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la mia dolce vita

おべんきょう・ワイン・パン・お菓子・旅・・・などなど

チーズ講座(チーズを引き立てるパン)

2010-09-04 22:06:27 | formaggio (ちーず)

今回のチーズ講座は、チーズとパンを使った料理(=サンドイッチ)のデモンストレーション。それぞれのチーズに合わせたパンと副材料を使ってさまざまなサンドイッチを紹介してもらう。

まず上の皿にあるバゲットを使ったカスクルート2種類。

切り目を入れたバゲットにバターを塗り、スライスしたハムとカマンベール、セミドライアプリコットとくるみを入れたカマンベールのカスクルート。アプリコットの甘みと酸味、そしてくるみの食感によって飽きのこない味わいとなっている。

もう1種類がフルム・ダンベールのカスクルート。これも切り目を入れたバゲットにバターを塗り、スライスしたハム、フルム・ダンベール、そしてブルーベリージャムをはさむ。ロックフォールよりも食べやすいブルーチーズであるフルム・ダンベールのミルキーさとブルーベリージャムの甘みと酸味のバランスがとても良い。

そして同じ皿にあるタルティーヌ(スライスしたパンに食材を載せて食べるもの)2種類。
どちらも具材を載せたあと、オーブンに入れて軽く表面を焼いてある。

1つ目がスライスしたパン・ド・カンパーニュにバターを塗り、カマンベールとスライスしたりんご、ハム、ラズベリージャム、くるみを載せたもの。カマンベールの旨みとりんごの酸味、くるみのロースティーな味わいがよく合う。

2つ目もパン・ド・カンパーニュにバターを塗り、フルム・ダンベールとハム、はちみつと
くるみ、バナナを載せる。このバナナとブルーチーズの組み合わせはかなり絶妙!

右側の皿がラズベリーとチーズを合わせた2種類。

左側はシェーブルチーズのサント・モール・ド・トゥーレーヌをスライスしたものと生ハム、ハチミツをライ麦パンのスライスに載せて軽くオーブンで焼き、最後にはちみつとブラックペッパーをかけ、ミントの葉を飾ったもの。

右側は丸いブリオッシュに切れ目をいれ、バターを塗ったところにマスカルポーネと生クリームを混ぜたもの、生ハム、セミドライフルーツ、ルッコラをはさんである。ルッコラの香りとマスカルポーネのクリーミーさが良く合っている。

左側の皿には2枚のパンにはさんだサンドイッチが2種類。

上にあるのが、軽くトーストしたパンをトーストしバターを塗ったものに、スライスしたパプリカチキン、細切りしたパプリカ、輪切りのブラックオリーブ、セミドライトマトとレタスを載せ、シーザースドレッシングと細かくおろしたパルミジャーノ・レッジャーノをかけて上からもう一枚のトーストしたパンを載せたもの。セミドライトマトの食感とパルミジャーノの香り、さっぱりしたパプリカチキンのバランスが良い。

下はトーストしたライ麦パンのスライスにバターを塗り、パストラミ、市販のザワークラウト、ケチャップとヨーグルト、タバスコを混ぜたドレッシング、エメンタールとグリュイエールチーズとピクルスを載せてもう1枚のトーストしたパンを載せたもの。パストラミの濃厚な味わいとさっぱりしたレタス、チーズの組み合わせが心地よい。

そして今回合わせたのがドゥラモットのシャンパーニュ。さすがにサロンを造るメゾンだけあってクリアできれいな酸味が心地よい。

今回は本当にたくさんのサンドイッチを紹介してもらい、こんな食材の組み合わせがあるのか、と驚いたものもたくさんあった。

せっかくなのでお気に入りのチーズがあったら、オードブルとして食べるだけではなく、こんな風にパンと組み合わせて、更に美味しいメニューを楽しんでみたいと思う。

チーズ講座(デモンストレーション/ハードタイプのチーズ)

2010-08-26 17:13:16 | formaggio (ちーず)

チーズ料理デモンストレーションの3回目はハードタイプのチーズを使った料理。

それぞれグリュイエール、エメンタール、トム・フレッシュ、マンステールを入れた4品をシェフが作って見せてくれる。

まず右上がクロックムッシュ。スライスしたグリュイエール(またはコンテチーズ)とハムを挟んだパン・ド・ミ(食パン)を天板に並べてオーブンで両面に火を入れ、ベシャメルソースを表面に塗って、再度オーブンに入れてキツネ色に焼き上げたもの。マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」の中にも出てくる伝統的なフランスの軽食の一つなので、たまにはこんな風に手をかけてベシャメルソースから作ってみるのも良いかも。

その下がスナックにもなるゴマ入りエメンタールのチュイル。スライスしたエメンタールを天板に並べ、サラマンドル(上火だけのオーブン)かオーブンに入れてチーズを溶かし、いったん取り出してゴマをふったあと再度火を入れ、熱々のところをすばやくとい型に入れてチュイール状に成型する。チーズの旨みと黒ごまの香ばしさが美味しい一品。シェフによればシャンパーニュにもとても良く合うとのこと。

左下がジャガイモ入りのトリュファード。低温の油に入れてゆっくり火を通した輪切りのジャガイモをニンニクのみじん切りと炒め、生クリームとトム・フレッシュ、パセリのみじん切りを加えてあえたもので、今はちょっと季節が合わないけれど、寒い時期に食べると身体があたたまりそうな山の料理。

そして左上がマンステールとクミン入りのかぼちゃのスープ。今回は栗南瓜を使い、うす切りのタマネギをバターでソテーしたものと一緒に炒め、フォンでじっくり煮たものをミキサーにかけ、粗めのシノワを通して更に火にかけてとろみをつけている。仕上げに生クリームをたらし入れてクミンをかけたら、キューブ状に切ったマンステールと一緒にいただくこちらも温かい料理。クミンが合うのはあまり知らなかったけれど、他の料理などにも生かせそう。

これらの料理に合わせたのは、南仏の赤ワインミネルヴォア。夏なので少し冷やしすぎていたのが残念だけれど、こってりした山岳地帯のチーズ料理には良く合いそうなしっかりした赤ワイン。

どの料理とも教わった通りの材料と作り方ではちょっと大変そうだけれど、少しアレンジして簡単にできるような一品として作ってみたいと思う。

チーズ講座(日本酒とチーズ)

2010-08-19 17:17:56 | formaggio (ちーず)

夏休み明けのチーズ講座はチーズと日本酒とのマリアージュ。

しかしこの暑さのなか、日本酒を数種類ティスティングするのは正直つらい…。
ということで、今回はなるべくチーズのティスティングを中心にして、日本酒はほんの一口だけなめる程度に味見だけすることにする。

