露の音 幽かな独り言

 
軌跡を見失わないよう
     追憶のよすがを
       記憶の欠片を遺したいのです

小説の塔

2020-08-23 11:20:10 | 日記


読まれるのを待っている小説の塔

少し低くなってきたと思ったら、また高くなり

最低でも5冊以上待機しているのが常

このところは涼を求めてホラーを読むことが多く

かつては避けていた

「何かが起こるかも」という注意書きがあるものも

家憑きならば外で読めば良いだろう、と

通勤電車と昼休憩の職場で読み切り

面白かったので前作も読んでみようかと思っている

三津田信三さんの『わざと忌み家を建てて棲む』

現実と地続きに思える恐怖への被虐心は

小野不由美さんの『残穢』で刻まれたのだと思います

小野不由美さんと言えば文庫化された『ゴーストハント』

初めて読んでみて

『十二国記』と比べて驚くほど軽い文体に最初戸惑いましたが

怪奇現象の部分は流石の気味悪さ

とっても楽しかったです


薄暗いファンタジーやおどろおどろしいミステリーも変わらず好き

飽食の果ての悪食、と言うと作家様に失礼でしょうか

最近は事件が凄惨なものだけではなく、人間の感情に怖気だつ

イヤミスもよく読んでいます

真梨幸子さんや秋吉理香子さん、櫛木里宇さん

桐野夏生さんも少しずつ

高みから覗く人の醜態や愚行や凋落

現実で行えば悪辣の謗りは免れませんが

頁の外側から覗く虚構であれば自由でしょう


年を重ねると、せめて虚構の中で安寧を求めるようになる

と聞いていましたが

未だにバッドエンドも好き

むしろ恋愛や友情とやらで苦みを誤魔化すような

余計な味付けがされたものは嫌い

舌が痺れるような苦みを味わいたいのです


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする