脳内出血になっても、フツーのおばちゃんに戻りたい

35歳で脳内出血で倒れた「わたし」のリハビリ記録&その後

先生の気持ち

2006-11-03 23:43:41 | リハビリ日記
杖なしで歩けるようになってからずいぶんたったある日、
言語聴覚士のT先生が車椅子に乗って私の部屋まで
「今からリハビリだよ~」
と呼びに来てくれました。
いつもは研修の学生さんが呼びに来てくれていたのですが、その日はT先生直々に。
日によって外来の患者さんの人数が違ったりして、忙しかったりゆっくりしていたりするのだそう。で、その日は比較的時間がゆっくりしていたようです。

病室とは別の棟の4階が言語のリハビリ室。
T先生は車椅子、私は一応杖なしで歩いてる。(右足を引きずってはいますが)
ついこの間までは同じ車椅子という立場だったのに。

T先生自身は脊椎損傷による麻痺なので、今後奇跡的に回復することはまずありえません。そんなT先生は、先日まで車椅子だった私が杖なしで歩いているのを見て、どういうふうに思っているのだろうと、ふと思いました。
普通の人なら、良くなってよかったね、で済むのでしょうが、
T先生の場合は自分自身が障害を持っているという点で他の人とは違います。
もし自分が同じような立場だったら・・・
自分はよくなる見通しがないのに、まわりの人はどんどん回復していく。
私だったら、うらやましいとか、何で私だけとか、悲観的になるんじゃないかと。

そのときの私には聞けませんでした。

でも、前の日記で書いたように
実際のリハビリをするよりも、君に障害者としての心構えを教える
という言葉を聞いて、もやもやとしたものが消えました。

もし、”ねたみ”(この言葉は好きじゃないのですが、あえて・・・)のような気持ちがあったならば、こんな言葉は出てこないと思ったんです。人のことをねたんでいたら、人のことはほっておけ、みたいな気持ちになるんじゃないかなと。
私ならそうかなと。
どうでもいい人に対して、障害者としての心構えというのは、ずばり
障害者として生きていく手段・知恵そのものなんですから。

こうやって、人は人のことを思いやり、考えながら生きていくんだなと
つくづく感じました。

なんだか今日の日記はマジメすぎ?

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