フランスを離れ、一路ロシアへ。
御茶ノ水の聖橋側へはなかなか出ないのですが、たまにニコライ堂の美しい姿を見たくて足を運びます。
雨に濡れ、冬の寒さに凍える姿こそが尤も「らしい」と思っていますが、この日は抜けるような青空でした。
たまたま聖堂が開いており、献金をすれば誰でも見学出来ました。
構内の建物のガラスに貼ってあったシールですが、独特な十字架の形が見慣れぬ私に遠い異国を感じさせます。
八端十字架といい、十字の頭の部分にある短い横棒はイイスス(イエス)が十字架に架けられた時に頭上に打ち付けられた罪状書きを表し、下の斜めに描かれた棒は足台の象りをあらわしているそうです。
私は仏教徒であるので、このシールの十字架も聖書も美しいデザインとしか感じないのですが、合掌は全ての宗教に共通な祈りのポーズで、祈りという人間の動作の象徴なのだと改めて感じます。
この動作ひとつで心が静まり、敬虔な気持ちになるのは、初詣などでどなたもが経験されることでしょう。
親たちから教わった「かたち」なのですが、単に「パブロフの犬」的な現象ではないように思います。不思議です。