チーズ6種類はフレッシュ、白カビ、シェーブル、ハード、ウォッシュ、青カビとすべてのタイプから1種類ずつのセレクション。(ちなみに今回はすべてフランスのチーズ。)

右上からブルゴーニュ地方のデリス・ド・ブルゴーニュ。クリームを添加して造られているため外皮も柔らかく中身はとろりとしたクリーミーなチーズで、酸味と若いマッシュルームのような香りが感じられ、味わいはミルキーでおだやかなデザートのような風味。パンに載せて食べても良いし、ハチミツをかけてデザートにするのも美味しい食べ方かも。

その下がイル・ド・フランス地方で造られたクロミエ。ブリ三兄弟の末っ子と言われる少しクセのある濃厚な白カビチーズで、今回のものはかなりアフィネ(熟成している)状態でとろりとした黄色い中身が溶け出している。外皮にも濃い茶色が混ざり、強いキノコの香りがする。口に入れると旨味と塩分のバランスが良く、後味にぴりっとした刺激が残る濃厚な味わい。このまま食事のあとに一口ずつ味わっていただきたい。

そして右下がベリー地方のプーリニィ・サン・ピエール。こちらもかなり熟成したもので、外皮に近い濃い黄色の部分がとろりと流れ出している。しかしやはりシェーブルチーズのため、真ん中に近い部分は真っ白いぴっちりしまった組織でおだやかな酸味がある。外皮に近い部分には苦味が感じられ複雑な味わいとなってくるので、こちらも、チーズだけであるいはパンに載せてそのままの味と香りを楽しんでほしいチーズ。山羊乳特有の臭みがほとんど感じられないので、シェーブルが苦手な方にもおすすめ。

左下はおなじみ、フランシュ・コンテ地方のコンテで、今回のものは12ヶ月熟成。濃い黄色の中身で脂肪分が表面に浮き出している。香り、味わいともにおだやかなので、サラダやサンドイッチなどに入れたりするのも良いし、スティック状にしておやつ代わりにいただいても美味しそう。

その上がアルザス地方で造られたマンステール。塩水で洗って熟成させたウォッシュチーズで、リネンス菌でオレンジ色になった外皮はねっとりとして、ざらっとした食感が口に残るけれど、中身は黄色いもちもちした組織で、ミルクのコクと旨味が感じられるどちらかといえばおだやかな味わいのウォッシュチーズ。じゃがいもとの相性が良いと言われるので、マッシュポテトなどの上で溶かして食べるのがベスト。(あればクミンシードも添えるとベストの相性になるとのこと。)

左上のブルーがオーヴェルニュ地方のブルー・ドーヴェルニュ。黄色味の強い中身に緑がかった青カビがきれいに出ていて、オレンジがかった外皮には自然のカビも見える。クリーミーな味わいに程よい塩分と青カビの刺激があってふくよかでミルキーな味わい。そのままでもお料理に使っても美味しくいただけるブルーチーズ。

さて、これら6種類のチーズと「合わせた」日本酒は下記の4種類。といっても、マリアージュを考えるほどティスティングしたわけではないので、こちらは味わいを説明する程度でご容赦を・・・。

夏吟醸・無濾過生酒「陸奥八仙」→香りが高い「薫酒」ながら清涼感があり、フルーツやスミレなどの香りがある。軽い甘さが感じられて口あたりが良い。

純米吟醸「貴」→味わいが軽快でなめらかな「爽酒」でさわやかな酸味が感じられる。アルコール感もあり少しパワーが感じられるお酒。

純米・生もと(きもと)「大七」→コクのある「醇酒」でしっかりした骨格があり、日本酒らしい旨味に加え、甘み、酸味、苦味など複雑な味わい。

純米・自家熟成酒「酒一筋」→熟成タイプの「熟酒」で、濃い茶色の色合いとバニラやカラメル、チョコレートやメープルのような濃厚な香りと味わいが特徴。

一般的にさわやかな酒は軽めのチーズと、しっかりした味わいの酒には濃厚なチーズとの相性が良いと言われるので、もう少し涼しくでもなったら日本酒もいくつか試してみてチーズとの相性も確認してみたいと思う。

チーズ(夏休み番外編)

2010-08-15 23:15:37 | formaggio (ちーず)

いつものチーズ講座が夏休みなので、今回は自分でチーズ(&ワイン)を調達してみた特別編。

まず右上がシェーブルの定番、フランス・サントル圏で造られるサントモール・ド・トゥーレーヌ。伝統的に麦わらを通して造られていたため、今もその名残で真ん中に穴があいた個性的な形。今回はしっかり熟成しているものなので、外皮も白や黒の他にカビの緑色も見える。中身も外皮近くはかなり濃い黄色になっていて、口に入れるとこってりした食感と熟成したナッツの香り、そして山羊乳の酸味が口の中に広がって、ぜひ時間をかけてゆっくり楽しみたいチーズ。

その下の表面が白くつるりとしたチーズが、イタリア・ヴェネト州のアジアーゴ・プレッサート。外皮も白く味わいもおだやかな牛乳製のチーズ。プレッサートは若くてフレッシュなタイプなので、サンドイッチなどに使うのが良さそう。

右下の外皮がオレンジ色のものがフランス・コルスのウォッシュチーズでウ・ベル・フィゥリツ。羊乳を使って造られているだけあって中身には脂肪分がしっかり浮き出して味わいも羊乳の独特のコクが感じられる。オレンジ色の外皮に感じる苦味もいいバランスとなっている、じっくり味わい型のチーズ。

左下のソフトなチーズが、フランス・ブルゴーニュ圏で造られる牛乳製のウォッシュチーズ、スーマントラン。今回は農家製でミルクの香りと甘み、そして旨みの強いしっかりした味わいの濃厚なものなので、このままで少しずつ楽しみたい贅沢な味わいのチーズ。

その上がフランス・ローヌ=アルプ圏で造られるブルーチーズ、ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ。山のチーズで熟成が進んでいるせいか、表面は岩のような茶色と白で、中身も黄色というより黄土色に近い濃厚な色合い。口に入れると青かびの塩分はそれほど強くなく、むしろミルクと旨みの成分が強くずっしりと重い印象のチーズ。スライスしたバゲットに載せると贅沢なオードブルになりそう。

左上の茶色がかったごつごつしたハードチーズが、オランダ製の山羊乳製ゴーダチーズ、バラリーナ。放牧した山羊のミルクを使って伝統的手法で造られるアミノ酸の旨みがたっぷりのチーズで、ミモレットに似た、しかしミモレットよりミルクを感じさせる濃厚なチーズ。ワインや日本酒などを飲みながら固まりを少しずつ崩して食べてみたい、おつまみ向きのチーズ。

