冷蔵庫や冷凍庫のなかったころは、冷やして固めるのは非常に困難でした。
また現在のように高純度の凝固剤などはありませんでした。
スポンジで全体をおおうというのは、保形性の点からもすぐれたアイデアです。
でもこうしたお菓子を食べることができたのは、一部の貴族や王様などに限られていたことだと思われます。
革命により職を失った、お抱えの料理人たちは、街でレストランや菓子店を開業します。
やがて冷蔵技術の進歩により、現在では庶民でも口にできるようになったわけです。
日本においては30年ほど前に、このシャルロットというかいわゆるムースやババロアが流行しました。
これは冷蔵のショーケースの進歩にも関係があります。以前は10℃まで冷えれば良い方でした。
改良により設定温度をもっと下げることができるようになり、ケーキ屋のショーケースの中でも、形を保つことが出来るようになりました。
ここで洋梨のコンポートについてです。
皮をむいて2つ割程度にして、煮ます。
皮だけ剥いて丸ごと煮る方法もありますが、痛んでいることも考えられるので最低でも2つ割にした方がよいです。
シロップですが、必ずフルーツより糖度を高くします。
そうしないとフルーツの甘味がシロップの方に出てしまいます。
もちろんシロップを使う前提で煮ることもありますが、甘さを控えるために砂糖を減らすより、たとえばワインやリキュールを入れる、あるいはスパイス(シナモンなど)を入れるなどして、甘さを感じさせない方がよいです。
糖度が低いと日持ちも悪くなりますし。
今回はバニラを入れています。
結構しっかり加熱する必要があります。強火にする必要はありません。