まど

細く開いた窓を覗いてみると、そこにはNikonD70Sを前に困惑している女がひとり・・・

近未来

2007-05-31 23:48:53 | Weblog

いいです。中銀カプセルタワー。
近未来という言葉がありますが、今見てもなお、その言葉が相応しいように思います。
コンセプト良し。スタイル良し。
黒川紀章大先生の作品の中では一番好きです。

ひとつひとつのカプセルが劣化したら取替えられるようになっているのですが、一度も取替えられることなく、今建替えの噂が・・・。
当然黒川先生はこの建物を残したい意向で、このカプセルのそれぞれの所有者に権利を譲渡してくれるように話をするのだということです。
現在3個のカプセルを手に入れたとのことですが、この先どうなるのでしょう。

それにしても、1ついくらだか知りませんが、すごい財力。
今度は夫婦揃って参議院選挙に出馬されるとのことですが・・・・、人間お金を持ち過ぎるとちょっとヘンになるのかしらん。

 


会うたびに

2007-05-26 10:29:01 | Weblog

最初ピンとこなくても、見ているうちにだんだん気になり、いつしかとりこになる。

なんて、まるでアレみたいではないか。(アレとは・・・各々胸に手を当てて考えて下さい)

私の場合、ソレはコレだ。
・・・・・この頃会話も指示語濫用です。

銀座のMIKIMOTO2です。
最初は白い外壁にこの変形窓が散らばっているのを見て、「うし?」と絶句していたのが、今じゃ通りががるたび新しい表情を見つけるのが楽しみになってきました。

メンテもさぞかし大変でしょうが、いついつまでも美しく居て欲しい。
この建物は特に経年による劣化は許されませんぞ。


 

夜はきっとまた別の顔がある。なんて、アレみたいです。

 


またまたたのしい展覧会  巨星のことば

2007-05-16 12:42:36 | Weblog




三沢厚彦氏は、
>(動物をモチーフにすることについて)自分のアイデアを出す余地のないところがおもしろい ~対談の中で~
>「ここはもっとゆったり」とか「ここはもっとしぼれ」というふうに作品のほうから私を動かしてくれる。 ~展覧会ガイドより~
と、語っていらっしゃいます。

確かに、神が作られたものかどうかは知らないけれど、自然界のもののかたちは、みな訳あってそれぞれの形をしているので、それを動かすということは完成形を壊すことになるのかもしれない。
それでも、なにかにつき動かされ、いつしか共通の、独特の雰囲気をもった動物たちが姿を現す。
何につき動かされるのか。
多分、ご自身の持って生まれた形に対するセンス、でしょう。うらやましい話です。
今後、三沢氏がどんな声を聞いて、どのように変化していくか。
生きている作家は、これからどう変わるかを見る事ができるので、そこがまた楽しい。
もちろん、対談の相手の舟越桂氏も。

今回の対談で、舟越氏は
>アート(の種類)に限りがあるのなら、アルタミラだかなんだかの洞窟壁画以来、2万年くらいの年月が経っているのだから、とっくに品切れになっている。
それでも次々と新しいものが生まれてくるのは、一人一人の人間が、この世で初めての存在だからだ。
初めての存在なのだから、そこから初めてのアートが生まれる。
 と、おっしゃいました。

アートの才能の多い少ないはあるにしても、試してみる価値はありそうです。
よし、また写真撮りにいこう。

 


またまたたのしい展覧会  ANIMALS+

2007-05-15 12:00:43 | Weblog

平塚市美術館で「ANIMALS+(アニマルズ プラス) MISAWA ATUHIKO」をやっていたので、下の娘と行ってきました。
藤沢まではよく行くのですが、その先となると、行きつけないこともあってひどく億劫になります。しかも新宿から1110円もかかる!
娘は「おー、初の片道千円越えだ」と感激していましたが、スポンサーである私はトホホです。

でも、どうしても行かなくては。展覧会自体楽しみにしていたのに加え、この日は舟越桂氏との対談がイベントとして行われます。ミーハーな気持ちをエネルギーにし、湘南新宿ラインに飛び乗る。

展覧会場では、まず白クマが小屋のなかで待っています。(ここは撮影可)

でかい。
大きいということはひとつの魅力ではある。と、対談の中で舟越氏がおっしゃっていましたが、頼りがいのあるでかさで、心地よい。
しかも、非常に重さを感じます。同じくらいの大きさのブロンス像など見ても、重さを意識したことはなかったのに、はたに立っているだけで、重さを感じます。重さはそのまま、存在感につながる。