これら個性的なチーズに合わせてみたのが、スパークリングと白ワイン。

スパークリングがオーストラリアのオーガニックワン・ブラン・ド・ブラン。シャルドネ100%ながら、ハチミツやコンポートの甘い香りと味わいで、冷やして飲むとちょうど良い美味しさ。チーズの苦味とこのワインの甘みがよく合うので、今回のチーズではウォッシュチーズのウ・ベル・フィゥリツやスーマントランとの相性が良かった。

白ワインはフランス・ロワール地方の、シャトー・ラ・タルシエール/ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ シュール・リー。シュール・リー(澱と一緒に熟成させ、旨みなどを引き出す造り方)の割にはきりっとした造りで酸がしっかりしているので、今回のチーズの中ではサントモール・ド・トゥーレーヌやおだやかな味わいのアジアーゴ・プレッサートなどと合わせるのが良さそう。

今回は普段なかなかテイスティングできないものをと思って探したので、新しい味わいのものが多く、いろいろ発見をすることができた。

調達に際しアドバイスをいただいたフォルマジュリー「アルパージュ」に感謝。

チーズ講座(スペインのチーズ)

2010-08-05 17:37:59 | formaggio (ちーず)

スペインには100種類以上のチーズがありながら、イディアサバルやケソ・マンチェゴなどいくつかの有名なチーズを除くと知っているチーズがあまりなく、チーズ王国であるフランスの隣に位置しながらも、どことなくブラックホール的な存在である。

イタリアの中部・南部と同様に羊が多く飼われているため、圧倒的に羊乳を使ったチーズが多い一方で、「緑のスペイン」と呼ばれる北部では牛乳を使ったチーズが造られ、また羊と一緒に飼育されている山羊の乳も使った混乳製のチーズも多い。

またスペインには大陸部とは別に、マヨルカ島/メノルカ島のあるバイアレス諸島や、アフリカ大陸の西側に位置するカナリア諸島もあり、それぞれ特徴的なチーズが造られている。

そんな多様なチーズの中から今回テイスティングしたのが次の7種類。

右上の外皮が黄色いチーズがガリシア州のアルスワ・ウジョワ。牛乳製でむっちりした柔らかい組織でやさしいミルクの味わいでサンドイッチなどに良さそう。

その下がカスティーリャ・イ・レオン州のモンテネブロ。外皮に灰をまぶして造った山羊乳のチーズで、中身はシェーブルらしく真っ白で、口に入れると塩味と山羊乳の酸の味わいがせめぎ合うどちらかというとパワフルな味わいの山羊乳チーズ。

外皮が赤紫色のチーズがケソ・デ・ムルシア・アル・ビノ。ムルシア州で造られる赤ワインで外皮を洗ったチーズで、中身は透明感のある白い組織でぼろっと崩れる感触がある。羊乳のチーズにしてはミルクの味わいがさっぱりしていて他のものと合わせやすいので、サラダなどに入れて使うと良さそうなチーズ。

その左隣の茶色い外皮の丸みがかったチーズがマオン。メノルカ島で牛乳を使って造られているが、ここで造られるチーズはすべてマオンと呼ばれるので、味わいが時期やロットによってかなり違う。以前食べた時は塩味が強くミルクの香りの印象があったけれど、今回のものはどちらかというと塩味はおだやかで、少し苦味をともなった旨みが口に広がる。料理の上にスライスして少し溶かして食べてみても面白いかも。

左下の細長い三角形のスライスが、バスク州/ナバラ州で造られるイディアサバル。凝乳酵素に羊から取った動物性のレンネットを使う伝統的製法で造られるチーズで、透明感のある黄色い表面には脂肪が浮いている。わずかな辛味と旨みが感じられる複雑な味わいなので、スライスをオードブルにしていただくのが良さそう。

その上の四角いスライスのチーズがカスティーリャ・ラ・マンチャ州で造られたオベハ・アル・ロメロ。難しそうな名前だけれど、オバハが羊でロメロがローズマリーの意味なので、つまり外皮にローズマリーをまぶして造った羊乳製のチーズ。熟成感のあるかなり固い食感で、旨みとハーブの香りが感じられる。羊乳の甘みがあるチーズなので、ジャムなどを合わせてもバランスが良い。(今回はアカシアのハチミツを合わせてみたけれど、なかなか美味しかった。)

そして最後が左上のカブラレス。アストゥリアス州で造られる青カビチーズで、中身全体にびっしりと青カビが見える。混乳製のチーズで季節によって牛乳、羊乳、山羊乳の中から合わせて造られ、フランスのロックフォール同様、自然の洞窟でじっくり熟成させる。強い塩味と独特のぴりっとした刺激的な味わいを感じるチーズなので、少量をアルコールなどと合わせて食後にいただくと美味しそう。

ワインは、白がルエダ地区で造られるテルモ・ロドリゲスのBASA。ヴェルデホが80%、ヴィウラが15%、そしてソーヴィニョン・ブラン5%使われていて、コンポートのような甘い香りと、ハーブやレモンゼストのような苦味とさわやかな味わいのフレッシュな白ワイン。イディアサバルやオベハ・アル・ロメロなど、羊乳を使った熟成タイプのハードチーズとの相性が良かった。

そして赤がカスティーリャ・イ・レオン州ビエルソで造られるソト・デル・ヴィカリオ メン・デ・メンシア。土着品種であるメンシアを100%使った濃い色のワインで、黒い果実とタバコやスパイスなどが感じられるしっかりした味わい。チーズとの相性はおだやかな旨みと塩味をもった牛乳製のマオンとのバランスが一番良かった。

このように、地方ごとに少し変わった面白いチーズがあるのがスペイン。有名な巡礼地、サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼者がその途上で食べたというチーズなど歴史的なエピソードも多くあるようなので、そんなところから調べてスペインとチーズとの関わりなどもう少し学んでみたいところである。

チーズ講座(イタリアチーズ/中部、南部、および島)

2010-07-29 17:45:25 | formaggio (ちーず)

今週のチーズ講座のテーマはイタリア中部、南部および島のチーズ。

DOPの認定を受けているチーズが11種類。北部に比べると牛乳よりも羊乳のチーズ(ペコリーノ)や水牛のチーズ(ブーファラ)が多い。理由としては、牛を飼育するにはまず大量の牧草が必要となり、北部と違って中部および南部ではその確保が難しい。また牛は暑いとストレスで乳が少なくなるため、暑い気候にも強い羊や水牛が飼育され始めたとのこと。

