クラウディオ・アバド。
その訃報に接して、ただただ悲しい。
彼がベルリン・フィルハーモニーの指揮者だった頃、どうしてもその音楽が聴きたくて、飛び込みでベルリンフィルのチケットオフィスに行き、幸運にもチケットを手に入れ、あのカラヤンも指揮棒を振ったコンサートホールで聴いたその音は、確かに人間のそれを越えたものがあった。
昨年、ルツェルン祝祭管弦楽団を率いて来日との嬉しいニュースが、結局体調不良で中止になり懸念していたのだけれど、それでもまだどこかで会えるのではないかと思っていた。
今、それがかなわぬこととなり、でもこれであの音がもう変わらないものになったのだと思うと、不思議と静かに彼が残した音楽を聴くことができる気がする。
神の音を教えてくれた偉大な指揮者に、敬意と称賛をおくりたい。