合には未だにメニュー名も分からないスタッフも多く、急遽、メニューにローマ字で料理名を書き加えたような状況だった。

さて、いよいよ内装工事も始まり、スタッフ集めが始まったが、以前、バンコクで日本料理店のお手伝いをしていた時の「チャン」という調理スタッフが、今は別の日本料理店(3つ星ホテル内)で働いていて、連絡を取ったところ直ぐに掛け付けてくれた。また、ホールスタッフも「シーちゃん」というベテランがメンバーに加わってくれて、彼らのネットワークで順調にスタッフの確保も進んだのだが、こちらの焦る気持ちを察してか、彼らからお寺に行こうという提案があった。

お寺に行く時間などとても無いような状況だったが、「郷に入っては郷に従えと」いうこともあり、朝早くからバンコク郊外の「watbangpleeyanai」(ワットバンピーヤイナイ」という大きなお寺に行ってきた。

礼拝堂内


地図


このお寺の仏様(ルアンポートー)

このお寺の仏様は、とてもパワーがあるので、「願いが叶う」ということで、そして、もし、その願いが叶ったならば、このお寺の仏様(ルアンポートー)の好物の「茹で卵を99個」を持ってお礼に来くのが慣例らしく、礼拝堂には大きな籠に99個の茹で卵を持った人達が何組も見掛られ、熱心にお祈りをしていた。

でも、「茹で卵」は何で100個ではなく99個なんだろう?そんな疑問がフッと頭に浮かんだ。

日本では「4」と「9」はあまり縁起のいい数字ではなく、タイも日本も仏教を信じる人が多いのに、と思ってうちの店のスタッフに聞いてみたところ、『99個ではなくて、199個でもいいし、299個でもいい、大きな願い事が叶えば多い方がいい』と、余計に頭が混乱するような回答が返ってきた。

これが、中国の場合には間違いなく「88個」だろうし、拝金主義の中国人を思い浮かべれば直ぐに納得もできる。

前にも書いたと思うが、中国語の「8」の数字の発音が「發」に似ているので、「發財」(お金持ち)になりたい欲望から「8」が好まれるのだ。

中国で次に好まれる数字が「6」だが、中国語の「6」の数字の発音が「工作順利」(仕事がうまく行く)の「利」と似ているからだという。

また、「4」は日本と同じく「死」を意味するので嫌われるが、以外なことに「ラッキー7」と、日本では好まれる「7」は忌み嫌われている。

たとえば、「4」と「7」を組み合わせた場合には、中国語での発音は「スー、チー」となるが、この発音が「死期」となってしまうのだ。

ところで、「茹で卵がなぜ99個なのか?」が気になったので、後で調べてみたところ、タイ人は、数字の「9」が大好きなようだ。

それは、整数の中で「9」が一番大きな数だから縁起がいいという理由や、中国古来の言い伝えという説もあるようだが、知り合いのタイ人に尋ねてみたところ、9を意味するタイ語の「ガーウ」には、スペルは違うが同じ発音で「歩む、進む」という言葉があるようで、「繁栄する」「繁盛する」ことを願い「9」が大好きならしい。

実際に「チェンマイ」で開催された車のナンバーのオークションでは、9並びのナンバーが180万バーツで落札されたことがあるらしく、また、皇室の記念事業にも「9」が使われることが多いらしい。

さて、また話が長くなってしまったが、こうしてスタッフと一緒にお寺に行き『無事にお店がOPENできますように』と仏様にお願いして、また、日々の忙しい毎日に戻ったが、半日掛けてお寺に行き、境内を歩いていると不思議と和やかな気持ちになってくる。

境内の写真を幾つか貼り付けおこう。





尚、このお寺の「トイレ」がとても綺麗で清潔だったので驚いた。
           ↓  

もし、このお寺に行くようなことがあれば、トイレに立ち寄ってみていただきたい。
(自分の実家は浅草の観音様(浅草寺)の近くだが、境内のトイレはもう少し清潔にしてもらいたいと思う)

さて、6月22日に無事にお店がOPENしたので、その一週間後に再度、このお寺に行ってきた。

もちろん、「99個の茹で卵」を忘れずに。。。








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