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『スウィングガールズ』

2008年11月09日 01時13分50秒 | 映画レビュー
原題: SWING GIRLS
製作年度: 2004年
別題:-
製作国・地域: 日本 上映時間: 105分
監督:矢口史靖
製作:
亀山千広
島谷能成
森隆一
プロデューサー:
関口大輔
堀川慎太郎
エグゼクティブプロデューサー: 桝井省志
企画:
関一由
藤原正道
千野毅彦
脚本:矢口史靖
脚本協力:矢口純子
撮影:柴主高秀
美術:磯田典宏
編集:宮島竜治
音楽:
ミッキー吉野
岸本ひろし
照明:長田達也
録音:郡弘道
助監督:片島章三
出演:
上野樹里 鈴木友子・テナーサックス
貫地谷しほり 斉藤良江・トランペット
本仮屋ユイカ 関口香織・トロンボーン
豊島由佳梨 田中直美・ドラム
平岡祐太 中村拓雄・ピアノ
あすか 久保千佳・アルトサックス
中村知世 岡村恵子・アルトサックス
根本直枝 大津明美・テナーサックス
松田まどか 清水弓子・バリトンサックス
水田芙美子 山本由香・ベース
関根香菜 渡辺弘美・ギター
辰巳奈都子 小林陽子・トロンボーン
中沢なつき 木下美保・トロンボーン
前原絵理 吉田加世・トロンボーン
長嶋美紗 宮崎美郷・トランペット
あべなぎさ 下田玲子・トランペット
金崎睦美 石川理絵・トランペット
竹中直人 小澤忠彦(数学教師)
白石美帆 伊丹弥生(音楽教師)
小日向文世 鈴木泰三(友子の父)
渡辺えり子 鈴木早苗(友子の母)
谷啓 森下(音楽の先生)
金子莉奈 鈴木亜紀(友子の妹)
桜むつ子 鈴木みえ(友子の祖母)
眞島秀和 高志(自動車工場の工員)
三上真史 雄介(自動車工場の工員)
福士誠治 井上(野球部3年)
高橋一生 部長(吹奏楽部の男子生徒)
田中要次 パチンコ店の店長
徳井優 カラオケボックスの店員
木野花 スーパーフロアの主任
大倉孝二 スーパーフロアのチーフ
西田尚美 真澄(音楽教室の生徒)
菅原大吉 音楽ホールの司会者
谷本和優 聡(音楽教室の生徒)
小形雄二 列車の車掌
江口のりこ 楽器店の店員
佐藤二朗 バス運転手
森下能幸 弁当屋
宝井誠明 久保田先生
坂田聡 パチンコ客
岩佐真悠子 千恵(女生徒)
森康子 老婆
林田麻里 公園前の奥さん
武田祐子 テレビのアナウンサー
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
東北地方のとある片田舎の高校。夏休みのある日、13人の落ちこぼれ女子生徒たちは教室で数学の補習を受けていた。その時、補習組の一人、鈴木友子が高校野球予選の応援に行ったブラスバンド部の仕出し弁当が遅れて届いたことに気づき、弁当運びを口実に13人はまんまと補習を抜け出すことに成功する。だが道中、弁当は長い時間炎天下に晒されてしまい、それを口にしたブラスバンドの生徒たちは、次々と腹痛を起こして入院する事態となった。唯一難を逃れた拓雄は、次の試合までに即席のブラスバンドをつくることにするが、集まったのは補習をサボるのが目的の友子たち13人と、ちょっと変わった女子3人だけだった。そこで拓雄は、17人でも演奏可能なビッグバンドジャズをやろうと思いつくのだが…。

コメント:
ずぅ~ずぅ~べぇ~べぇ~喋る女子高生たちがひょんなことからビッグバンドジャズを始める姿がなんとも魅力的。そして特に誰に焦点を当てるわけでもなく、女子高生がひとつになって目標に向かって頑張っていく姿が本作のみどころだ。

それにしてもブラスバンドを始めるきっかけがあまりにもひょんなこと過ぎておもしろい。たまたま夏休みの補習期間中でそれをサボるために、そして自分たちが起こしてしまった食中毒事件をきっかけに、しょうがなく始めてしまうというのだからなんだか新しい展開だ。高校生時代は何でも興味を持ってやりたいと思う最盛期だが、あえてダメダメ女子高生がたまたま見つけた夢に向かって走っていくという展開がうけたように思う。

正直、演奏が上手いとか下手とかいう次元ではなく、何事も楽しんで協力して猛特訓を行なえば、どんなことでもやり遂げることができるのだということを素直に受け止められる青春映画だ。実際、主演の上野樹里をはじめとするメインキャスト5名は担当楽器の経験が全くないという状況でオーディションに受かったらしく、撮影が始まる3ヶ月前から猛特訓を行いそのまま撮影を終え、その後もイベントの生放送ライブなどで人気を集め、ついにはニューヨークで行われた映画「スウィングガールズ」海外初試写会へバンドも同行し、初の海外演奏をやり遂げるまでに至っている。

映画の企画は元々ひょんなことから始まったのかどうかは知らないが、誰もここまで大きなバンドになるとは思っていなかっただろう。それだけこの映画は、人に夢を与え頑張ることの素晴らしさを教えてくれる作品なのだ。作品を観ている間はそこまでインパクトもなく普通のサクセスストーリーとして楽しんだだけだが、次第にひしひしと伝わる元気の源が気持ちのいい後味を残してくれる。

東北の片田舎でズーズー弁を喋り捲る女子高生の姿も新鮮で清々しくなる光景だ。
西の方に住んでる僕からすれば、これだけでも十分観る価値の一本だ。