露の音 幽かな独り言

 
軌跡を見失わないよう
     追憶のよすがを
       記憶の欠片を遺したいのです

怪異猟奇散策

2022-05-04 10:53:43 | 日記


赤江瀑「花曝れ首」に感化され

風葬の地 化野へ赴いてみたり

異形コレクションを読んで

日本国の大魔縁 崇徳院の御廟やら

怨嗟渦巻いていそうなお宮やら

幽世に通じる場所やら

怪しげな場所を巡る


そんな目的で京都に行くことが続いていますが

此度もまた然り


仏像に特段関心がないもので

非公開文化財の特別公開に

あまり注意を払ってこなかったのですが

崇徳院の肖像……の写し

縁の品……と伝わっているもの

が見られるとのことで

白峯神宮へ


大型連休で混み合う観光スポットではないので

ゆっくり展示を見て

ご挨拶程度にお参りをして

境内巡って建物を眺めて

満足


京都駅の賑わいに感心しつつ

徒歩で東へ向かって鴨川を渡り

緩やかな坂を上って

有名どころを横目に静かな路地へ


これまた赤江瀑氏に感化されて

観に行きたかった血天井

一番行きやすい場所にあるため訪れた

養源院

大きな樹と広がる枝葉が陽射しを遮って心地好く

こちらも人少なで快適

集団で聞く解説を待つ間も

天井を見上げてみる

まだらに色の濃く見える異様な板が連なっていて

想像よりもはっきりと跡が見えることに驚きました


人型と伝わる箇所の説明、明らかな手形

創建のこと再建のこと

著名な杉戸絵や襖絵のこと

興味深いお話を聞きながら

時折真上を見上げる

400年前から遺る生きた人の証

不謹慎な好奇心で眺めることの許しを求めて

少しの間、自己満足でしかない合掌をして

逆さまに巡らされたかつての床板を見上げる

恐ろしいとは思いませんが、美しい訳でもない

それでも何か心が惹きつけられる光景でした


広大な玄関を後に門を出ると

お隣にも幟がたくさん立っていて賑々しい

何かと近寄ってみた石碑には後白河天皇陵

……保元の乱

崇徳院を祀る神社に詣でた後に

敵方に参るのは流石に憚られるので

踵を返して家路に着きました


赤江瀑を読みながらお京阪

怪異と猟奇をたどる京都散策

また好奇心を疼かせるものがあったら

気紛れに出掛けたいと思います


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