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『レザボア・ドッグス/仁義なき男たち』

2007年07月07日 00時49分17秒 | 映画レビュー
原題:RESERVOIR DOGS
別題:レザボア・ドッグス/仁義なき男たち
製作年度:1991年
上映時間:100分
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ハーヴェイ・カイテル 、ティム・ロス 、マイケル・マドセン 、クリストファー・ペン 、スティーヴ・ブシェミ 、ローレンス・ティアニー
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
強盗のために集められた、お互いに顔を知らない人間6人がコードネームとして「色」を使ってお互いに名前を呼び合い、完璧に計画を実行に移し宝石強盗を行う。が、警察にこの宝石強盗が露見されてしまい、Mr.ホワイトと重傷を負ったMr.オレンジがアジトに逃げ帰る。そこにMr.ピンクがアジトに到着し、「この中に裏切り者がいる」と言い始めるが…



コメント:
やけに濁点の多いこのタイトル"Reservoir Dogs"の意味。直訳すると「掃き溜めの犬たち」。つまり本タイトルの意味するものは、登場するMr.ホワイト、Mr.オレンジ、Mr.ブロンド、Mr.ピンク、Mr.ブルー、Mr.ブラウンら6匹の”イケテル”犬たちによる、あの倉庫(掃き溜め)で起こる壮絶な争いを意味しているのだ…。

やはり本作もタランティーノらしさが強く表れている作品であった。今年に入ってからというもの、『キル・ビル』『キル・ビル Vol.2』『パルプ・フィクション』『ホステル』と、タランティーノ関連作品を続々と観てきたが、この『レザボアドッグス』が僕にとっては一番おもしろかった作品といえる。どうやらタランティーノ作品は過去に製作された映画ほど、勢いがありシンプルかつカッコいい作品だということが言えそうだ。

とはいえタランティーノ作品はかなり癖が強いので、性的に受け付けない人が多いのもよくわかる(手加減なしのグロいシーンもあるし…)。だが僕のようにこの癖にはまってしまうと、なんだかよくわからない病み付きのようなおもしろさを体感できるジャンル、それがタランティーノ作品なのだ。

本作の一番の魅力と言えば、キャラクター設定にあるだろう。見た目はスーツでビシッと決めてカッコいい奴等…と思いきや、やってること喋ってることは意外にもオトボケなことばかり。しかもコードネームに「色」を使ってるのも笑える。特にMr.ピンク…そりゃブシェミも気に入らないって怒るのも無理ないわ(笑)オープニングのレストランでの会話は特に印象的。それぞれのキャラの特徴をうまく引き出しているシーンである。それにしてもキャストが豪華。どの俳優も大好きなので、彼らの個性派バトルを見れるだけでも本作の価値はあるといえるだろう。

そしてタランティーノの監督としての巧さ(俳優としては…)は、セリフ回しと時間軸を利用したカット割にある。何気ない会話やシーンを使って徐々に物語りに引き込むセンスが半端じゃない。全ての要素がラストへ繋がる快感は、彼の映画で体験するのが一番いいだろう。もうとにかくあのラストのシーンは”気持ちいい”の一言!単純に楽しませてくれるに違いない。

個人的にタランティーノ作品の中では本作が一番おもしろかったといえる。まだタランティーノの作品に手を出せないでいる人は本作から観た方がいいだろう。彼の監督としての才能がビンビン伝わってくる作品だから。観終わったあとに、悪党だけど嫌いになれない6匹の犬たちに魅了されている自分がいるはずだ。