旅してマドモアゼル

Heart of Yogaを人生のコンパスに
ときどき旅、いつでも変わらぬジャニーズ愛

「トラストいかねぇ!」

2011-07-31 | 観たものレビュー

このチョケたタイトルや、トロピカル感満載のフライヤーといい、私はてっきりコテコテのコメディだと思ってました。
まあもちろん、コメディといっても、大人計画さんの舞台みたいに、多少は気持ち的にホロリとさせてくれたり、ああ、そういうことなのかあとちょっぴり考えさせられたり、ホッコリした気分になったりするくらいなんだろうなあと。

そんな私の軽い気持ちは、180度ひっくり返されました。
主人公にとっての母親、お父さんにとっての妻、を亡くした不幸な事故以来、心も生活もすれ違ったままの父と子。
二人とも相手を思う気持ちは、傍目から見てもよくわかるほどなのに、お互い面と向かうと正直になれなくて、つい言わずもがなな言葉をぶつけ合って衝突してしまう。

かつて、息子の心を傷つけてしまった父親の冷淡な態度と言葉の裏に隠された真実を知った時から、胸をぎゅっと締め付けられるような舞台に変わる。

相手を傷つけないようにと思ってとった態度や、かけた言葉が、逆に相手を傷つけてしまうことってよくあると思う。
自分もそういう所が多分にあるから思うんだけど、人ってどうしてこんなに不器用な生き方しか出来ないのかな。
不器用なゆえに、真実を知っても、気持ちを急に切り替えることすら出来ない。
だけど、それでも、不器用な2人がおずおずと近づいて、相変わらず反発しながらも、ほどけた絆を互いに手繰り寄せて取り戻そうとする後半は、もう涙なしでは見られなかった。
私自身のつい最近の体験も気持ちの上であったかもしれない。私の母は一応手術で助かったけれど、でも、決して完治したわけではなくて。あと残り何年一緒にいられるのか分からないけれど、母のただ一人の子供として、後悔だけはしたくないなと、この舞台を見ながら思ってた。

父と子を取り巻く、ほかの登場人物たちも実に魅力的。
ボランティア活動、という今まさにタイムリーとも言える話の設定は、たぶん今回の震災とは関係ないだろう。難病の人のための寄付金集めというボランティアだし。
でも、ボランティアに参加する人には、いろんな事情を抱えている人がいる、ということは同じはず。思ったのは、ボランティアって結果じゃないんだなということ。結果は目的に結びつかないかもしれない。最初の目的から外れた結果になってしまうかもしれない。でも、その過程を通して、最終的に誰かが救われる、それでもいいんじゃないかなと。
きっと一番大切なのは、誰かを救いたい、誰かの力になりたい、という気持ちなんだろうし。

先週末、ちょっと迷宮に入ってしまったりしたけれど、何をしたかじゃなくて、まずは相手を思う気持ちが大切で、そこから自分の出来ることをしていけば、きっとどこかで誰かが救われる、そういうことなんだなあと、この舞台であらためて感じて、私が救われちゃった。



それにしても、しげさんもヤスもマルちゃんも、いいお芝居に出てますね。
だからかな。ホントに久しぶりに、舞台の上の横山さんを見てみたくなりました。
ホンマはね、ライブがいいんだけど。
でも、もしかしたら、まだライブに行くところじゃないという被災地のエイターさんもいるんじゃないかなあと。
そんなことを思うと、ライブはもう少し先に延ばして、単独でのお仕事を見せてもらうのも悪くないかな、と思ったりするのです。
だから、誰もが自宅で見られるテレビでのお仕事がここにきて増えているのは、ホンマ素敵なことだなと思ってます。
24時間テレビはその最たるお仕事ですよね。
8月20日と21日、前後に夏休みを取りましたよ(笑)
録画もブルーレイをがっつり空けてますけども、武道館に行けたらいいなあ