マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

最近ハマっている、タイの「揚げワンタン」はとってもアロイ。

2012年11月05日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
今年も早いもので11月に入ったが、タイは1年中30℃以上の気候なので、そろそろ年末が近いのだという気持ちになれないから不思議だ。

BTSの「サイアム駅」の界隈には、巨大なクリスマスツリーのデコレーションが始まったが、クリスマスと言うとやはり雪が降る寒い国のイメージだ。

さて、今回はタイの揚げワンタンを作ってみたいと思う。

実は、最近これにハマっているのだ。

バンコク市内にはいたるところに屋台があり、ラーメンや惣菜やお菓子やコーヒーやジュース等を売っているが、こんなに屋台があるということは、皆、自分の家では料理を作ったりしないのではないかと思う。

そんな屋台の中で「揚げワンタン」の屋台を見掛けることがあるが、中に入れる具は千差万別で、豚肉もあれば海老もあるし、魚のすり身や魚肉ソーセージが入っていることもある。

そして、最近ハマっているのが、「エカマエ通り」の「Big C」という大型スーパーマーケットの1階にある、タイラーメンのお店の「海老の揚げワンタン」だ。

わざわざこれを食べに出掛けることはないが、「Big C」に店で使う消耗品などを買い物に行く時にはついつい立ち寄ってしまう。

そして、魚肉団子の入った「クイツティアオ」(タイのお米が原料の白いラーメン)と、この「海老の揚げワンタン」を食べてから自分の店へ戻るが、内心、この店に行くのを楽しみにしていて、お目当てがこの店の「海老の揚げワンタン」だ。

タイにはお米が原料の麺の他に、「バーミー」という(普通の黄色いラーメン)があり、よく中国の広東省の人がタイに広めた「卵麺」がルーツという話を聞くが、多少は卵は使っていたとしても中国の卵麺とはまったく別物だ。

実際に何度も中国で「卵麺」を食べたことがあるが、本物の卵麺はもっと色が薄いし「かん水」の臭いもしない。

もともと、「かん水」を使用せずにも「コシ」と「のどごし」がよい麺を作る為に卵を使用しているのだから卵麺に「かん水」独特の臭いはなく、小麦の香もちゃんとする。

その「かん水」だが、海水のようなもので、そのアルカリ性の性質を使って麺を縮ませ黄色い麺になる。

ちなみに「かん水」を煮詰めると「豆腐」に欠かせない「にがり」になるが、「かん水」も「にがり」もえぐい味はするが臭いはほとんどしない。

現在「かん水」は工業的に作られた「カリウム」や「ナトリウムの炭酸塩」、それに「リン酸塩」等の添加物を原料にして作られているので、あの独特なに臭いになり、また、黄色い麺の色は着色されたものが多い。

また、卵麺は日持ちしないが「バーミー」の麺は常温でも2か月も3か月もカビの生えない物が多いので、たくさんの保存料が入っているのではないかと思う。(これはマクドナルドのハンバーガーも同じで、しばらく放っておいてもカビなどまったく生えない。)

そういう訳で、「バーミー」より「クイツティアオ」の方を食べることが多いが、たまには「バーミー」も食べるし「マクドナルドのハンバーガー」も時々無性に食べたくなったりする。

日本のコンビニの弁当の原材料の表示ラベルには「ph調整剤」又は「制菌剤」とか「保存料」と書かれているが、これは立派に危険な「添加物」で、ご飯が痛まないようにたくさん振りかけられている。

また、お弁当の「おかず」の方にも「着色料」や「増粘剤」や「MSG」等のさまざまな添加物が使用されている。

それをいちいち気にしていたら何も食べられないが、何が入っているのかを把握して食べ過ぎないようにすることが大切ではないかと思う。

さて、今回紹介する「ワンタンの皮」も黄色い色だ。

日本では「ワンタンの皮」は白い色の物が多いが、バンコクではどこのスーパーでもこの黄色の物しか見掛けない。

しかし、揚げ色は綺麗でこの黄色いワンタンの皮もなかなかよいのではないかと思う。

それでは早速作ってみよう。(今回は中に入れる具を3種類とした)

◆タイの揚げワンタンの作り方

<用意する物>

写真手前の左から「塩」、「ワンタンの皮」、「豚のひき肉」、「海老」。写真後ろの左から「うずらの卵」、シーズ二ングソース、黒コショー、白コショー、スイートチリソース。(尚、この写真には入っていないが、ゴマ油を少量使用した。)

<作り方:海老>

①海老を包丁で叩いてミンチにする。


②ゴマ油を少量加える。


③塩を少量振る。


④白コショーを少量振って加よくかき混ぜる。


⑤ワンタンの皮で三角形に包む(皮に水を少量付け、ピッタリと重なるように)


⑥次々と包んでいく。


<作り方:うずらの卵>

⑦うずらの卵を茹でて冷水に取り、殻をむく。


⑦茹で上がったうずらの卵をボウルに入れて塩を少量振る。


⑧白コショーを少量振る。


⑨ワンタンの皮で包み込むようにする。


<作り方:豚のひき肉>

⑩豚ひき肉をボウルに入れ、少量の塩を振る。


⑪さらに黒コショーを少量振る。


⑫シーズ二ングソースを少量加えてよく混ぜ合わせる。


⑬ワンタンの皮で長方形に包む(皮に水を少量付け、ピッタリと重なるように)


下の写真の三角形は中に海老の具、中央がうずらの卵、右の長方形が豚ひき肉で、それぞれ中身が分かるように別々の形にした。


<作り方:>油で揚げる。

⑭170℃に熱した油の中にワンタンを次々に入れていく。


⑮皮がパリッとなるまで揚げる。


⑯カラッと(パリッと)揚ったらバットに広げ油切りする。


⑰皿に盛り、スイートチリソースを添えて出来上がり。

さて、今回使ったシーズ二ングソースだが「ゴールデンマウンテン」(ソープーカオトン)を使った。

タイでは他に「マギー」(マッキー)のシーズ二ングソースもあるが、この「マギー」は目玉焼きに掛けるととても美味しく、いつも「目玉焼き」専用に使っている。

どちらも大豆を原料とした日本の「たまり醤油」のような物だが、コクがあるので炒め物等に少量加えるのもいいだろう。

タイには美味しい(アロイ)料理がたくさんあり、それが街中の屋台で驚く程安く売られている。

これでは家で料理を作る必要もないだろう。

さて、次回は日本人も大好きなタイ料理「ラープ」の話をしよう。