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追悼特別企画:故郷は地球

この「故郷は地球」は実相寺監督作品の中でも子供心に深い悲しみを覚えた作品でした。

物語は空や海の事故が相次いで起こるところから始まる。

科特隊パリ本部はこの事故を不審に思い日本にアラン隊員を派遣する。
攻撃された旅客機などにはいずれも東京で行われる国際平和会議に向かう各国の代表が乗っていたのだ。
何者かが会議を妨害しようとしている!?

調査の結果、旅客機などはまるで目に見えない壁にぶつかったように破壊されていることが判明。

イデ隊員は徹夜で新兵器を開発し、見えない何者かの正体が円盤であることを突き止める。
見えるようになった円盤は科特隊により墜落しその中から怪獣が現れる。

この円盤はどこから来たのか?怪獣は?
宇宙人の侵略だと考えるムラマツ隊長達にパリ本部のアランは「ジャミラ」という意味不明の言葉を呟く。

「ジャミラ」とはいったい何者なのか!?

追及するムラマツ隊長に、アランは重い口を開いた。。。

「諸君あれは怪獣ではありません、いや、彼は我々と同じ人間なのです。。。」

宇宙開発競争の時代に某国が打ち上げた人間衛星がついに帰ってこないという事件があった。その宇宙飛行士の名前が「ジャミラ」であった。さらに、その国は人間衛星打ち上げの失敗をずっと隠していたのだ。

ジャミラの人間衛星は事故によって水のない惑星に流れ着き、そこで何とか生き延びるうちにあんな姿に変わってしまったのだ。多分何十年もかかって宇宙船を造り替え地球へ帰ってきたのだろう。
地球の全人類に対する恨みと呪いの心だけを持って。。。

それを聞いたイデ隊員は武器を開発したことを悔やむ。
「ジャミラは俺達の先輩じゃないか!戦えるわけがない、俺たちだっていつジャミラのように・・・」

しかし、パリ本部からの指令は「ジャミラの正体を明かすことなく秘密裏に葬り去れ!宇宙から来た1匹の怪獣として・・・それが国際平和会議を成功させるただひとつの道だ」という冷酷なものだった。

「イデ、お前の気持ちは分かる。しかし、ジャミラは今や人類の敵になってしまったのだ」とムラマツ隊長。
「バッカヤロー!!!」と叫ぶイデ・・・

ジャミラは人類への呪いを込め火を噴いて暴れまわる。

「ジャミラてめぇ~人間らしい心はもうなくなっちまったのかよ~!!!」
イデの悲痛な叫びにジャミラは一瞬立ち止まった・・・ように見えた。

ジャミラの顔のアップ・・・何かを言いたげに口を動かしている・・・
人間らしい心?失っているのはどっちだ?と言いたいのか。
そして炎のアップ・・・

水のない星で育ったジャミラは火には強かった。
しかし、火がだめなら水だ!

科特隊の人工降雨弾攻撃はなんとか耐えたものの、ウルトラマンのウルトラ水流にはもはやなすすべもなかった。
悲痛な断末魔をあげ這いずり回り泥にまみれ息絶えるジャミラ。
国際平和会議の万国旗を壊す姿は人類への怒りの現われだったのか。。。

ムラマツ隊長「ジャミラ許してくれ、だけどいいだろう、こうして地球の土になれるんだから・・・お前の故郷、地球の土だよ・・・」

国際平和会議は無事に幕を開けた。

科特隊によって立てられたありきたりの墓碑銘に憤りを感じるイデ・・・
「犠牲者はいつもこうだ文句だけは美しいけれど・・・」

その背中にイデを呼ぶムラマツ隊長以下隊員の声が・・・

ジャミラの悲痛な叫び・・・終


あらためて、謹んで実相寺監督のご冥福をお祈りいたします。
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大学時代:グリークラブ2年目:回想録

2年目のグリーの通常以外の大きなイベントとしては札幌と姉妹都市であるポートランドのユースフィルハーモニック演奏会に出演したことです。
オーケストラをバックに歌うのは初めてでしたのでなんか不思議な心地よさを感じました。
この演奏会はなんと札幌市民芸術祭賞を受賞!
あとは、向こうのステージマネージャーが知的な美人だったことぐらいしか覚えておりません。

定演は通常は札幌市民会館の大ホールでやるのですが、この年だけ道新ホールでした。
会場のせいだけではないとは思いますが、4年間では一番出来が良くなかったかも知れません。

選曲はシューマン、柳川、海の構図、アイヌのウポポと多田武彦の組曲「柳川」を除いて、難解で難しい曲が多かったせいなのかもしれません。

この年のO先生のステージは「海の構図」4年間で最も難しい曲だったような気がします。

ここで、O先生のボイストレーニングの様子を少しお話ししましょう。

私の印象としては非常にひとつの音を大切にするボイトレでした。
最初は発音しにくい「う」とか「い」でひとつの音が合唱の発声になるまでやります。
時々、誰かを指名して一人で声を出させるのですが、それがドキドキもので。。。

ある時などは指名されたやつがなかなかいい発声にならない。
先生は急遽、「自分の名前をこの音で言ってごらん」

みんな「え!?」

H君「○○○×××~」

みんな爆笑!

先生「ほら、いい響きになったじゃない!」

その後H君は度々その真似をされからかわれることになりましたが・・・

あとはとにかく深い発声・発音を心がけるということで、イメージとしてはおでこの上の方から声を出す感じ。。。
さらに教室の机の天板を持ち上げながら、(支えを作るのです)「ざ~」などの言葉で深い発声ができるようにするというようなことを何回もやりました。
これはデックングと呼ばれる発声法で上からかぶせるような歌い方をするためです。要するに高い音域に行ってもあごが上がらないように。

ある程度パートで音がまとまってきたら、最後はそれぞれの音を合わせると・・・

先生の曲の最初の音階に・・・

じゃ、やってみようか。

と、曲の練習が始まる。。。

すべてが計算されていたのだということがここでわかり、目から鱗でした。

この2年目という年は私は一番伸び悩んでいた年だと思いますが、この地道なボイトレの積み重ねは3年目以降大きく役立っていくのです。

もちろんグリークラブ全体としても。
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