当店でのジャムの考え方及び作り方です。
テレビ取材等で詳しい作り方のお問い合わせをいただいていますので、期間限定の公開です。
一般的な製法と多少違う点がありますが、私なりに試行錯誤してたどりついた製法です。
ジャムはご存じのように、果物と砂糖を主原料として作ります。
ですので比較的簡単にできると思われがちですが、材料がシンプルな分、とても難しさを感じます。
作れば作るほど深みにはまる感じです。
火加減はもちろんどういう状態まで加熱するのか、考えればきりがありません。
もちろん単純に果物と砂糖をレンジなどで加熱してもいわゆるジャムにはなりますし、それはそれで良いとは思いますが、やはり煮込むことによる深い味は簡単には出せません。
最近はジャムの専門店もありますし、作り方が書いてある書籍もたくさんあります。
今でこそ既製品も多いですが、ケーキに使うジャムも自家製でしたし、教わった製法もあります。
ただフランス産とかの有名なジャム(コンフィチュール)と自分が作るものとどこが違うのだろうと常々考えておりました。
もちろん果物自体の品質が違うのもあるでしょうが、あるとき果物がもともと持っている水分量ではないかと思いいたりました。
よく言われるように日本は水が豊富なせいか、野菜も果物もとてもみずみずしいです。
悪く言えば水っぽく味が薄いわけです。
それを欧米のジャムの作り方をそのまままねて作っても味が薄くなるだけです。
そこで私は3日間かけて作る製法に行きつきました。柔らかくなるまで煮る必要がある、柑橘系を除いては、果物の水分だけで煮込みます。現在は当店のジャムはすべてこの製法で作っています。格段に美味しくなったと思います。
今回、その製法をできるだけ詳しく解説します。
なおご質問ご意見等、随時受け付けております。(営業中のお電話は十分な対応が出来かねますのでご遠慮ください)
今回は「巨峰」です。
まず新鮮な材料を手に入れるのは大前提です。追熟が必要な果物を除いて、鮮度は重要です。いつ採れたのか分からない古い果物では美味しくするのは不可能です。
その点「うきは」は朝、収穫されたものを加工することができます。
今回の巨峰は近所の「かじわら農園」の巨峰です。肥料とかいろいろこだわったとてもおいしい巨峰です。ただ生産量が少ないのがすこし残念です。
一粒ずつに分け、流水で洗います。虫や汚れがある場合がありますから。
水分が出やすいように二つ割りにします。必ずしもふたつでなくても良いですが。
バニラを加えます。入れなくてもできますが、巨峰の香りと合わさって、深い香りになります。
グラニュー等を混ぜます。水分がよく出るように軽く混ぜます。
これを24時間ほど放置します。時間はあくまでも目安です。水分の出具合次第です。
今日はここまでです。