ちなみに羊乳で造ったチーズは全体的に塩をしっかりきかせたものが多く、あと味に酸味が感じられるのが特徴。

水牛の乳で造ったチーズは、色が真っ白くミルキーな味わいが楽しめる。

今回のテイスティングは下記の6種類。はじめて見るチーズもいくつかあってなかなか楽しかった。

まず右上からカンパーニャ州のモッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ。州はカンパーニャ(Campagna)でチーズはカンパーナ(Campana)とちょっと名前がややこしい。湿地帯で飼育した水牛の乳を使い、イタリア語のmozzare(切り離す/切る)から生まれた名前の通り、生地を「引きちぎって」丸くしたものを塩水に入れて造られるチーズ。フレッシュなものは、外皮がしっかり残っていてつるりとした感触が感じられる。中身はフレッシュなミルクの甘さが感じられる優しい味わいで、オリーブオイルをかけても美味しい。今回は乾燥したオレガノと一緒にいただいてみたが、これは抜群の相性。

次のフレッシュタイプのチーズがブッラータ。いわゆる牛乳製のモッツァレッラだけれど、特徴的なのは生クリームを混ぜた生地を巾着型に縛って成型すること。そのため、丸いチーズの外皮にナイフで十字の切れ目を入れると、やわらかい中身が花びらのように溶け出してきて、花がぱっと開くように見える。食べてみるとパスタ・フィラータのコシと生クリームのとろとろ感が混ざり合って不思議な食感。やさしい味なので、野菜などと一緒にフレッシュサラダにして食べると美味しそう。

そして細く削ってあるのが、水牛の乳から造ったリコッタ(一度チーズを造ったあとの乳清から造るもの)チーズのバリロット・ディ・ブーファラ。専用の「グレイター・ローズウッド」で削ると見た目にも美しいので、パスタやリゾットなどに振りかけても良いし、変わったところではチョコと一緒に削って食べるのもいけるそう。香りや味わいがおだやかなので、料理にもたっぷり使えそうなチーズ。

左下の表皮に刻印の見えるチーズが、カラーブリア州のカチョカヴァッロ・シラーノ・ビアンコ。ちなみにカチョカヴァッロは、カラーブリア州とバジリカータ州のものは細長い洋梨の形に造られ、よく見る丸いひょうたん型はカンパーニャ州、モリーゼ州、プーリア州で造られたもの。表面にはゴムのような弾力性があり、口に入れると細かくぽろぽろと砕ける組織。しっかりとした塩味で、またあと味に酸味も感じられる。焼くととろりと溶けるので、夏野菜などと一緒に焼くと美味しいとのこと。

左側のしなやかな組織で黄色味がかったチーズが、トスカーナ州のペコリーノ・トスカーノ・フレスコ。フレスコ(若い状態)なので、おだやかな味わいで塩分も抑えた感じ。羊の乳を使っているので、独特の酸味と香りがあと味にある。

左上の茶色い外皮のチーズがサルデーニャ州のペアッサーノ・スタジオナート。スタジオナート(熟成した状態)のため、組織もぎっちりと圧縮されていて、色合いも黄色から茶色がかった感じ。味わいは山のチーズのような土臭い香りと旨みが同時に感じられて、そのままつまみに出来そうなしっかりしたチーズ。

合わせたワインは、白がシチリア州のプラネタ・シャルドネ。シチリアの太陽をたっぷり浴びたぶどうから造られたという印象の、非常に濃い黄色でアルコール感があり、しっかりした辛口の白。かなりパワーのある味なので、ペアッサーノ・スタジオナートなど熟成からくる旨みをもったチーズと相性が良い。

赤もシチリア州のワインで、アジエンダ・アグリコーラ・コスのチェラスオーロ・ディ・ヴィットリア。地元品種のフラッパート・ディ・ ヴィットリアとネッロ・ダボーラ を使った、こちらも甘みと強みの感じられる濃い赤で、今回のチーズの中では、クセのないハードチーズのペコリーノ・トスカーノ・フレスコと一番良く合った。ちなみにこのワインはボトルも太めで重厚感があるので、見つけたら一度買ってみると良いかもしれない。

前回と2週にわたって学んだイタリアのチーズ。この他にも地元では、DOP認定チーズとは別にさまざまなチーズが造られていて、ワインにつけて熟成した「酔っ払いチーズ」や地面に掘った穴に埋めて熟成させる「穴埋めペコリーノ」などもあるそうなので、今度イタリアに行く時にはそんな珍しいチーズもぜひ買って食べてみたいものである。

チーズ講座(イタリアのチーズ/北部)

2010-07-21 17:04:39 | formaggio (ちーず)

フランスと並んでさまざまなチーズが造られているイタリア。

今回はイタリア北部のチーズについての講義&テイスティング。

DOP(原産地名称保護)に指定されている33種類のチーズのうち、22種類が北部で造られるチーズであり、そのことからも北部イタリアにおけるチーズ造りの重要性および多様性がわかる。

テイスティングしたチーズは次の6種類。

右上の黄色味の強いチーズがフォンティーナ。組織は弾力がありしっとりとしていて、山のチーズらしく熟成によってつくられた硬い表皮には少し苦い香りがある。中身は熟成感のある、少しぬか漬けのような味わい。

次のふんわりした外見のチーズがロビオラ・ディ・ロッカヴェラーノ。牛乳に山羊乳あるいは羊乳を合わせて造るソフトタイプのチーズで、外皮もスフレチーズケーキのように柔らかく、つきたてのお餅のような触感。中身は真っ白でミルクとさわやかな酸の香りが広がる。外皮との境の部分はとろとろに溶け出していて、中身と一緒に食べると、クリームソースをチーズにかけたような印象。

右下の外皮が赤っぽく見えるのがタレッジオ。どちらかというとおだやかなタイプのウォッシュチーズで、組織は白くむっちりとした感じで、熟成を感じる複雑な香りが感じられる。どことなく、日本のしょっつるのような発酵した塩分の味わいのチーズ。

左下のぽろぽろした組織を持つチーズがモンターズィオ。水分が抜けてひび割れた表面で、香りにはやさしいミルクの成分と塩分が感じられる。味わいはアミノ酸のうまみと少し強めの塩分が際立つ。

左側の2種類はグラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノの比較。

下の方の色が白めのグラナ・パダーノは、まだ弾力があり、ミルキーで甘い香りがある。口に入れるとコシを感じる食感で、味わいはとてもおだやか。料理などに多めに使ってみたい。

上の黄色味の強く白い結晶の浮き出して見える方がパルミジャーノ・レッジャーノ。グラナ・パダーノよりも、水分が抜けて乾燥した組織で、味わいはアミノ酸のじゃりっとした旨みと、味噌のような熟成した香りが感じられる。少しだけ料理にかけてアクセントにするのが良さそう。

