ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

車椅子で失敗

2005年05月18日 | おもてなしの話
車椅子ってなんなんだろう?
歩けないから使うのか、
移動手段のうちの一つなのか?

とある施設でのエピソードである。
その施設にお住まいの方が、車椅子を更新したい、
今の車椅子はうまくこげないということであった。

その方は両手がうまく使うことができない方で、
施設内で主に暮らされている方である。

ご希望は、小回りがきく車椅子が欲しい、という事だった。
業者さんなどにお願いし、6輪の車椅子を試しに乗ってみた。

大車輪の位置もよく、ご希望の小回りもきく。
施設内の移動もスムースになった。

ただ、6輪のものは段差に弱い、という特徴も持つ。
そのことも説明した。

ということで、購入した。

ところが・・・
「おい、段差が越えられないじゃないか!」
というクレーム。

慌てて様子をお聞きすると、
どうやら外で使ってみたらしい。
施設での移動が楽になったので、自然と外へ活動が広がったのだ。

頭を金槌で殴られた想いだった。
福祉用具を使えば、機能は当然維持できる。
しかし、その方にあったものを選べば必然的に活動範囲は広がるのだ。

このことをすっかり失念し、その方の活動範囲が「施設内」と
勝手に思い込み6輪車椅子を提供してしまったのだ。

まさに思い込みの怖さと、車椅子の威力を思い知ったエピソードであった。