ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

永遠の惜別~命の恩人に~

2009年12月17日 | 生と死と
先日より急に寒くなった。
冬本番だ。今朝は15センチほど雪が積もっている。

そんな冬の日、一枚の喪中葉書が届いた。
毎年この時期には何枚かの喪中葉書が届く。

そのうちの一枚に手が震えてしまった・・・
私は遺伝性の血液病を持っており、
小学生の時に手術を受けている

この手術のおかげで命を永らえ、体調は回復し、
今の私がいる。

そう、その喪中葉書とは、その手術をしてくれた先生の訃報を伝えるものだった。
私の結婚式にもおいで頂き、祝辞を述べていただいた。
後から聞いた話だが、急患があって、ほぼ徹夜状態で出席いただいたとのこと。

先生らしい、優しい人柄が偲ばれる。

私が入院していた当時、外科の教授を務められていたが、
私とベッドで並んですわり、ゲームウォッチなどを一緒にした思い出がある。
気さくで優しい先生であった。

近年は年賀状のやり取りがメインではあったが、
まさか訃報を伝え聞くとは・・・

先生のご冥福を祈り、哀悼の意を捧げます。

今ある私の生活があるのは、先生が私の命を救ってくれたから。
その命の恩人が先に逝かれる・・・

不思議で寂しい気持ちです・・・

食事量、一考

2009年12月01日 | ケアの話
さて、12月となりました・・・
早いもので、今年もあと一ヶ月。
いろいろ不安が漂う世の中ですが、前向いて行きたいものです・・・

さて、先日利用者さんの食事量で考え込むことあり・・・
食事といえば、仮面ライダーカブトの言葉を思い出す(笑)
「おばあちゃんが言っていた。食べるという字は人を良くすると書く」
う~む、子供番組とは思えない含蓄だ・・・

で、そのその先日の我が施設に話を戻すと・・・
Aさんという方がいらっしゃって、どうにも食事量にムラがある。
食事摂取することにも時として拒否があり、どうしたものか・・・
というのが現場からの課題。

う~む・・・、
高齢ともなると、食事量は細くなる。
実際、おかずの量が多いと老夫婦で喧嘩になり、
ついには奥様を殺してしまった、という事件があったくらいだ・・・

食べるのが苦痛、とは我々若いと言われる世代には理解しがたいかもしれない。
が、我々が向き合うのは、高齢の方でなにかしらの病気をお持ちの方。
そんなことを言ってられない(汗)

いろんな意見が出るうちに、
「食事量が少ないので、いっそ主食(ご飯)の量を減らして・・・」
という意見が出る。

これには一同頭を抱える。
う~む、どうしたものか・・・

静まり返ったカンファレンスで口をあけたのは栄養士さん。
もともと食が細かった人に対して、提供量が多い場合、
主食量を減らすということは実際やっています。

しかし、この方、元々摂取カロリーが少ないうえに、
さらに減らすとなると基本摂取エネルギー量を下回ります!
それだけは出来ません!とのこと・・・(汗)

この発言より、さらにカンファレンスが固まる(汗)

で、私が発言してみた。
逆に考えてみようよ・・・
パクパク口を開ける人に、どんどんおかわりをする?
しないよねぇ・・・

ということは、ムラがあるからって、
その下のほうにあわすのはどうだろうねぇ・・・?

その状況に合わせて、食事量を見て、
そうにも足らないようなら看護師さんに状況を伝えて、
それで一日の総カロリーを考えていけば?

と言ってみた・・・(汗)

必要なのは、その摂取状況に対して、
どういうアセスメントをして、どう判断するかでしょ?
と言うだけ言って後は主任にお任せ(笑)

結局、その時の状況判断で看護師さんに相談とあいなりました。

そして、夕方、記録を書いていると主任さん寄ってきて、
lifeさんのあの発言、ハッとしました・・・
そうですよね、認知症など食べたことを忘れる人に、
どんどん食事出しませんよね・・・

言葉を使って、ケアしますよね・・・
言葉がけで美味しくもなりますよね・・・
と思いを伝えてきた。

うん、それでいいんじゃない?
食べたい時も、食べたい時もあるでしょ・・・
それをどうやって支えるか、ケアするかだと思うよ・・・

な~んて思ったのでした。