これらのチーズに合わせたワインは、白がピエモンテのロエロ・アルネイス2008。アルネイス100%で造られた、レモンゼストの苦味やパッションフルーツ、コンポートなどの甘い香りをあわせ持つ辛口の白ワインで、酸の強いロビオラ・ディ・ロッカヴェラーノや、ウォッシュチーズのタレッジョなど個性的な味のチーズとよく合う。赤はトレンティーノ・アルト・アディジェのクラブ・トラディション・ピノネロ。100%ピノネロで造られた、少し黒っぽい色合いの赤で、スミレの砂糖漬けやドライフラワー、ブラックチェリーなどの香りがある。こちらは熟成した山のチーズ、フォンティーナとの相性が良かった。

このように、イタリア北部にはたくさんのDOPチーズがあり、それぞれ独自の製法を持った個性的なチーズなので、他のDOPチーズについても出来るだけ食べてみて、それぞれの産地の特徴や製法による個性などをもっと学んでいきたいものである。

チーズ講座(チーズの生成②)

2010-07-15 17:17:49 | formaggio (ちーず)

前回に引き続いてチーズの生成についてのクラス。今回は特に「熟成」に重点をおいて、生産者からの話を聞く。

まず熟成庫については、いろいろな条件を満たす最良の場所を確保するのは難しいらしいけれど、ヨーロッパなどでは廃坑や昔の基地(?)なども熟成庫に使ったりしているようで、こういう場所で熟成させると、水・鉱物・高いエネルギーなどの影響か、出来上がったチーズは美味しいらしい。

熟成の方法については、大規模な工場製とフェルミエ(農家製)ではかなりやり方が違っているようで、大手のチーズメーカーなどになると、大きなハードチーズもすべて機械で反転&加塩を行ったり、中身が短期間で均一に熟成するようにスタビライズ製法(安定製法)を用いたりといろいろな技術を「駆使」しているようで、やはり人が手間をかけてつくった農家製とは味わいが異なるのも当然なのかもしれない。

裏話的に面白かったのは、フランスの有名な青カビチーズであるロックフォールチーズは、ロックフォールにある特定の洞窟で熟成されたものだけを指すと習ってきたけれど、これは熟成だけの話で、じつは別の場所で作られたチーズでも、ここで熟成すればロックフォールと名乗れるという。まぁ確かに世界中のロックフォールをあの場所で製造するのは大変そうだけれど、何だかちょっと夢をこわされたような気分。

またハードタイプのチーズなどで硬いリンド(外皮)を作るために、熟成中にチーズの表面を塩水をつけたブラシや布で磨く過程があるのだけれど、その作業を繰り返し行うと、塩水にリネンス菌(ウォッシュチーズに発生する)が繁殖し、そのリネンス菌の作用もあって、磨くチーズにコクとうまみが生まれる。つまり繰り返し使うことで、塩水が「秘伝のうなぎのタレ」のようなうまみを持ち、そのチーズの独特の味わいを生み出すとのことで、なるほど「うなぎのタレ」に通じるものがあるのか~、と感心。

今回、テイスティングはいくつかの熟成違いも含めた9種類。

右上から時計回りに、まだ若めのシャヴィニョル(シェーブル)と、熟成の進んだセックのシャヴィニョル。

若い方は外皮と中身の境目の部分がとろとろで流れ出すほどクリーミーな状態。中は白くて少しぽそぽそした組織。これに穏やかな塩味の外皮と三つの部分を一緒にいただくと、ミルクと塩分とがうまくまじり合って、さわやかで口あたりの良い味わい。

セックの方は、外皮もかなり濃い茶色になっていて水分も抜けた状態。中身の白い部分もぎっちりと詰まった感じで組織も層が重なり合ったような状態。こちらはコクがあり、しっかりした塩味も楽しめる大人の味わい。

次の熟成比べはスティルトン。

若い方は青カビも中身もフレッシュな色合いと弾力のある組織で、クリーミーさとやわらかい青カビの風味が楽しめる。

それに比べて熟成の進んだものは、外皮に少し苦い香りがついてきて中身も黄色が濃く出ている。風味はミルクと塩分がしっかり溶け合って旨みが生まれていて、とろけるような口どけが魅力。

左下の2種類は、白い方がロックフォールの羊のミルクで造ったフレッシュタイプのチーズ、デリス・デ・カバス。羊乳のチーズとしてはかなりフレッシュでやわらかい、フロマージュ・ブランのような口あたりと味わいで、そのまま朝食やおやつなどにいただけそう。

青カビの入っているものがブレス・ブルー。表面はしっとりした白カビの外皮と、やわらかい黄色味を帯びた中身で、口に入れるとまったりとして、熟成感と青カビの風味がバランスよく感じられる。フルコース料理のあとにいただいてみたいチーズ。

そして左上のハードタイプが十勝・共働学舎のシントコとレラ・ヘ・ミンタル。どちらもアイヌ語で、シントコは農場のある新得町の名前の由来となった言葉で、レラ・ヘ・ミンタルは神が遊ぶ場所の意味。

外皮がない方のシントコは、つるりとした詰まった黄色い色あいで、やわらかいミルクの風味が心地よい。

レラ・ヘ・ミンタルも黄色味の強い色あいのじっとりした脂肪分が浮き出た光を帯びた組織のハードチーズで、外皮に近いほうはかなり色が濃い。少しパスタ・フィラータのようなコシを感じる口あたりで、おだやかな味わいのチーズなのでサンドイッチなどにも合いそう。

合わせたワインは、白がアルザスの2007ピノ・グリ/ヴィエーユ・ヴィーニュ/ツイント・ウンプレヒトで、非常に濃い黄金色で、とろりとした口あたりの甘口白。チーズの中では、強い塩味を感じるブルーが一番合う。

赤はボルドーの2001シャトー・ベルナドット。タンニンと酸がしっかり効いた、濃いルビー色のカヴェルネ・ソーヴィニョン主体のワインで、セックのシャヴィニョルやスティルトンの熟成の進んだものなど、旨みのあるチーズとの相性が良かった。

前回と今回の2回で学んできたチーズの生成。まだまだわからないこともたくさんあるけれど、いろいろ質問もしてかなり雑学的な知識も身についたので、またこれから少しずつ紹介していきたいと思っている。

チーズ講座(チーズの生成①)

2010-07-12 17:04:25 | formaggio (ちーず)

後半に入ったチーズ講座。

今回はチーズの生成と題して、ミルクがチーズになるまでの過程で、どのような条件がチーズの味に影響を及ぼすのかを学ぶ。

まずは乳の質について。牛乳はもちろん、チーズには水牛、山羊、羊などのミルクも使われ、また牛といってもホルスタインやジャージーなど種類によっても乳質やチーズを製造できる量(歩どまり)なども変わってくる。

