良い子、悪い子、こまりん子

幼児教育20余年。多くの子ども達を育て、ママ達の悩みに耳を傾けてきました。辛口アドバイスも含め、子育ママ達にエールを!

子供にも知って欲しい - 各地の惨状

2006-07-23 19:03:35 | つぶやき
 クラスの時、子供達に「日本のあちこちで、たーくさんの雨が降って、多くの人が亡くなったり、お家が使えなくなっているってこと、知っているかしら?」と聞いてみました。
 さすがに子供達全員が「ニュースで見たよ」「とってもお気の毒だって、ママが言ってた」などと、口々に話してくれました。

 でも、中には、「あんなふうに、ジャブジャブってお腹のへんまでお水に浸かって、ちょっと歩いてみたい気がする」という子供もいました。
 当然ですね。まだまだ幼い年長さんなんですから

 どんな子供も一様に「お水好き」です。
雨の中、それほど苦な様子もなく、レインコートを着て、傘をさして歩いていたり、わざわざビシャッと水たまりに入ったり・・・
 先だって、「冒険好きの子供」というブログを書きましたが、「お水」は、子供達のそういう冒険のとっておきのアイテムでしょう。

 けれど、さすがに今回は、そう話した子供に私はこう言いました。
「むー、そうねえ、あんなことって、普通は出来ないから、何だかちょっぴり楽しそうかなって思ったのね でもね、あの水って、プールのお水みたいに、きれいなお水じゃないのよ」と言うと、すかさず「知っている 泥のお水なんだよね。山が崩れた土とか、石とか、いっぱい入ってる茶色の水なんだよね」という子もいます。きっと、お父さんやお母さんに、教えてもらったのでしょう。

 「そう、泥のお水、なのよね。でも、本当は泥だけではなく、ウンチやオシッコだって混じってしまったお水なのよ。だってそうでしょう?もし、大人の人のお腹までお水があるとすれば、あなた達のおうちのお手洗いは、きっとその泥水の中でしょう?そしたら、じゃってお水でウンチやオシッコを流すこともなく、勝手に流れていってしまうわ・・・手を洗ったお水も、お風呂のお水も、お台所のお水も、全部、全部、一緒になってしまっているんですもの・・・どう、それでも歩いてみたいかな?ちょっぴり楽しそうだって思う?」

 そう話すと、「知ってる!」と言っていた子供達も、急に神妙な顔になり、テレビに映し出されるニュースの世界が、本当はどんなに大変な、どんなに困った状況なのか、子供ながらに理解したようでした

 その後は、おうちの中に、大人の腰のあたりまで水に浸かると、どういうことが起こるか?という質問をしてみました。
 いろいろなヒントを与えていくと・・・
  「冷蔵庫の中にも泥水が入る」
  「お洋服が入ったタンスが水に浸かり、服が汚れてしまう」
  「本箱が水に浸かって、絵本が濡れる」
  「ベッドが水に浸かってしまう」などなど、答えが出てきました。

 そして、一度そうなってしまったものは、もうほとんどが元通りには使えなくなる、ということ、雨が止んで、お水が家から引いていっても、そのお家が、もとのように使えるかどうかもわからない、ということも話しました

 すると、今度は、「ずっと体育館で暮らすのはどうだろう?」という意見も出てきました。
きっと、避難所になっている学校の体育館の様子などを、ニュースで見ていたのでしょう。
 そこで・・・お家では、みんな家族だけで暮らしているけれど、体育館には多くの人がいて、きっとお手洗いも足りないし、あたたかいご飯も食べられない、お年寄りや赤ちゃんもいるし、体の不自由な人もいる・・・そういう人が長い間、ずっと同じように暮らせるかしら?と聞いてみると、また子供達は考え込みました

 今朝私は、主人と二人で朝食を食べながら、各局のテレビのワイドショーで紹介される、各地の惨状を観ていました
 私達はそれぞれに好きなものを食べながら、のんびりとテレビのほうを観ています。ベランダの花々は、ここ数日の涼しい気候の中で活き活きと咲き誇り、桜の大木は緑の葉を茂らせています。テレビの中の、避難所の方々との暮らしの違い・・・

 せめて私は、ニュースの中の惨状が、子供達にとって他の娯楽番組やアニメと同じように「テレビの中の世界」として目に映り、すーっと通過してしまうのではなく、本当はそこがどんなことになっているのか、どういうものなのかを伝え、たとえ幼くとも一生懸命に考えさせる機会を与えることが私の役目と認識しよう・・・あらためてそう思いました


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