ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

「装具をつけるほど悪くない・・・」

2005年05月04日 | ケアの話
在宅をやっていると、本当にいろんなことに出会う。
いろんな暮らしに出会う。

段々歩行の姿勢が悪くなり、歩行距離も段々短くなってきた。
よく転倒されるようになって来たこともあり、
冬に入ってくるので、せめて日常の動作を維持して欲しい、

そんな依頼があった。

この方、半身麻痺があるとのこと。

実際に伺ってみた。
伺ってみると、屋外用の装具・杖はあるものの、
屋内用は使っておられない。

歩くときは、壁をつたってゆっくりと、
悪い足を引きずりながら、引っかかりながら歩いておられる。

ん?と思い聴いてみた。
「家用の装具とか無いんですか?」
答えは、
「あるにはあるんですけど、私は家で装具をつけるほど悪くありません」
とのこと。
「病院でなにか説明ありました?」
「いえ、特には・・・」

どうだろう?
病院は説明したつもりでも、患者さんには伝わっていない、
これは怖いことだと思いませんか?

「インフォームド・コンセント」という言葉がある。
説明と同意とでも訳そうか。

でも、説明だけではダメなのがよくわかるケースだと思う。
本当にどこまで伝わったのか、確認しながらケアを展開すること、
それが求められると思う。

本当に必要なのは、いったいなんなのだろう?
必要なのは「選択」ともいえる。

「こういう治療をしたら、こうなります。
こういう治療もありまして、この場合はこうなります。
また、こういう方法もあって・・・」

つまり、「説明と選択」が必要なのではないだろうか?
英語ですると「インフォームド・チョイス」とでもなるのだろうか?

ちなみに「インフォームド・コンセント」の言い換え語は、
「納得医療」である。

納得しておられる方が、どれほどいらっしゃるのだろう?
そんなことをふと考えてしまったりもする。