ボブは犬の保護活動をしている個人ボランティアさんが、千葉県内の愛護センターに元飼主が持ち込んだ犬を殺処分寸前で引き取り、その3か月後にジェッシーと共に我家にやってきた。
我家に来て1週間程のB&J
ボブ1歳半、ジェッシー3歳
当初、身体が小さくガリガリでハゲハゲ、尾は紐のようだったボブ。
4か月が経過した頃のボブ(右)
我家に短期間滞在したカレンちゃん(左)
カレンちゃんは、事情で世話の出来なくなったブリーダーさんからレスキューされた子達の一頭、その後、保護元(獣医)さんのところへ戻った。
骨という骨が空けて見えるかのように痩せていたボブ。我家に来て一年半が経過した今はようやく毛も生え揃い、尾も含めたコートが見事に整った。肉付きも良くなり逞しくなった。
ところで、来た当初からボブが激しい抵抗を見せていたのは爪切り。ボブの狼爪は伸びると鋭く、すぐに人を傷つけてしまう。痩せていた当時は無理矢理でも押さえつけて切ることが可能であったが、今はもの凄いバカ力を出し暴れるため、とても危険で切ることができない。そのため、かかりつけ医かトリマーさんに任せることにしている。
ところがGW中に、思ったよりも狼爪が伸びていたことに気付き、休みの日でも自宅にいれば診てくれる”かかりつけ医”に電話したが不在。トリマーさんは予約制のため当日は不可能との返事。そこで思い出したのが、トリミングも行っているという動物病院。電話を入れると、大型犬でも爪切りは500円とのこと。それはもの凄く安い!と有難く思い、すぐにお願いした。早速ボブを車に詰め込み、病院へ。
その獣医院はとても綺麗で清潔、獣の匂いも感じない。医療機器も整っているように見える。医師を含めたスタッフも何名かいて、皆、対応がにこやかで、ボブものびのびとしていた。名前を呼ばれ、診療室に入るとすぐに”かかりつけ医”がいるが、今日は不在であるため爪切りをお願いしたい旨を伝えた。
担当の女医は、まず問診から始まったが、すぐにボブの臍周りの毛があまり無いことが気になるので診せてもらいたいと伝えてきた。え?爪切りをお願いしにきたのだけなに???しかもボブのその辺りの皮膚は発赤や発疹も認められずとても綺麗なのに?
しかし医師にそう言われると不安になり、これが異常なことならと伝えると大きくうなずいたため承諾。皮膚を削げとった細胞診と培養検査を行った。そんな深刻な状況だったのかとさらに心配になったが、追いうちをかけるように、投薬で様子を見てほしいとのこと。まだ診断出ていないのに投薬するのかと尋ねると、予防としても効果があるとのこと。薬の説明を求めると、カビや細菌を殺す薬だとのことでそれ以上の説明は無し。また、細菌を殺すシャンプーも何度も勧められた。ボブは界面活性剤入りシャンプーは合わないため、犬用の手作り純石鹸を使っていると丁寧にお断りした。
だんだんと不信感が湧いてきたように感じたBJAmom。そして最後にようやく爪切りとなったが、ボブを押さえたのはトリマーさんで処置したのは担当女医。二人でボブに声がけし上手におだてながらの処置は見事で、無駄な抵抗をしなかったボブ。爪切りはぜひまたお願いしたいと思った。そして間もなく細胞診の結果が出た。「異常無し」。培養検査は日数がかかるため後日連絡とのこと。
そしてなんとなく頭の中に「???」が残りながら会計へ。爪切り500円の予定が、検査と診察プラス投薬代で9000円近くの出費。合意したのだから出費はともかくとして、やはり信頼できない何かが残った。
投薬されたのは、ラリキシンとプレトニゾロン。帰宅後、薬価辞典やWeb等で調べてみると、
1.ラリキシン
セフェム系といわれる抗生物質。細菌を直接殺す作用がある。ブドウ球菌、レンサ球菌などの化膿菌、大腸菌、そのほか腸内細菌、リン菌、インフルエンザ菌などによる感染症に効力をあらわすので、呼吸器系、泌尿生殖器系、皮膚、眼、歯科などの感染症に広く用いられる。
副作用
発疹、じんま疹などの過敏症状が起こることがある。ペニシリン系の抗生物質に過敏な人は、この薬でも過敏症が発生する可能性があるので、わかっている場合はあらかじめ医師に伝える。そのほか、吐き気、下痢、食欲不振などの胃腸症状が現れることがある。
2.プレトニゾロン
プレドニゾロンはステロイドで血液腫瘍や炎症、免疫抑制に効果有り。副腎腫瘍で利用する事が多く、ビタミンC、B6、D、亜鉛、カリウムが激減する。副作用はいくつも知られており、栄養阻害成分としても知られている。プレドニゾロンは人間だけでなく犬のアレルギー治療にも多く使われており、飼い主もプレドニゾロンの副作用を心配してよくペットサイトの掲示板などに、プレドニゾロンの副作用についての質問が寄せられている。
プレドニゾロンの副作用症状の多くは感染に弱くなり皮膚が薄くなって毛が抜けていくというもの。肝臓にもかなり負担がかかる。ある獣医師の回答によると「通常使用される5mgのステロイドを使用した場合、5kgの犬だと月に5錠、10kgの犬だと月に10錠までならば長期連用しても副作用の心配はほとんどない」。
上記の薬の処方についてはもちろん素人判断できないが、今のボブに予防が必要なのか、予防薬として本当に効果があるのか。人間対象の一般医療機関なら予防薬として抗生物質やストロイドは処方しない。それになぜ、気付いた問題点があるなら、かかりつけ医で診てもらうよう指示しないのか。かかりつけ医で処方されていると伝えたフィラリアとダニ予防の薬さえ「こちらでも用意できますよ」と発言できるのか。医師というより、営業色の濃い何かを感じざるを得ない。そしてこれは担当医師個人によるものではなく、スタッフとしての、その獣医院の経営方針が見え隠れしているとさえ感じてしまう。
人間の歯科医院と同じで、獣医選びは難しいと思う。そして何より獣医師との信頼関係は不可欠だと改めて感じた出来事でもあった。