マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

沖縄料理の「青パパイヤ炒め」(パパイヤ イリチー)を作ってみよう。

2012年11月23日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
バンコクは雨季が明けたがここ数日は雨の日が多く、また相変わらず暑い日が続いている。

今日の昼には気温が36℃以上になり、これでは店内のエアコンも効かなくなり、大型の扇風機を何台か回してお客様には少しでも快適に食事をしてもらうようにしたが、それでも一歩外に出ればいきなり熱気が襲ってくる。

しかし、この太陽の恵みと雨が果物をとても甘くてジューシーで美味しくさせる。

そして、いろいろな種類の果物があり、また価格も日本に比べると格段に安い。

それらの果物をジュースにして販売している屋台や、果物屋もあるが、うちのアパートの近くに果物をたくさん積んだトラックが時々現れる。


とても新鮮で、日本では売られていない果物もたくさん見掛けられる。


さて、前回は青パパイヤを使った「ソムタム・タレー」(シーフード・ソムタム)を作ったが、うちの店のスタッフ達に『タイでは青パパイヤは加熱して食べないのか?』と聞いてみたところ、『貧乏人がおかずの無い時に炒めて食べることがあるが普通は加熱せずに生で食べる』と言っていたが、どうやら皆、炒めてた青パパイヤを食べたことはないようだ。

実は日本にはこの「青パパイヤ」を炒めて食べる地域があり、それは沖縄だ。

「青パパイヤ」は南米が原産の果物だが雑草のように生命力が強い割には、しっかりとした幹と根が無いので台風が来たりすると直ぐに倒れて腐ってしまう。

でも沖縄では昔から多くの家の軒先にもこの「青パパイヤ」があって、ゴーヤ・チャンプルーと同じように油で炒めて食べている。

「チャンプルー」は沖縄の方言で炒めるという意味なので、青パパイヤを炒めたら「パパイヤ・チャンプルー」と呼びそうなものだが、沖縄の青パパイヤ炒めは「パパイヤ・イリチー」と呼ぶ。

どうやら「チャンプルー」は(炒める)、「イリチー」は(炒め煮)ということになるようだが、特に決まりはないようだ。

青パパイヤと一緒に炒める具は「ツナ缶」などが多く使われているが、今回はコクを出す為に「豚のバラ肉」を使用したが、鶏のモモ肉などでもいいだろう。

この料理を作るにあたり、材料を用意していたらうちの店の調理スタッフが、『本当に青パパイヤを炒めるの?』と不思議そうな顔をして見ていたが、この料理はとても簡単で美味しいので、ぜひ、作って食べてみて欲しい。

◆青パパイヤと豚肉炒め(パパイヤ・イリチー)の作り方。

<用意する物>


写真手前の左から「豚バラ肉」、「出汁」、「醤油」、「塩」。写真奥の左から「青パパイヤ」、「ニンジン」、「ピーマン」、「コショウ」。

<作り方>下処理

①青パパイヤの固い皮をピーラーで削り取る。


②青パパイヤを細く切る。


③ボウルに取る(できれば冷水につけてシャキっとさせる。)


④ニンジンの固い皮をピーラーで削る取る。


⑤ニンジンを細く切る。


⑥ボウルに入れておく。


⑦ピーマンのヘタと切り取り、種を外す。


⑧ピーマンを千切りにする。


⑨ボウルに入れておく。


⑩豚のバラ肉を薄くスライスする。


⑪ボウル等に入れておく。


<作り方>本調理

①フライパンを中火に掛けサラダ油(大さじ2)を入れる。


⑫豚バラ肉(100g)を入れ、両面をじっくり焼く。


⑬青パパイヤ(250g程)を加えて30秒ほど炒める。


⑭ニンジン(150g程)を加えて30秒程炒める。


⑮ピーマン(50g程)を加えて30秒程炒める。


⑯出汁(濃いめの出汁を大さじ3、又は大さじ3の水に顆粒だしを小さじ1)を入れる。


⑰塩を加える(小さじ1弱い。醤油の塩気が強ければ入れなくてもよい)


⑰醤油を大さじ1加える。


⑱コショーを少し振る。


⑲全体をよく炒めて出来上がり。


出来上がりの写真。

この料理を美味しく作るポイントは炒め過ぎないことだ。

また、出汁は濃いめの方が「おかず」にも「酒のつまみ」にも合うと思う。

出汁を加えたら火を強めて全体を炒め煮し、野菜のシャキシャキ感が残るくらいで火から下すといいだろう。

さて、何回か続けて「タイ料理」を作ってきたが、野菜をたくさん使った料理が多く、また、素材の味を生かした調味料の使い方には勉強することが多いと思う。

早い物で、あと数日で12月になるが、12月から幾つか新メニューを加えるので、このブログも少しの間お休みさせていただく。

次回は新メニューの写真と共にレシピを紹介したいと思う。。。