露の音 幽かな独り言

 
軌跡を見失わないよう
     追憶のよすがを
       記憶の欠片を遺したいのです

うめだ文楽

2017-03-26 17:39:51 | 日記


昨日、去年より2度目となります

うめだ文楽を観に行ってきました

グランフロント大阪北館の奥

ナレッジシアターに入場して

若手技芸員さんの素顔がうかがえるパンフレットを買って

いざ劇場内へ

舞台には淡い色合いで

満開の枝垂桜の下に佇む白い狐さんの絵が描かれた幕

国立文楽劇場の重厚な緞帳とはまた風情の異なる

素敵な幕だな~とぼんやり見入っておりました

…のちのトークショーの中で明かされたことには

桐竹勘十郎さんが描かれた絵だそうで

絵まで描けるなんて、改めて凄い方だと思いました

いつぞやかのテレビ番組で

狐との縁が深いとおっしゃっていまいたが

優しい色合いで描かれた素朴な狐さんに

勘十郎さんのお人柄と思い入れを感じました


そんなこんなで開演の時間を迎え

関テレのアナウンサーさん、はるな愛さん

三味線さん1方と人形遣いさん3方でのトークショー

解説あり、実演あり

愛さんの面白コメントあり

若手技芸員さんの楽しいやりとりあり

とっても愉快な時間でした


映像による解り易い演目解説の後

『義経千本桜』の「河連法眼館の段」

きらきらした簪も可憐な静御前

彼女の打つ初音の鼓の音に呼ばれて現れた白狐

家来忠信に姿を変えて静の前へ

不審な忠信に刀を振るって詰め寄る静も素敵でした

鼓にされた狐の子だと正体を明かすも

人の成りを取る狐さん

近くで観ていたので、手足が丸まっているのが良く見えました

親に孝行しようにも近づくことができなかった悲しみ

残してきた妻子への想い

人の成りながらコミカルな狐の動きをしつつ

人の様に深い情を語る源九郎狐

本物の忠信への嫌疑を晴らすために

涙ながらに鼓を諦めた源九郎狐に

思わず涙する義経が扇で顔を隠す様も趣深かったです


狐ならではの神出鬼没な動きに

客席へ降りて去って行った狐さん

この狐さんの動きが大変そうで、主遣いさんの汗が凄かったです

義経と静が身を乗り出すように狐さんを見送って幕


その後もう一度幕が開いて、技芸員さん方が勢揃い

黒子の方々も顔を出してのご挨拶

国立文楽劇場ではないこの演出も大好きです

源九郎狐さんの主遣いさんがマイクで挨拶をなさったのですが

もの凄い息切れで…

激しい動きの狐さんを遣ってらしたので当然ですね

「力士のインタビューと言われる」とご自身で笑いに変えておられました

若手の方々の決意と感謝とを述べられて

皆さんで三方向にそれぞれ丁寧に礼をしてくださいました


実は連日の激務で随分と疲れが溜まってたのですが

前々からチケットを取っていたこともあり

公演を観に来て正解でした

声と音とが語る人形芝居

非日常に浸れて幸せでした

これからも文楽を応援していきたいと思います


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