ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

師匠の本3部作

2008年09月19日 | 読んだ本
さて、明日は出張だ・・・(泣)

しかし、その涙も吹き飛ばす届け物がアマゾンから!
なんと師匠の新刊本!
うれしいじゃないか・・・!

その我が師匠の3部作をこの際紹介します(笑)

まず、エピソード1
「地域ケアを見直そう」備酒伸彦 著 医学書院 2003年5月
ISBN4-260-33274-0

師匠が当時話していた講演そのものを、
一冊の本にしたという感じです。
講演会での生き生きとした、師匠の話しぶりが感じられる本です。

エピソード2
「高齢者リハビリテーションと介護」備酒伸彦著 三輪書店 2008年6月
ISBN978-4-89590-306-6

この本は、「地域ケアを見直そう」を加筆修正し、
なおかつ地域ケアスタッフに向けてさらにブラッシュアップした本です。
師匠が前作から何を足して、何を語るのか?
そして、この国の「介護」の行方を感じる本です。

エピソード3
「地域リハビリテーション学テキスト」
細田多穂監修 備酒伸彦 長野聖 金沢善智 編集 
ISBN978-4-524-24711-0
 
今日届きました(笑)そしてめくってみて・・・
「やられた」が正直な感想。
だって、今年までやっていた地域ケアの講義全容が書かれてるんだもん。
こういう本は絶対必要だな・・・と思っていましたが、
まさか、今目の前に出てくるとは思いませんでした。

エピソード1の本が師匠の講演を本にしたもの、
エピソード2の本が地域ケアスタッフ向けの本なら、
エピソード3の本は、それを教える人たち向けの本といえるでしょう。

おまけにこの分野で活躍する人たちの集大成の本です。
地域ケアに携わる人なら、この3部作はそろえる価値ありです。

師匠にはいつも上を行かれます・・・
だから「師匠」なんだろうけども・・・(汗)

満員御礼、だけど・・・

2008年09月16日 | おもてなしの話
この3連休、島根のおじ様に会いに、
島根海洋博物館アクアスに行ってきた。


さすが3連休、多くの人が島根のおじ様に会いに来ておられ、
なんと臨時の臨時駐車場に車を止めるほど・・・(汗)

レストランもお土産屋も人であふれている・・・

入館券売り場では、券を買うのに行列が館の外まで続いている。
そんな調子なので、職員さんも忙しくしている。

↑こんな感じ

しかし、これを批判するつもりはまったくない。
なぜなら、明らかに職員さんのキャパを越えた人。

水槽一つを見るのに並んで見るような人の多さ。
目玉のシロイルカ(島根のおじ様)ショーにいたっては、
立ち見どころか次のショー(一時間おき)の為に並んでる。

順路説明の職員さんの説明・誘導なんて誰も聞かない状況。

そんなことなので、笑顔で対応は無理・・・
グッズ売り場にいたっては、入るのにさせ勇気がいる人出。
臨時のお会計までできている。

完全に職員のキャパを上回ると、職員もパニック、
お客もパニック。

さて、これを病院・介護施設に置き換えるとどうだろう?
世間一般の病院・施設の印象って、
「忙しい」「態度が冷たい」「ちょっと待って」
などが上がるだろう。

しかし、考えてもらいたいが、
看護師が多く配置している病棟でも7(患者)対1(看護師)である。
特養においては3(入所者)対1(介護職員)である。

そう、最初っから職員のキャパを越えた人数設定だとしたら?
「忙しい」「態度が冷たい」の裏にはなにがあるのか?

人の為に何かしたい!と選んだ職業。
なのに人に優しくできない職場・社会的環境だとしたら・・・?

シンポジスト!

2008年09月13日 | 日記・雑感
久しぶりの休日を堪能中・・・(笑)

さて、先日「県・高齢者福祉課」から名指しで電話アリ(汗)
いったい何やらかしたのか?突っ込みが入るのか?
一気に緊張高まりながら不安の電話に出る。

な~んだ、知り合いのOTジャン(笑)
去年まで保健所にいたくせに(大笑)
近況と挨拶を済ませ、本題。

しかし、話の内容が笑いをとめる・・・
何でも、年明け早々に緩和ケアの市民講座を県主催で開くという。
公開講演は彼の有名な徳永進先生。

お~!私も聞きたい!!絶対参加します!!と伝える。
んで、その公開講座の後に、市民講座としてシンポジウムを行うという。

そのシンポジウムに、維持期・終末期リハビリテーションの立場で、
シンポジストとして発言してもらえないか?とのこと。

えっ?俺??

なんでも去年PT・OT・MSW3団体交流事業で、
県から癌対策基本法の取り組みについてディスカッションをした。

そのときの内容を県の担当の方が覚えていて、ご指名と相成った・・・
と知り合いのOTは言う。

まあ、そういういきさつがあるなら、受けざるを得ない。
快諾し、後日県の方に維持期・終末期リハについて、
ご説明申し上げることになった(汗)

この説明でこけると大変だが(笑)、
なんだか大役で期待に応えられるか不安だが、
これも何かの縁ですので、最善をつくしましょう・・・

数日後・・・

そして担当者の方と打ち合わせ。話してみると・・・
「リハビリテーション」≠機能訓練ということから説明する。

さらにこういう施設の中でのリハビリテーションや生活支援のあり方、
その方の尊厳を守ること、QOLの話をする。

すると、あ~、なんだかテーマにピッタリですね!
といっていただく。

ちなみにテーマは「その人らしさを支えること」。

それで終末期に理学療法士がどう関わるのですか?
と聞いてこられたので、
まず、私がスタッフに伝えているのは、
「終末期」「看取り」「ターミナル」という言葉に惑わされないこと!
まだ生きていらっしゃるのだから!

