ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

介護保険対象拡大

2005年05月01日 | 介護保険の話
介護保険が国会で審議されている。
改正案が通るようだ。

その中でも、トピックス的なのが「40歳以上のガンのかた」が
介護保険の適用になるようだ。

実際、地域で働いていると、ジレンマを感じることが多々あった。
なぜか?

間に合わないのだ。
福祉用具や在宅サービスを考えるうちに、どんどん状態が変わっていく。
それに全然サービスが間に合わないのだ。

なぜか?
65歳以上であれば、どんな病気であろうと介護保険の適応になる。
しかし、それ以下の年代では15種類の病気しか適応にならない。
「ガン」は適応にならない病気のうちの一つだ。

したがって、誰がマネージメントするのか、よくわからない状況になる。
役場の保健師か?在宅介護支援センターか?訪問看護師か?医者か?

結局右往左往して、結局大変な状況に陥ることも珍しくない。

また、介護保険が適応したからといって、安心はできない。
それは介護認定審査会があるからだ。
これで介護保険がつかえるとわかるまで、一月はかかる。
その一月の間に状況は変わらないとでも言うのだろうか?

そして、40歳以下の「ガン」患者はどうするべきなのか?
制度の谷間を埋めるような、今回の判断だと思う。
しかし、ガンにかかる患者は40歳以上だけではない。
小児や高校生だってかかる。

どうするのか?

欧米諸国では、介護保険に相当するもので、
年齢で区切っているのものは少ないと言われている。
それは、こういった制度の谷間ができてしまうからではないだろうか?

支援費制度があるが、これだって問題はある。
あくまで「身体障害」を見るもので、
病気の重さを見るものではない。

結局、年齢で区切ること自体、病気で区切ること自体、
「制度の谷間」を作ってしまっている状況ではないだろうか?

そして、そのような治らない病気を見るような、医学教育がなされているのだろうか?
医療制度は「治る」ことを前提に、「治療行為」それぞれに金額を設定している。

例えば、血液検査一回いくら、胸のレントゲン一回いくら、といったふうに。

治るか、治らないかは別にして、金額は設定してある。
医療行為について、それぞれ金額設定してあるのだ。

昨日の某テレビ番組でガンの特集をやっていた。
そういう制度も必要だろう。

しかし、一昔前はガンは死ぬ病気だったのだ。
医者は病気を診れても生活は見れない批判を受け続けた。

しかし、今はどうだろう?

制度上の問題はあるものの、早期ガンは治る病になってきた。
これは医者が批判を受け続けながらも、研究し続けた成果ではないか?

制度と医学界の考え方がクロスするまで、後もう少し。
そのときまで、もう少し、医療従事者は耐えましょう。

そして、今できる最善の全てを、目の前にいらっしゃる患者さんのために、
悩まず、考えて行きたいな、そう思う今日この頃です。