ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

家と訓練室

2005年05月05日 | リハビリテーションの話
くろさんから頂いたコメントから考えてみよう。

訓練室では装具をつけて、治療目的に歩行訓練を行うが、
家ではちょっと、、、
というコメントではなかろうか?

そもそも私の仕事分野の「リハビリテーション」の意味とはなんだろうか?
再びという意味の「Re」とラテン語で可能や「適した」を意味する「habilis」が
合わさってできた語だといわれている。
その意味は「再びもとの適した状態に」とでもなるのだろう。

多くの患者さんが病を得、生命の危機のため入院してくる。
その危機を救うためにいろいろな治療を提供する。

その危機が去って、患者さんはどこへ帰るのだろう?
多くの患者さんは「家」ではなかろうか?

ということを考えれば、例え訓練室での理学療法であっても、
常にどこかでその方の暮らしの場所を想定していないと、
ギャップがでてくるのではないだろうか?

すなわち、「訓練室ではできるけど、家ではできない」
「訓練室でできるんだから、家でもできるよ、きっと」

これを前提にリハビリテーションを組み立てられると、
当の患者さんはたまったものではない。

私の経験では、訓練室で自立歩行だったら、家では見守り、
訓練室で見守りだったら、家では一部介助、とだいたい少しレベルが下がる。

それは、家ではその屋内環境(段差や狭さ)や全ての生活を自分で決定することを求められる。
すなわち、身体環境も変化する、ということだ。

その変化を見落とす、あるいは気付こうとしないと、
こういうケースは増えていくと思う。

前回紹介した方も、これだったのではないだろうか・・・