la mia dolce vita

おべんきょう・ワイン・パン・お菓子・旅・・・などなど

Antonio Tabucchiの世界

2012-03-30 17:40:40 | italiano (いたりあご)

イタリア文学の大御所、アントニオ・タブッキが25日に亡くなった。

購読のクラスでいくつか読んだタブッキの作品にはいつも「自分探し」のテーマが描かれる。

画像のI treni che vanno a Madras(マドラス行きの列車)では、彼の代表作で映画化もされた「インド夜想曲」と同様、主人公がインドを舞台に旅を続けていく。

読み進めるうちに、自分もいつしか旅に引きずり込まれ、己を探していくようなそんな不思議な感覚に陥るタブッキの小説。

もう新しい作品が生み出されないことは残念だけれど、これまでのものを大事にじっくり読んでみたい作家である。

ジャクソン・ポロック展

2012-03-26 17:10:30 | arte (あーと)

アメリカ・ワイオミング州生まれ。カリフォルニアなどを転々としたあとニューヨークに移り、絵の具やペンキをキャンバスにたらして描く「ドリッピング」や「ポアリング」などの技法でアメリカにおける前衛芸術を牽引し、その一方でアルコール依存症をかかえ、飲酒運転による自動車事故で44歳の若さで亡くなったジャクソン・ポロック。

その絵画ははじめ、点や線が絡み合う幾何学模様のようにしか見えないのだけれど、ビデオで彼が絵を完成させていく映像を見ていくうちに、絵画自体が彼の持っている世界のイメージである気がしてくる。

その人生も、画法と同様紆余曲折を重ねて、あっという間に時代を駆け抜けて行ってしまったポロック。

いかにもアメリカの「開拓者」らしい彼の絵に、時間を忘れて入り込んでしまった週末の午後。

夢二と大正モダンの時代

2012-03-22 21:38:24 | arte (あーと)


文京区弥生にある「夢二美術館」で彼の絵やデザイン、また同世代の作家の作品を観た。

彼の描く美人画もおもむきがあり良かったけれど、今回面白かったのが当時の文化や風俗。

日本にとって戦前の良き時代と言われるだけあり、雑誌やファッション、娯楽や文芸など、今の時代と同じように新しい文化が次々と生まれ、それを人々がはぐくみ、楽しんでいたことがよくわかる。

この時代の色使いやデザインなど、今見てもとても勉強になることが多いので、他の美術館にもまた観に行ってみたいと思う。

串揚げとワインのマリアージュ

2012-03-15 17:38:14 | vino (わいん)

B級グルメマリアージュのクラス、今回のテーマは串揚げ。

16種類もの串揚げ(画像にあるのは一部のみ)を泡(シャンパーニュ)、白(オーストラリアのシャルドネ)、そして赤2種類(ブルゴーニュのピノ・ノワールとロワールのカベルネ・フラン)と合わせた。

やはり王道と思えるマリアージュは、シャンパーニュに合わせた海老やイカ、帆立などのシーフード、そしてカマンベールチーズ。玉ねぎやとろろ磯辺巻きなどの野菜系にシャルドネ。ウィンナーやハムカツ、豚肉などの肉系にはピノ・ノワール。

ただカベルネ・フランも案外合うものが多く、しいたけやレンコンなど、材料に香りがあって合わせにくいような素材のものと美味しくいただけた。

新しい発見だったのが、トマトとシャンパーニュ(一般的にトマトの酸がワインと合いにくいと言われるけれど、泡が酸のキツさを消してくれた)、ウィンナーにカベルネ・フラン(それぞれの香りがうまくマッチする感じ)、カニクリームとピノ・ノワール(ふんわりした雰囲気になる)など。

逆に何とも合わせにくかったのがショウガ。どれを飲んでも素材の味と香りが強くてワインの美味しさが隠れてしまって残念。やはりビールで合わせるのが良いのか・・・。

うずらの卵も、黄身特有の食感でワインの味わいが消えてしまってこれも難しそう。どなたか良いマリアージュを見つけたら教えていただきたい。

それにしても16種類の串揚げ。それを素材だけの味で、そのあとにソースをつけて、またそこに辛子をつけて、と3種類で試すだけでもかなりの労力。トータル48種類のマリアージュが終わった頃には、串揚げもワインもその美味しさがよくわからなくなってしまっていた、というのは仕方がないことかもしれない。

ルロワの真骨頂

2012-03-09 19:08:13 | vino (わいん)

ルロワにもメゾン・ルロワ、ドメーヌ・ドメーヌ、そして当主のラルー・ビズ・ルロワ女史が最も思い入れを持って造っているといわれるドメーヌ・ドーヴネの3種類があり、メゾンを除くとあまりの人気のために手に入れるのも難しいといわれるワイン生産者。

今回のクラスの目玉はやはりドーヴネとドメーヌの比較。ドメーヌ・ルロワのクロ・ド・ラ・ロッシュ2001は、つややかでエレガント、愛想のよい雰囲気もあって美しい!の一言。

それに対してドーヴネのボンヌ・マール2000はあまり華やかさはないけれど、タンニンやなめし皮の香りや味わいが出て非常にパワーを感じる1本。

どちらも違った魅力で、世のワイン通をうならせるだけのことはある、という品格。

ちなみにドーヴネにはアリゴテ(白)もあるらしいのだけれど、市場に出ることもまれらしい珍品(?)とのことなので、どこかで見つけたらぜひぜひ飲んでみたいものである。

50/50

2012-03-07 18:22:44 | arte (あーと)

先日観た映画「50/50 フィフティ・フィフティ」。

2本立てで、どちらもガンを扱った映画だったので、観るまではちょっと気が重かったのだけれど、この20代の若者(?)がある日ガンと宣告される映画は、闘病や苦しさというよりも、いかに普通に生活しているかを描いた今までにあまりないタイプの作品。

どちらかというとコメディーなタッチで描かれていて、「普通に」笑える映画になっている。

映画を観たあとも何だかさわやかな気分で、なかなか良い作品。

実は脚本家の実際の話がベースになっているということで、ストーリーも極めて自然な感じが出ている。

大作や話題の映画もいいけれど、たまにはこんな自然な雰囲気の映画も良いかも。