ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

「助けてください・・・」

2005年05月23日 | 生と死と
某映画・ドラマのセリフではない。

ディサービスに通ってくる方だ。
骨粗鬆症と診断され、全身の骨がすでにまともではない。

レントゲン写真を見たが、背骨など、まともな骨を捜すのが難しいくらいだ。
転倒するたびにどこかの骨を折り、手術もままならず、帰宅する。
今回もそうだ。

腰椎圧迫骨折と診断されたものの、いったいどこが折れたのかさっぱりわからない。
起きれば当然痛いので、ディサービスでもベッド上で寝ておられる。
「この病気は治らない。これ以上悪くしないように気をつけなさい」
と医師に言われて帰って来た。

さすがにこの状況では、理学療法士の出る幕も無い。
できることと言えば、話を聞くことくらいだ。

「(腰が)痛くて痛くていけん。何とかしてください。
お願いします、お願いします。助けてください」

この状況で、医学は無力だ。痛感する。

私にできることと言えば、たまたま理学療法士という職業の人としての私だ。
とにかく話を聞く。

「頭がボケていれば、痛くてもいいが、そうじゃない。
死ぬまで生きなきゃならんかねぇ・・・」

「そうだねぇ・・・、ま、死ぬまで生きるだわ。」(互いに笑)

腰をさすりながら、そんな話をしながら、腰を暖めてみる?
と提案した。ホットパックをやってみる。

暖めてその場がしのげればいい、
少しでも和らげればいい。

偽善か?治療か?介護なのか?
自分の中でも答えは見つからない。

20分後、「良くなりましたわ~。ありがとうございます。」

そんなことあるわけが無い。
とりあえずの痛みが取れただけだ。
治療ではない。礼を言われても、苦笑いが精一杯だ。

週に2回、お会いする。
ハリのむしろと感じる。

それでも私は話しを聞き続けよう。
答えは見つからないかもしれない。

私の心が折れるのが先か、この方の命がつきるのが先か、
先の見えない、あるかどうかわからない答え探しかな?