そして、介護職・看護職・理学療法士・作業療法士がそれぞれの立場で、
連携し、関わっていって、その方の尊厳を最後まで守ることです、
と某学校講義資料を使い説明申し上げる。

なるほど~!よくわかりました。といっていただく(^^)
ちなみに我が県でこういう取り組みをされてる理学療法士はいるんですか?
と聞かれ、とたんにしどろもどろ・・・(苦笑)

介護保険の中でのリハビリテーションの介護報酬の設定のことや、
訪問リハも制約があってなかなかでられないことを、
やんわりと説明申し上げる(汗)

以上、第一回ミーティング終了。
さて、どういう展開になるか?

今後が楽しみです



義祖父、逝く・・・

2008年09月09日 | 生と死と
先日、義祖父が逝きました・・・

去年から体調を崩しがちで、
この夏から寝込んでおりました。

私の子らも、元気なころは将棋をしたり、川遊びをしたりと、
いろいろな思い出があったようです。

なによりも、曽祖父との思い出があるということ、
それ自体が珍しい体験なんだなあ・・・
なんてつくづく感じます。

「寂しくなるよぉ・・・」
「死んだらどうなるの・・・?」
「なぜ黒と白なの・・・?」
いろんな想いが彼らをよぎるようです。

その直前には、もう固形物は口に入らず、
唯一、大好きだった「日本酒」のみが口に入るものでした。

「あ~、うまいなぁ・・・」
とおぼろげな意識の中で言っていたとの事。
在宅だからできたことだと、思います。

まだ意識がはっきりしていたとき、
この腹の瘤が癌か?なんて私にも聞いてきたり・・・(汗)

「悪い病気がついたもんだ・・・」
なんて言ったりもしていました。

それに対して、
「いい病気なんてないよ、じいちゃん」と言ったら、
「そりゃそうだ(笑)」
なんてひとコマもありました。

以前、お寺さんに聴いたことがあります。
死生観に対する説教でした。
「葬儀」とは、生と死を区別する儀式である、と。
生者を死者にする儀式が葬儀なんだと。
そこからは「生前」の思い出が語られていくものだ、と・・・

このお説教を聴いたときにはピンと来ませんでしたが、
なんだか納得できた気がします。

じいちゃん、安らかに・・・

人の人生にふれるということ

2008年09月01日 | 生活を思う
いや~、久しぶりの更新(苦笑)
5月に全国学会発表をし、
その後施設内外の講師をこなし、
また来月は地方のブロック学会発表・・・

なかなか更新まで頭がまわらずにいました・・・
地方ブロック学会もひと段落したので、
マイペースで更新していきますね!

さて、理学療法士ってやはり人の人生にふれる仕事だなあ・・・
なんてつくづく感じたりしました。

いつもは高齢の方と触れ合っていますが、
今回は若い人、大学生です。

体育会系の学部の方ですが、
ひょんなことからお知り合いです・・・

んで、その彼が緊急電話!
なんでも講義中に腰がグキっときて、
どうにもならずに整骨院に行ったとのこと。

電気をあててもらったが、今度は股関節が痛くなり、
どうにも動けなくなったので、どうにかしてくれ!
という・・・(汗)

こういうムチャ振りをどうするか?

んで、私の仕事上がりに時間を合わせて理学療法実施。
なぜ彼がそこまであせるか?
実は、水泳の実技試験があり、
潜水・自由形・平泳ぎのテスト。

落とすわけには行かないという・・・(汗)

んな事いわれてもねぇ・・・(苦笑)
どうすっかなぁ・・・と思っていたら、
お母さんの運転にて登場。

どうやら運転もできないほど痛いらしい・・・

さて、聞いてみると、どうも今痛いのは股関節。
腰ではない。

骨盤を触ると、左右差あり。
かなりずれている。
脚長差もでているほどだ。

それをとりあえず調整する。
脚長差は揃うが、痛みは軽減。

ここでアセスメント。
もともと腰痛を患っていた、という点。

体幹の筋を触ると、疼痛回避姿勢というか、
部分的にスパズムがかなりある。

それと同時に弱い部分がある。
きっと整骨院の電気治療の結果であろう。
それがゆえに、姿勢バランスが崩れ、
股関節に負担がかかり痛みが出た、
と仮説を立てる。

ということで、股関節の可動性を把握し、
股関節周囲の筋スパズムを抑制。

その後歩行チェック。
体幹筋の筋スパズムを抑制。

股関節部の痛みは消失。
しかし、歩行時の体幹不安定性が残るも、
私もPTAの部会が迫り、ここで終了(笑)

翌日、もう一回同じような理学療法を行う。
前日はできなかった車を運転して登場。
これはいけるかも?

結果、ほぼ痛みなく、疼痛歩行も消失!
やったね!

そして、無事、水泳の試験を受けることができたと報告あり!
少々規定を間違えたが、とのこと(苦笑)

さて、何が言いたいかというと、
我々の仕事は対人援助、であるということ。

今回の彼の場合は、試験。
それも彼の人生の中できっと重要な試験なのだろう。

こういう機能障害が引き起こす生活障害。
生きにくさ・暮らしにくさ・生活不安へのアプローチ。

それは今回のような彼だけではなく、
障害や病気を負ってしまった誰にでも言えること。
それを支援、または解決するのが我々の仕事。

彼の一言、
「あんたの手は、どうなってるの?」(笑)

技術とは、人の手にあり。
手技も知識も、目の前の人のためのもの。
広くは対象者のため。
理学療法士は国家資格。
すなわち広く国民のためのもの。

そう意識を強くしたのでした。