次に餌の種類。こちらも乾草や飼料、サイレージ(サイロなどで発酵させた飼料)など種類が異なり、また季節や土壌などの環境によってもその質が変化する。

そして家畜の管理。放牧にするのか牛舎に入れるのか、そしてどのような形態の牛舎に入れるか、などの違いによってストレスの度合いが異なり、結果として乳質に影響を及ぼす。

それから搾乳方法にも、手絞りによる搾乳や機械を使って絞るいくつかの方法があるとのこと。

なるほど、ひとことで乳といっても、こんなにたくさんの要因によってその品質が左右されるのか、と改めて酪農家の努力がしのばれる。

そのあとで、ミルクからチーズを製造する段階におけるさまざまな物質の役割について話を聴き、実際にフロマージュ・ブランを造る様子を見せてもらう。

鍋に入れて温めたミルクにレンネットを加えると、ミルクがヨーグルト状に固まり、それをカッティングしていくことによってホエー(乳清)が排出されてソフトチーズになる。圧縮や加塩をしていない状態のチーズなのでふわっと柔らかく、日本の食べ物で言うなら「ざる豆腐」といったところ。もちろん豆腐のようにゆず胡椒などをかけて食べても美味しいらしい。

今回のテイスティングは、主に日本でつくられたチーズ。

右から、北海道産のフロマージュ・ブラン。舌にもろもろっとした組織が残る柔らかなチーズで、フレッシュな酸が果物のジャムと良く合う。また乳清から造ったホエージャム(ホエーを砂糖と一緒に煮込んだジャム)との相性も良い。

下のカマンベールのようなチーズが、十勝・共働学舎のプチ・プレジール。小ぶりなサイズのチーズながら、外皮と中身の間のとろりとした食感、中身の少しシェーブルのようなさわやかでこっくりした口あたりが楽しい。

左の赤紫色の表皮のチーズが、由布院チーズ工房のなっち。できたてのチーズを梅酢に漬け、外側を赤シソで包んであり、中身のつるりとしたおだやかな味わいのチーズと、梅酢の酸味&塩味のバランスが面白い。

上の黄色のチーズは、スペイン・ガリシア地方のケソ・テティージャ。少し苦味が感じられたのは残念だけれど、とろりとした食感とミルキーな味わいが魅力のチーズ。

そして合わせたワインは、ニュージーランド・マールボロのソーヴィニヨン・ブラン「ヴィッラ・マリア」。フレッシュな酸味と、グレープフルーツやレモンゼストのようなわずかな苦味、パッションフルーツのような蜜の甘さを併せ持つ比較的パワフルな白で、試食したチーズの中では、とろりとしたプチ・プレジールや、ミルクの味わいが強いケソ・テティージャとの相性が良かった。

また実際に教室でつくった、まだ少しあたたかいフロマージュ・ブランも、とても柔らかい味わいと食感で、チーズが離乳食や老人食にもなる、ということが良くわかる気がした。

なかなか自分でチーズをつくってみるということは出来ないけれど、せめて食べる時には、そのチーズがどのような環境や条件のもとでつくられたのか、生産者の思いも感じながら食べてみたいと思った今回の講座である。

チーズ講座(欧米・その他の国のチーズ)

2010-06-23 17:23:48 | formaggio (ちーず)

今回は欧米・その他の国のチーズと題して、イギリス・アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドのチーズに関する講義とテイスティング。

まずイギリスのチーズについて、主にチェダーチーズの種類とチェダリングの工程についての説明。またチーズにいろいろな材料を混ぜ込んで造るモダン・ブリティッシュ・チーズなどについて学ぶ。

そしてアメリカ・オーストラリア・ニュージーランドのチーズについては、主にこのようなチーズが造られているという種類の説明。ヨーロッパと違って『チーズ法』がないため、とにかくいろいろとバラエティーに富んだチーズが造られているとのこと。

そしてテイスティングも、はじめは5種類のチェダーチーズの味比べ。

上から時計回りに、弾力があり脂肪分の多いしっとりした組織が特徴のオーストラリアのチェダー、通常より20%脂肪分をカットしてあるという、ミルクの風味が感じられてほろほろしたチェダーならではの組織を持ったニュージーランドのチェダー。チーズマイスターが5年熟成させて造ったというアメリカ産チェダー(ブラック・クリーク)、昔ながらの製法で1年熟成で造られた、アミノ酸の粒状の食感が特徴的なアメリカ産チェダー(フラッグシップ)、イギリスの伝統製法で造られた原産地呼称チーズであるウエストカントリー・ファームハウス・チェダー。こちらはアミノ酸やダシの味わいとともに、少し糠漬けのような発酵の雰囲気が感じられる特徴的なイギリスのチェダー。

続いて皿の左側がオリジナルチーズ2種類のテイスティング。

オレンジ色の粒状のものが激辛のハバネロを混ぜ込んだアメリカのモントレージャック・ハバネロ。チーズ自体は滑らかで口当たりが良いのだけれど、とにかくハバネロの辛味が強い。特に食べたあと徐々に効いてくるピリピリした辛さが独特。

そしてもう一種類が、ブルーベリーを混ぜ込んだイギリスのホワイトスティルトン・ブルーベリー。チーズの方はミルクの味わいと酸味の感じられ、そこにフルーツの酸味と甘みがプラスされてアクセントとなっている。他にもピーチや黒ビールを入れたものなどもあるそうで、どれもモダン・ブリティッシュ・チーズと位置づけられているとのこと。

合わせたワインは、白がシャルドネ100%のセントラルコースト/サイクルズ・グラディエーター。花梨やコンポートのような甘い香りとレモンゼストのようなかすかな苦味をあわせ持った華やかなカリフォルニアのシャルドネ。そして赤がメルロー100%のリザーブ・メルロー/ワイルドハースト。こちらもカリフォルニアらしく、果実味たっぷりでアルコール感の感じられる重口の赤ワイン。

どちらもアメリカのチーズ、特にモントレージャック・ハバネロなど辛味のあるチーズとのバランスが良かった。

今回学んだ地域のチーズというと、イギリスのスティルトンぐらいしか買って食べたことはなかったけれど、こうやった食べ比べてみるといろいろ違いもわかってくる。そのままチーズだけを食べようとすると、まだまだフランスなどのチーズには味の面で及ばないかもしれないけれど、サンドイッチに入れてみたり、パーティーのオードブルなどに入れてみたりといった使い方もできるので、機会があればこういうチーズを材料にして、今までやってみたことのない使い方にもチャレンジしてみたいと思う。

