ただのサッカーブログ

世間知らずの人間が書くサッカーを中心とした個人ブログ。2020年からはサッカー以外の事も少しずつ。

夏休みの子どものクラブ活動 練習に力を入れる日本 休むことに集中するドイツ

2022-12-12 | Weblog
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed251bc83bf8c705a6e0c929eef22df3b0b137a9
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夏休みの子どものクラブ活動 練習に力を入れる日本 休むことに集中するドイツ
22/7/31(日) 15:31配信

学校が夏休みに突入し、子どもたちにとってはスポーツを
はじめとした課外活動の忙しい時期がやってきました。
「ここが成長に向けての頑張りどころ」とつい力が入りそうですが、
ドイツでは「休みだから、休む」とまったく異なるアプローチで
夏季休暇に臨むようです。その徹底した姿勢の
背景にある考えやメリットとは? 
現地在住ライターの中野吉之伴さんに、解説していただきます。

海水浴にアスレチック、カヌー…思い思いに夏休みを楽しむドイツの子どもたち

 ◇ ◇ ◇

“休みだから休む”ドイツ 8月にサッカークラブの活動はなし
「ドイツでは夏季休暇中、子どもの部活動はどうなっていますか?」

 以前、こんな質問を受けました。答えはとてもシンプルです。夏休みですから、休みます。

 僕は今季、フライブルクのサッカークラブで
育成年代の監督として12歳以下と13歳以下、
19歳以下のチームを指導しています。
フライブルクのバーデン=ヴュルテンベルク州では
学校の夏休みが7月28日からスタートしましたが、
クラブ活動も8月いっぱいお休みです。
学校の新年度が始まる9月10日前後まで休むチームもかなりあります。
ドイツに来て20年以上が経ちますが、夏休みに
クラブの活動が入ったことなんて一度もありません。

 一度8月20日頃から新シーズンに向けての
トレーニングをスタートしてみようと思い、
クラブのスタッフやチームの保護者に
相談してみたことがありました。しかし、
「休暇中だから出られないよ」という
家族の方からの意見が圧倒的に多かったんです。

「それは普通のクラブの話でしょ? 
強豪クラブはしゃかりきにトレーニングしているんじゃないの?」

 そんな風に聞かれることもありますが、
前述のチームというのが、まさに地元ではトップ3に入る強豪。
それこそドイツのプロサッカーリーグ「ブンデスリーガ」
の育成アカデミーといった、よりプロフェッショナルな
アプローチを取ろうとするクラブでも小学生年代だったら
4週間の休みは当たり前。中・高校生年代でも少なくとも
2週間はまとまった休みを取ります。

負荷やストレスが積み重なり続けると、回復が追い付かなくなる」
 なぜまとまった休みを取るのかというと、休みを取ることが
大切で必要だからです。ある年に出席したサッカー指導者のための会議
「ドイツ国際コーチ会議」で、ボーフム大学心理学部の
ミヒャエル・ケルマン教授は次のように語っていました。

「夏休みのような長期休暇はあらゆる人に必須です。
子どもだけではなく、大人にとっても大切で、
我々の研究では1年間に最低2度は2週間ほどの
休みを取ることが必要だと考えています」

 なぜ2週間かというと、それくらいのまとまった時間、
ストレスや負荷と離れた状態で暮らす機会がないと、
自分たちの体や頭、心は本当の意味で
リフレッシュすることができないというのです。

「日常生活の中で私たちはさまざまな負荷やストレスを受けています。
負荷やストレスが多ければ多いほど、回復に要する時間も長くなります。
気をつけないといけないのは、負荷やストレスが積み重なり続けてしまうと、
回復が追い付かなくなってしまうんですね。
心も体も頭もそこから先へ進めなくなってしまう。
そして、これは誰にでも起こってしまうことなんです」

 いわゆるバーンアウト、「燃え尽き症候群」というのは
こうしたメカニズムから起こるとされています。でも、
この状態を軽視し、「疲れやストレスが多少は溜まるだろうけど、
それでも自分は大丈夫、普通にやれている、燃え尽きたりはしない」
と思っていると、ある日気がついたら普段なら
何でもないことにイライラしたり、悲しくなったり、
やる気が途絶えてしまうなんてことが起こります。

 体や心、頭が発しているサインを見逃すのは危険です。
子どもは自分では気づけないこともありますから、
周りの大人がその辺りをケアしてあげたいですね。

「休む」よりも「思いっきり遊ぶ」機会と時間が重要
 冒頭で触れた通り、ドイツでは基本的に夏休み中の
クラブ活動はなし。そのため、試合も大会もありません。

 一方で、日本だと夏に試合のスケジュールが入ったりします。
そこで「好成績を挙げたい!」と思うと、
ますます休むに休めなくなってしまうでしょう。
スポーツに限らず、塾の夏期講習や何らかの課外活動で
日本の子どもたちはとにかく忙しそうです。
ただでさえ普段から忙しいのに、これだと
夏休みでも一向に休める時間が取れない。

「夏休みにどれだけ心身ともに追い込めるかが大切だ!」
と本気で思い込んで、本気で追い込んだとします。
しかし、そのストレスや負荷というのは、
子どもたちが納得して消化し、回復して、
それ以前よりも強くなれるようにと正しい理論の
もとで調整されたものでしょうか?

 休むことは悪いことでも何でもないです。
やればやるほど体が強くなるということはありません。
むしろ休みなく連日ハードなトレーニングをすればするほど、
体は弱くなり、怪我をしやすくなり、頭や心も鈍くなっていきます。

 とはいえ、実際に休むとなると「何もしちゃダメ」とか
「何をしたら良いか分からない」となってしまうかもしれません。
そのため、育成年代の子どもたちにとっては「休む」というよりも、
「思いっきり遊ぶ」機会と時間を取れるようにした方が良いと思われます。

 いきなり「夏に2週間丸々お休み」というと
抵抗がまだまだ強いかもしれませんし、
家にいられるといろいろと親が困るという側面も
あるかもしれません。それなら2連休、
3連休を何度か取り入れるという形にすると良いでしょう。

 正しく休み、心から遊べる機会をバランス良く取ることは、
心身が最適に成長していくための大事な条件。
そうやって子どもたちを十分に回復させられる配慮ができるといいですね。

中野 吉之伴




12月11日(日)閲覧数:525PV 訪問者数:353人

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