私が人生で初めに好きになった画家はモネでした。
明るく、優しく、判り易い。
日本人にはモネが好きな人は多いですよね。
私もそうやってごく普通の絵画鑑賞の第一歩を踏み出したわけで、モネはわたしの絵画のふるさとと言えます。
わたしが一番好きなモネの絵は「印象・日の出」です。
この絵、日本にきたことがあるでしょうか?
確かにこの目で見、「さすが印象派の名前の元になっただけのことはある。素晴らしい・・」と感激した覚えがあるのですが・・・・。
あれは、夢か?それとも良く似た題と絵だったのか・・・。
のちに、「モネとか印象派が好きだなんて、あんまり普通過ぎてちょいとカッコ悪いのではないか」と思うようになりました。
若いうちは刺激を求めるものだし、ちょっとマニアックなものが好きというほうが「通」っぽい感じがするし。(若いうちはとかく粋がりたいものです)
表向きには「モネね、まあ若い頃いいなと思ったこともあったけど」というふりをしつつ、展覧会がかかれば「一応おさえておくか」なんて観にいったりしていました。何スカしてるんでしょう。アホです。
いつか、川村記念美術館でやった「モネ展~睡蓮の世界~」は良かったな。
睡蓮ばっかり集めたので、どっぷり首まで浸かってふやけるほど堪能出来たなー。
・・・・・そして、今回、
ふるさとは私の目にどう映るだろう?
・・・・・・なんだ、なんだ?この人出は!今日は祭りか?ってほどの大混雑!・・・そのうちの一人が私なのだから文句を言う筋合いではありませんね。
会期終了まで数日ですから、仕方ないというものです。
それにしても入場まで40分待ちだなんて、私にとっては初めての経験でした。
この日、ここへ来るのに、何故か神谷町からズンズン歩き(東京タワー間近で見たかったのよ)、「21_21」で「チョコレート」を見、(面白かったし、建物も良かった)、満を持してやって来たのでした。
・・・後悔したー。一番好きなものを後にとっておくのは長女のクセ?だが、それがここでは悪いほうに出てしまいました。
中に入るまでにコテコテに疲れてしまい、イモ洗いのような会場で無我の境地にはなれず、「あっ、かささぎ、すばらしー。」「あっ、積藁、うつくしいー・・・・。」と時々感動しながらも集中しきれないわたし。
あっちで押され、こっちでどづかれ、「今日はダメだ・・・。」とヘロヘロになって出てきたのでした。
ふるさとは遠かった。まだ里帰りの時ではなかったのかもしれません。
だがまだ私とってふるさとは色あせてはいない。次回、体調万全でその輝きを確かめに行こう。
Monet・Renoir・Bonnard Exposition1979とあります。
この頃はキャンバス地に印刷したポスターを売っていたのですね。
私はキャンバスを張れないので油絵をやっている友達が張ってくれました。
尤もキャンバスの枠ではなく、私が使っていた鉛筆淡彩をするためのボードですが。
これをずっと部屋に飾っていました。青春の思い出とともに、宝物です。