チーズ講座(チーズのリメイク)

2010-06-16 17:13:50 | formaggio (ちーず)
2回のチーズ料理のクラスが終わって、今回はチーズのリメイク。
はじめに、チーズはどのようにアレンジができるのか講義を聞いたあとで、実際に自分たちで加工を体験する。

まずはソフトチーズの中でも、味が優しくて食べやすいブリア・サヴァランを使っての実習。

といっても、ブリア・サヴァランを適当にちぎって手で丸め、それぞれ周りにレーズンのラム酒漬け、粒マスタード、刻んだクルミをまぶしただけの簡単な3種類のオードブル。あっという間に出来るし、味にもバリエーションができるので、ホームパーティーなどに活用できそうなお手軽メニュー。

そして今回のメインは、熟成したホールのカマンベール・ド・ノルマンディーを使って作るカマンベール・ド・カルヴァドス。

こちらは少し手順があり、白カビの表皮をナイフなどで軽くそぎ落とした後、フォークでピケしたカマンベールをカルヴァドスに浸し、たっぷりのパン粉をつけてラップに包み、もともとチーズが入っていた経木の容器に戻してふたをしたものを数日間置いておくという少々本格的なリメイクチーズ。

既に作り置きしてあったものをスライスで試食してみると、カマンベールの熟成の香りにカルヴァドスから湧き上がるアルコールが溶けこんで、正に『アフィネ』の香りと味わい。

少し古くなったカマンベールで作っても美味しくなるらしいけれど、熟成した美味しいカマンベールをわざわざ買ってきて作ってみたくなる一品。

その他にも、最近チーズショップなどで売っているチーズの味噌漬けや、残り物のチーズを刻んでスパイスやドライフルーツと一緒に長い時間発酵させて作るフロマージュ・フォール(見た目も味わいも日本のお味噌そのもので、フランスではパンなどのスプレッドに使われている)など、面白いリメイクチーズを習ったので、これからは多少古いチーズが残っていてもすぐに捨ててしまわずに、リメイクで再活用してみようかと思う。

ちなみに今回合わせたワインは、ロワールのソーヴィニヨン・ブラン主体で作られたシュヴェルニィ。きりっと冷やしてブリア・サヴァランのオードブルといただくと初夏の雰囲気が味わえるさわやかなマリアージュになるので、ぜひ機会があればお試しを。

チーズ講座(デモンストレーション/ソフトタイプのチーズ)

2010-06-10 17:07:34 | formaggio (ちーず)

今週も先週に引き続き、シェフのデモンストレーションとデギュスタシオン(試食)。今回はソフトタイプのチーズを使って料理を作る。

はじめにクロミエと刻んだトリュフ&シブレットを入れて作るオムレット。作り方は混ぜて焼くだけとシンプルだけれど、オムレットの中身がとろとろの状態に焼き上げるのに少しコツがいるかも。味わいは、もちろんトリュフの芳醇な香りとクロミエの少しクセのある白カビチーズが香る、高級感のあるオムレット。コルドン・ブルーで焼いた香ばしい香りのプチ・ブールとの相性も良い。

次にブリア・サヴァランのスライスを載せたグリーンピースのクリーム。これはグリーンピースとタマネギやベーコンを炒めたものをフォンで煮て、熱いままミキサーにかけたものを漉して、生クリームなどを加えて作る濃厚なスープ。サーブする際にスライスしておいたブリア・サヴァランを載せ、溶かしながらいただくのだけれど、チーズの皮の部分だけが溶けずに少し口に残る感じだったので、皮もはずしておくと更にトロトロの食感を味わえて良さそう。それでも味わいは、グリーンピースとタマネギの甘さが口の中に広がって、ブリア・サヴァランのミルクの風味との絶妙なハーモニー。ただかなりのカロリーであることは覚悟しないと…。

そしてカマンベール・ド・ノルマンディーに、シードルとイーストを加えたベニエ生地をからめて油で揚げた、カマンベールのベニエ。ノルマンディー地方風に青リンゴとベビーリーフ類をあえたサラダを添えてある。揚げたてのベニエをほおばると、からりと揚がった衣の中から溶けたカマンベールがとろりと出てきて、普段食べるカマンベールとはまた違った美味しさが感じられる。

今回合わせたワインは、ブルゴーニュのマコン・ヴィラージュ。冷やしてあり、さっぱりしていてワイン自体はとても美味しいのだけれど、今回のお料理はクりーミーで濃厚なものが多かったので、ワインももう少し力強いものが合うような気が。

前回と今回の2回で味わったさまざまなチーズ料理。こんな使い方もあるのかと発見も多かったので、どこかで自分で作る料理に生かして使ってみたいと思う。

チーズ講座(デモンストレーション/シェーブル&フロマージュ・ブラン)

2010-06-03 17:04:08 | formaggio (ちーず)

今回は今までのクラスと違って、コルドン・ブルーのシェフがチーズ料理を作り、それを試食するデモンストレーション。

まずオードブルとして、フロマージュ・ブランを使ったセルヴェル・ド・カニュ。

「絹織物職人の脳みそ」というちょっと変わった名前をもったリヨンの郷土料理で、水気をしっかり切ったフロマージュ・ブランにゼラチンと生クリームを混ぜ、ハーブなどを細かく切ったものを入れる。

仕上げとして、バケットに塗って小タマネギやラディッシュ、シブレットなどを飾って出来上がり。
見た目もきれいなので、パーティーのオードブルなどに良さそう。

次にクロタン・ド・シャヴィニョルをパイ生地で包んで焼き、アンディーブとくるみのサラダを添えたお料理。

さすがにシャヴィニョル1個では大きすぎるということで、上下2枚に切り分けて半分の厚さにしたものを使っている。

これはチーズがまだ柔らかい熱々の状態と、少し冷めて固まってきた時の状態で味わいがかなり違うので、どのような状態を食べてもらうかを考えて準備することが必要かも。

そしてデセールは、やはり水気をしっかり切ったフロマージュ・ブランと生クリームで作ったトゥーレーヌ風のクレメ。

赤い実(フルーツ)に砂糖と水を加えてしばらくあたため、果汁を出したフルーツソースをフルーツと一緒に周りに盛って、チーズの味わいとフルーツの酸味を楽しむデザート。

チーズを使って作った今回の料理&デザート。フレッシュでいただくのとはまた違って、少し手を加えることによって新しい楽しみ方が出来るのがわかったので、できれば近いうちに作ってみたいものである。

チーズ講座(北・中部ヨーロッパ)