中ではいろいろな動物がそれぞれのコーナーで待ち構えています。

犬が整列しているコーナーでは、後ろにまわって見たら、大変面白かった。
彫刻の鑑賞をたくさんして、訓練してある人は顔ばっかりに神経がいかないのでしょうが、私などはどうても目が顔にいってしまい、その後で部分部分に順繰りに視線をめぐらすことになってしまいます。
顔がないとひとつの塊として見ることが出来て、フォルムをより感じやすい。

また、並んでいる面白さも、前や横から見たのと違った味わいが出る。
ちょっと見だと、顔がない分インパクトに欠けるようですが、一体一体から出た味がじんわりと一つに溶け合い、余計に、連続しているという面白さが感じられます。

 

 

この写真は、美術館のHPからひろったのですが、今回の会場はこれより明るく、広く、点数が多い。ここにはいないユニコーン(これまたでかい)もいます。
ここは、動物達の中に分け入っていけて、それぞれの動物をあらゆる角度から眺めることが出来る部屋です。
この写真のように、動物だけでいる空間も美しいのですが、人間たちがにこにこしながら混ざっている風景は、よかった。
自分が作品の一部になれます。

この展覧会、小中学生は無料です。出来れば、子ども、あるいは若い女の子と一緒だと、余計楽しい。(笑)
みんな、笑顔だし、なごやかな空気が漂っています。
他の展覧会だと絵画サークルの友達とかでつるんで来て「まあ~、この色素敵じゃない」などと話しながらまわるオバハン軍団がいたりして、「首絞めたろか」などと思うのですが(笑)、ここでは人の話声はむしろ心地よいくらいでした。


鑑賞のあとは、もうひとつのお楽しみ、三沢厚彦氏と舟越桂氏の対談が待っています。

 

 


紫のちから

2007-05-12 13:00:47 | Weblog

年をとってきたら紫色の美しさが目に止まるようになりました。
・・・・・一口に紫と言ってしまいましたが、この色は正しくはなんというのでしょう?

http://www.asahi-net.or.jp/~xn6t-ogr/colors/P.html

・・・・どんぴしゃりのものってなかなかないものですね。
そりゃ、マンセルさんのお力をお借りすれば簡単な話なのですが、着物の色を表現するには相応しくないように思います。
着物を染め直しするときなんかは、どうやって色の指定をするんでしょう?
見本が端切れかなんかで用意してあるんでしょうか。

昔、仕事でパンフレットを作ったことがあったのですが、図版などを印刷する場合は版下(今はそんなもの作らないでしょうね。版画を作るとき、色ごとに版木を彫るでしょう、あれと同じです)ごとに印刷屋さんに色の指定をするわけです。
一番簡単にやるなら、大日本インキで出している色見本帳のチップを渡して「ここは、この色で」と指定すれば良かったのです。

実は私は色のセンスがあまりいい方ではないようで、いつも出来上がったものを見て「なんだかね・・・・・」と思っていました。
あるとき、同僚が作ったパンフレットを見て、そのセンスの良さに愕然としたのですが・・・・。
何が違ったかって・・・・・・・?

 

カギは紫の使い方でした。


さよなら ソフィテル

2007-05-10 00:12:05 | Weblog

「さよなら ソフィテル」だなんて、フランス映画かなんかのタイトルみたいですが、美人が出てくるどころか、怪獣レッドキングかウルトラセブンのウインダムを思い出させるような建物、ソフィテル東京の解体が始まりました。
んー、年がばれるような比喩ですが。

以前、
>遠くから見て「なんじゃこりゃ。不忍池の雰囲気ぶちこわし」と思い、近く寄っても「ますます下品である。」と見るたびココロの中で悪態をついてきました。
もひとつ言っていいなら、江戸東京博物館もいけません。(両方とも菊竹清訓大先生作)
このふたつはわたしの「ゴジラを呼びたい東京のケンチク」ベスト5に入っています。
 ・・・・と書いたくらい嫌いな建物で、早く消滅するように、などと不穏な祈りをささげていたのですが・・・・・・、
いざ解体用のクレーンにとりつかれた姿を見ると、その若すぎる死を残念に思う気持ちが芽生えました。
たったの12年!短い命でしたね。
建てられた場所が違っていたら、私もあんなに悪口言わなかったかもしれない。
そして私より長生きしたかもしれない。
・・・・悪口言ってごめんよー。

でも・・・・ソフィテルの足元には横山大観の記念館があるのですが、大観先生がお住まいだったらきっと怒ったと思います。だって、美しくないもんね。

あとはどのような散り際をみせてくれるか。
メタボリズムの名に相応しく、見事に解体されていくかを見守るだけです。
さよなら、ソフィテル。強烈なインパクトをありがとう。