※お盆休みが終わって、ぼつぼつ書いておいたので、投稿します。
今年の新潟の墓参りには糸魚川への旅をプラスしました。
糸魚川くんだり(糸魚川のみなさん、失礼!)まで、フォッサマグナを見に?
それとも翡翠を拾いに?・・・そんな簡単に拾えたら毎年行くわさ。
そうじゃなくて、いつの日か必ず行こうと決めていた、谷村美術館を見るだけのために。
糸魚川行きの朝、新潟は雷が鳴り、激しい雨でした。
せっかく日本海が見えるところを走るのに、残念だなあと思っていたのですが、直江津を過ぎる頃から晴れ間が見えてきました。
AM10:01、糸魚川に到着。ちょっと海を眺め、山のほうにある美術館まで旅人気分で歩きます。
途中の家々を眺めていると、1階の軒高が高いのに気付きます。
冬は雪が降るので、床下が高く取られているのでしょうか。
こういうちょっとした発見をするのが、旅の楽しみです。
向こうに霞む山はなんというのでしょう?白馬岳のほうを向いて撮っているのですが。
ずいぶん遠いところまで、ひとりで来たなあ、という感慨がこみ上げてきます。
直線距離でいえば東京からたったの(?)200kmくらいなんですが。
谷村美術館は、澤田政廣(木彫・文化勲章授章)の作品群を展示したもので、設計は私の一番好きな建築家である村野藤吾(文化勲章授章)によるものです。
http://www.hisuien.com/tanimura_museum/index.htm
和風の回廊の向こうには、砂漠の砂の中から生まれたような建物が現れます。
これ、これ。
この足元周り。村野建築に会えました。
以下、絵ハガキより複写。
最初の矢印に従って進むと、あとは自然と次の間に導かれるようになっています。
次々現れる空間はそれぞれの仏様のお部屋になっていて、緻密に計画された自然光と照明に浮かび上がる像と対峙出来るようになっています。
建物の中には私一人。
外は真夏の昼間ですが、中は季節も時間も忘れた、まるで卵の殻の中のような子宮の中のような静かな空間です。
谷村美術館は村野藤吾92歳の時の、設計図をもとに没後建てられたものを除いた、最後の作品です。
この発想。情熱。
これを見るだけのために糸魚川まで来た甲斐がありました。