2010-05-26 17:24:30 | formaggio (ちーず)
前回でフランス・チーズが終わり、今回は北・中部ヨーロッパのチーズについてのクラス。

具体的には、ドイツ、オーストリア、ベルギー、オランダ、スイスのチーズについての講義があり、そのあとに各国のチーズをテイスティングすることに。

今回、新たな発見だったのは、スイスの代表的なハードチーズであるレティバ。
以前、勉強した時には「エティバ」という名前で習ったのでなぜ今回「レティバ」なのか聞いてみると、もともとの名前が「l'etiva」なので、冠詞をつければ「レティバ」、つけないで呼ぶと「エティバ」なので、基本的にはどちらでも良いとのこと。ただ、現地へ行くと「レティバ」と発音されるので、その名前で覚えておいた方がわかりやすいかも、という答え。今でも、日本では「エティバ」で通っている気がするけれど、なるほどそういうことなのかと納得。

今回のテイスティングでは、それぞれの国のちょっと珍しいものを試食。今までに食べたことのないものが多くて嬉しい~。

まずヨーグルトのように柔らかいため、カップに入れてサーブされたのが、ドイツのチーズでクワルクとクワルクハーブ。プレーンのクワルクは、フランスで言えばフロマージュ・ブラン。ヨーグルトよりはコクがあるけれど、酸味があってさわやかな朝食などに良さそうなチーズ。もちろんベリー系のジャムと合わせても美味しい。そしてハーブの入ったクワルクハーブは、ハーブやオニオンの香りがしっかりと効いていて塩味もかなり強めの味わいなので、ディップなどに使っても良さそう。

そしてペパデューという甘辛いアフリカ産の赤い実につめてあるのが、オーストリアのケーゼ・ペパスイート。それほど辛みは感じないので、スパークリングなどのオードブルにつまむと美味しいかも。そしてバケットにスプレッドしてあるのが、世界一高級なブルーチーズと言われるオーストリアのクラッハー。貴腐ワインのブランド、クラッハー社のベーレン・アウスレーゼをしみこませて熟成させたこのブルー。塩分と貴腐ワインの甘さが絶妙のバランスでかなり濃厚なブルーに仕上がっている。もちろん合わせるのは貴腐かしっかりした赤。香りを逃がさないように、クリーム状の柔らかいものを陶器の容器に入れてあるので、バターナイフなどで練り上げながらパンに塗るのが「正しいいただき方」とのこと。

そのあとのベルギー・チーズは、ブルージュの名前を冠したウォッシュ、フルロン・ド・ブルージュ。卵の黄身のようなきれいな黄色いチーズでむっちりした組織とクセのない味わいが特徴のやさしめのウォッシュ・チーズで、このままスナックなどの代わりに食べるのも美味しそう。

オランダのハードチーズがプレシディアム・チーズとゴーダ・フェルミエ・トリュフ。スローフード協会が認定するプレシディアムは「ゴーダの元祖」とも言われているもので、あまり奇をてらわない「質実剛健」なしっかり造られている印象のチーズ。そしてトリュフがふんだんにちりばめられたゴーダ・フェルミエ・トリュフは、何といってもトリュフの香りが素晴らしい。

最後に出てきたスイス・チーズ2種類も、いただくのは今回が初めて。専用のすりおろし器でトリュフのように薄く削いでサーブされるのが、表皮にガーリック・コショウ・ヒマラヤの塩をまぶして熟成させているベルパークノール。今回はベルパークノール・アルトという熟成したもので、中の無殺菌乳と外側のスパイスや塩分がうまくブレンドされていて絶品!の味わい。すりおろす前の形は小ぶりの球体で、何とその小さなチーズが数千円するという高級品。日本で見かけることはあまりないようで、チーズショップでも入ってくると取り合いになるほどの人気ぶり・・・・とか。そしてやはりスイスのチーズでシロネ。濃い目の茶色い表皮と中身の黄色いチーズのコントラストが、なんとなくカステラのような色合い。組織はパルミジャーノのようなボロっと砕ける感じで、味わいはナッツのような香ばしさが感じられる。ちなみに1ホールが6キロもあるいという大型チーズ。

そして今回合わせたワインは、白がグリューナー・フェルトリーナー/ヘーグル。オーストリアでは普段飲みされているテーブルワインで、すっきりした酸がさわやかな微発泡の白ワイン。赤はドイツ・ファルツのシュペートブルグンダー・トロッケン/フリードリッヒ・ベッカー。軽めの辛口ピノの味わいでこちらもわずかに発泡している。

今回はテイスティングするチーズの種類が多すぎて、ワインとの相性をあまり比べることができなかったけれど、ファルツのシュペートブルグンダー・トロッケンはかなり好みの味わいだったので、また自分でも買ってどんなチーズと合うかマリアージュを試してみたい。


チーズ講座( フランス南部)

2010-05-20 12:15:49 | formaggio (ちーず)

今回のテーマはフランス南部のチーズ。

地方としては、プロヴァンスやローヌ、ラングドック・ルーション、バスク、そしてコルシカ(フランス語ではコルス)などのチーズとワインをテイスティング。

解説で興味深かったのは、ラングドックという名前がLangue d'Oc(オック語)という言葉から来ているということ。今でも学校でオック語を教えているところもあるそうで、まだまだ古い文化が根づいていることにちょっとびっくり。

チーズのテイスティングは、まず最初に羊乳のホエー(乳清)から造る、バスク地方のカイエ・ド・ブルビ。汲み上げ豆腐のような軟らかい食感と、羊乳のほのかな甘みが優しい。

そのあとシェーブルが、ローヌ・アルプで造られるリゴット・ド・コンドリューとピコドンの2種類。

そして栗の葉に包まれたプロヴァンスのバノン、外側にハーブをまぶしたコルスのサヴワール・ドゥ・マキと続いて、最後がオッソ・イラティー・ブルビ・ピレネー。

今日のワインは、白がドラのコンドリュー・ラ・ギャロピーヌと、赤がギガルのクローズ・テルミタージュ。どちらもパワフルなワインだけれど、特にこのコンドリュー、アルコール度数が15%とかなり高く、ハチミツやキンモクセイなど甘い香りがあがってくる。

そして今回のベスト・マリアージュは、なんといってもこのコンドリューと、2007年にフランスで45番目のAOCチーズに認定された、リゴット・ド・コンドリュー。

チーズのとろけるようなミルキーな味わいと、コンドリューの口の中に広がるドライでまったりしたボリューム感がぴったり合って、これだけでワインを長く楽しめるリッチな組合わせ。

他にも、他では見られないコルスのチーズの味わいや、オッソ・イラティーにブラックチェリーのジャムを合わせた食べ方なども教わったので、今度自分でも買って試してみたい。