11月25から26日の1泊2日でGO TOキャンペーンを利用して京都に行ってきました。
最後は建仁寺です。
今回の旅で紅葉以外にぜひとも訪れたかったのが建仁寺です。
なぜならタイトル画像にした俵屋宗達が描いた風神雷神図屏風が見たかったからです。
と言うのも、少し前に原田マハ著「風神雷神 Juppiter(ユピテル)、Aeolus(アイオロス)」を読んでいて折角京都に行くなら見てみようと思っていたのです。
俵屋宗達は戦国から江戸時代に活躍した絵師ですが、生没年不詳な他生涯には不明な点が多く、それが小説の中の設定に繋がったものと思います。
小説で描かれた少年時代の宗達の冒険はとても魅力的で、海外と閉ざされてしまったコロナの時代に読むことに運命的なものを感じてしまいました。
残念ながら風神雷神図屏風は現在建仁寺にはレプリカしかなく、本物は京都国立博物館に寄託されており、京都国立博物館に行ってもいつも見られるわけではなさそうでしたので、レプリカでも見たいと思っていました。
この絵は、画面の両端ぎりぎりに配された風神・雷神が特徴であり、これが画面全体の緊張感をもたらしているが、その扇形の構図は扇絵を元にしていると言われる。
小説では扇屋の息子として描かれており、ヨーロッパに渡る際にも風神・雷神が描かれた父親から渡された扇子を持参しており、悪天候などの苦難の際に安全に導いてくれたと考えるよう、心の拠り所として描かれています。
人生を見守る存在として見ると、どこか優しさを感じさせる目をしているように感じられます。
建仁寺は建仁2年(1202年)将軍源頼家が寺域を寄進し栄西禅師を開山として宋国百丈山を模して建立され、京都で最古の禅寺(臨済宗建仁寺派の大本山)。
豊臣秀吉を祀る高台寺や「八坂の塔」のある法観寺は建仁寺の末寺だそう。
そんな建仁寺にはその他にも見るものがたくさんありました。
1)法堂(はっとう、と読むのですね)の天井に描かれた双龍図(小泉淳作筆)
2002年、創建800年を記念して2年をかけ描かれたもの。
龍は仏教を守護する八部衆で「龍神」ともいわれ、禅寺の本山の多くで法堂の天井に描かれている。
法堂は仏法を大衆に説く場所であり、龍が法の雨(仏法の教え)を降らすといわれ、また龍神は水をつかさどることから「火災から守る」という意味も込められている。
仏教を守り、かつ教えを伝える重要な存在なのですね。
2)方丈から枯山水様式の庭「大雄苑(だいおうえん)」と法堂を眺める
波状に引かれた線が心を落ち着かせてくれるような気がします。
3)方丈から法堂に繋がる回廊から大雄苑を横から眺める
4)方丈障壁画「雲竜図」海北友松筆(安土桃山時代から江戸時代に活躍)
これは複製で、オリジナルは襖から掛け軸に変え、京都国立博物館に保管されている。
5)方丈障壁画「雲竜図」海北友松筆
複製であってもガラスも何も隔てるものがない状態で見られる方がいいです。
6)「竹林七賢図」海北友松筆
同様にオリジナルは京都国立博物館に保管。
7)唐子遊戯図
写真を2枚繋いでいます。
8)潮音庭
向かいに風神雷神図屏風が見られます。
9)潮音庭を反対側から眺める
10)「船出」染色画家である鳥羽美花氏(京都市立芸術大学大学院修了)がベトナムの水辺の風景を描いたもの
11)襖の反対側には同氏による「凪」
型染めと呼ばれる伝統技法で絹織物の白山紬に染め上げたものを表具師が襖に仕立てたのだそうです。
12)「伝説の湖」
もう一つ同氏による掛け軸がありました。
13)
14)〇△□の庭
宇宙の根源的な形態を示し、禅宗の四大思想(地水火風)を地(□)、水(〇)、火(△)で象徴したものと言われている。
木が〇を、井戸が□を、庭の隅の形状で△を表しているとか。
15)反対側から〇△□の庭
庭の隅の形状が△?
16)
17)「花鳥図」海北友松筆
18)「花鳥図」海北友松筆
19)
20)
21)
今回ばかりは写真として自分が感じたものを切り取るということではなく、記録に徹する写真になってしまいました。
でも400年前から現代までの圧倒的な芸術の前には如何ともしがたいとも思います。
最近、SNSでここ建仁寺の潮音庭の紅葉の写真を目にしました。
なかなかタイミングよく訪れることはできないものですね。
一泊二日で京都を巡ってきましたが、改めて日本の良さを再発見したように思います。
京都は何度でも行きたい魅力的な場所です。
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