まど

細く開いた窓を覗いてみると、そこにはNikonD70Sを前に困惑している女がひとり・・・

積もる年月

2007-04-14 22:21:12 | Weblog

今年も桜が終わってしまいました。
今年の桜は特に短かかった。
毎年、桜が終わると「ああ、あと1年経たないとまた見られないのだな」と思います。
季節の移り変わりを知らせてくれる花は他にもたくさんあるわけで、なにも桜だけがそのような気持ちにさせるはずはないと思うのですが、梅が終わっても、菜の花が終わっても、「次を見るまであと1年」と思いません。
やはり、一瞬であるということが、桜の花に対する待ち遠しさとか、勿体無さとか、有難さとかを感じさせてくれるのでしょう。
毎年、次の年も無事に桜が見られるよう、花吹雪を見ながら祈ります。


たくさんの花びら。
まるで無事に過ぎた一年が、そして次の桜までの月日が積もっているようです。


たのしい展覧会

2007-04-12 11:46:29 | Weblog

府中市美術館で「動物絵画の100年 1751-1850」という展覧会をやっていたのですが、忙しいし、府中遠いし、でなかなか行けませんでした。
久々の平日の休み、天気は良いし暖かい。
うちから17kmくらいのようだし、自転車で行ってみるか!と、好天に背中を押され、行ってきました。
ロードレーサーみたいな自転車に乗っている人は、17kmくらい朝飯まえなのでしょうが、ギア付きとはいえ普通のチャリンコで歩道を走って行くとなると、ちょっとした決心が必要です。

府中市美術館はまだ新しくて綺麗な美術館でした。
展示の仕方もなかなか見やすくて、良い感じ。館員の方も感じがよく、丁寧な応対をして下さいます。

さて、展覧会のほうですが・・、
久々に、手放しで楽しめる内容でした。
手放しで、というのは、例えば当時の世情に思いを致す必要もなく、人間の苦悩であるとか、画家の己との戦いぶりが滲み出るのを見る、とか、少し重苦しいようなものを感じる必要がなくたのしめる、ということです。

私が好きだったのは、重要文化財の「群雀図」(誰だってこれを見たら嬉しくなる)http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/01_Kikakuten/H18/Doubutsu/doubutu.htm
それから「一笑図」(ワンコロ!あはは、かわいすぎてバカみたい!)




そして・・・・、ああ、物思うカエルくんよ、君は哲学する心というものを知っているのだね?

思索にふけり凝ったこころをほぐすため、童心にかえって相撲をとる。
うらやましいくらいの君の日常です。
わたしは、たいして頭を使っていないけど、たまには身体を動かさないといけないと思ってはるばるチャリンコ漕いでやってきたのよ。

帰りは口元ゆるみっ放し。
アタマはすっかりほぐれました。少々筋肉痛が残りましたが。

 

帰りに立ち寄った公園で、動くものあり。
わー、久々に見たよ。
動物に和まされた私の心にトドメの一撃。
かわいい瞳とお手々。

きもちわるいって、いわないでね。ぼく、なんにもわるいことしてないよ。


修行させるぞ。

2007-04-07 12:58:47 | Weblog

私に弟子が出来ました。
下の娘が建築の勉強を始めることになったのです。
よくも、まあ、潜り込んだもんだ。
謙遜して言っているのではありません。
数学の先生に「お前、大学受かったんだって?・・・・・奇跡だ。」と絶句されたという程度のアタマですから。
「入っちゃえばこっちのもんだい!」と、一家揃って喜んでおります。
私は、といえば、独断と偏見による建築の鑑賞のノウハウを注ぎ込む相手が出来たので、早速引っ張り出すことにしたのです。

最初に行ったのは「国立新美術館」でした。

「どう、これ?」
「・・・・うん。」
「円錐をケンチクに使うって、センス悪い。」
「うん、ヘン。」
「このガラスのカーテンウォールと展示棟のバランス、唐突じゃない?」
「・・・?」
「内部の吹き抜けの空間はいいね。」
「・・・・うん。かっこいい。」

「あっ、これ、きっと○○ちゃん(姉)が喜ぶ!」
彼女が一番食いついたのは黒川紀章展で無料で配布されていた黒川氏の羽織袴姿のヘンなポスターでした。(あ、あした投票日ですね。都民の方は投票に行きましょう)

だが、私は負けない。
私のウンチクを垂れる相手としては不足だが、物事には積み重ねが大切である。
既に2度、連れ出してみました。
次回、「今日は××を見にいくけど」と誘ったとき「私は行かない。」と言われる確率はどのくらいでしょう?