R.I.P. 2015-09-25 13:54:46 | vino (わいん) もとはラテン語のRequiescat in Pace の頭文字を取ったもので、「安らかに眠れ」を表す言葉、とのこと。 ワインを心と身体で愛し、昨日旅立っていった川島なお美さんに、夕べから数多くのワインを愛する人々がこの言葉を捧げている。 健康のこと、治療法のこと…。さまざまな意見はあるだろうけれど、これだけ力いっぱい生きる姿を見せていただき、大きな勇気をいただけたことに感謝のひとこと。 ワインを愛する一人として、私もこの言葉をおくりたい。 Requiescat in Pace
あこがれの・・・アブサン 2013-02-19 00:00:34 | vino (わいん) その昔、数々の作家や画家を虜にしてきたアブサン。 ニガヨモギから作られるこの酒はアルコール度数が非常に高く、またその香味成分に幻覚など向精神作用があるとされ、多くの芸術家が身を滅ぼしたと言われる。 そのため、製造・販売が禁止され、ようやく最近、成分を変えることで再度製造が認可されたといういわくつき。 でもそれだけに、小説のや画家の人生の中に現れるアブサンは魅力的。 その美しい色の描写にも憧れ、いつかどこかで出会うことができれば、とずっと思っていた。 そして先日、知り合いがイベントに持ってきてくれたこの一本。 思っていた通りのエメラルドグリーン。そして誘うようなエキゾチックなボトルのデザインにも惹かれる。 恐る恐る、でもワクワクしながら、ほんのひと舐めさせていただく。 ニガヨモギのすっとした香りと透明な味わい。 思っていたような印象で、何だか子供のころからの夢が一つかなったような気が。 またどこかで、必ず出会ってみたい、そんな酒の一つである。
ワイン検定が終わって 2012-11-29 22:56:19 | vino (わいん) 11月18日(日)にはソムリエ協会が初めて行うワイン検定の講師として、講義を担当してきた。 これまでチーズ検定では何度か教える側に立っているけれど、ワインについてはこれまであくまでも楽しむ側で、人に教えるというのは全く初めて。 しかも今回、講義の中ではワインについての歴史や製造方法などの知識だけではなく、コルクの開け方など実践的な技術も伝える必要があって、どうやったらわかりやすく伝えることができるのかを考えたり練習したりして、ワインへの向き合い方もなんだか少し変わってきたような気も。 これに懲りずに(?)また来年の機会があれば勉強させていただければ、と考えている。
赤ワインの効能? 2012-11-07 17:27:27 | vino (わいん) フランスの科学者、セルジュ・ルノー氏が死去、とのニュースを先日聞いた。 セルジュ・ルノーといってもわからない人が多いと思うけれど、「フレンチ・パラドックス」を提唱した人物といえば、あの赤ワインの話か、と思い浮かぶかもしれない。 1991年、アメリカCBSテレビの番組「60 minutes」に出演し、「フランス人は乳脂肪や肉類の摂取量も多いにもかかわらず、動脈硬化や心臓疾患の死亡率が少ないのは赤ワインを飲んでいるためである」と発言し、「フレンチ・パラドックス」と呼ばれる説を作り上げた人物である。 その後、この説の信憑性については数々の異論も唱えられたけれど、今でも赤ワインに多く含まれるポリフェノールには健康に良い抗酸化作用があるとサプリメントや健康食品に取り入れられているし、それを信じれば適量の赤ワインの摂取はお勧めできるといってもいいのかもしれない。 今、市場にはさまざまな美味しいワインがあるので、ポリフェノールたっぷりの濃厚な赤ワインだけを無理して飲むことはないけれど、きっと身体に良いのだろうな、と思いながら、楽しく赤ワインのグラスを傾けるひと時はやはりいくつかの幸せな瞬間の1つでもあり、少なくとも自分は「フレンチ・パラドックス」を信じて(?)、これからも赤ワインを空けていきたいな、と思っている。
ワイン検定は11月18日(日)開催 2012-10-18 17:51:14 | vino (わいん) 昨日に引き続いてのご案内。 こちらは日本ソムリエ協会主催の「ワイン検定」。 ワイン愛好家やワインについて学びたい初心者の方向けに作られた検定で、第1回の今回は、入門編としてご家庭でワインを楽しく飲んでいただける知識を習得する「ブロンズクラス」のみの開催。(次回以降、その「ブロンズクロス」に合格した方を対象に、レストランでソムリエに相談したり、ワインショップで好みのワインを選んでいくための知識を習得する「シルバークラス」も開講する予定とのこと。) 今までは、ワインエキスパートなどかなり時間を使って勉強してからでないと受けることができなかったワインの試験だけれど、この「ワイン検定」であれば、申込者に送られるテキストを使って検定講師が90分の講義を行い、そのあとすぐに試験を受けていただき半日ですべて終了するという、チーズ検定と同じ方式になっている。 今回、チーズ検定のあと、このワイン検定の講師も務めることとなったので、もしご興味があればこちらもぜひ! 詳細は下記のワイン検定のホームページで。 ワイン検定公式ホームページ http://www.winekentei.com/ 申し込みの締め切りは10月31日(水)。 この検定に関しては、講師に直接連絡をいただくことになっているので、今回検定用に設けた下記のメールアドレスまでご連絡を。 連絡先メールアドレス:buonbevitore@gmail.com 会場名:Cafe Miyama 渋谷公園通り店マイ・スペース
ジュヴレイの偉大な造り手 2012-09-06 18:10:37 | vino (わいん) ブルゴーニュワインは素晴らしいと思いながらも、コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌの違い、そしてそれぞれの村や畑、造り手の特徴など難しくてなかなか覚えられない、と思っていたのだけれど。 この造り手、ドゥニ・モルテは凄い。 あの伝説のアンリ・ジャイエからワイン造りを習い、ジュヴレ・シャンベルタンのスターとなったドゥニ・モルテが、突然猟銃で自殺し、この世を去ったのが2006年。 しかし、若き当主、アルノー・モルテはその逆境にも関わらず、素晴らしいワイン造りを受け継ぎ、偉大な父亡きあともそのワインの味をしっかりと継承している。 今回クラスで飲んだACから村名(ジュヴレ・シャンベルタン)、ヴィエイユ・ヴィーニュ、そして特級のシャンベルタンと、それを飲んでもその滑らかさと力強さの絶妙なバランスに酔わされる。 この貴重なワイン達、ひざまづいてとは言わないけれど、せめて姿勢を正してからしっかり味わうべき大切なワイン達である。
ロマネ・サン・ヴィヴァンの世界 2012-06-05 18:36:14 | vino (わいん) 今回のピノクラスは、ルイ・ラトゥールの所有するロマネ・サン・ヴィヴァンの畑「レ・キャトル・ジュルノー」を垂直試飲。 1989年から1995年、2004年、そして2006年の4本で、古めのヴィンテージが2本、2000年代のヴィンテージが2本と比較しやすいラインナップとなった。 セラーに長く寝かされていた1989年は色はオレンジがかっていながらも、深煎りのコーヒーのような香りやパワフルな旨みがあってとても元気。 対して1995年は、少し熟成がすすんだ雰囲気があってちょっと飲み頃を過ぎたかと思ったけれど、その古酒の味わいの状態がずっと続いて落ちないところがさすがはルイ・ラトゥール。 2004年はさわやかで花や赤い果実の印象があり、これからまだまだ楽しめそう。 2006年はヴィンテージもあってか少し青い印象ながら、タンニンや力強さなどがしっかりあるので、これからのポテンシャルを期待したい1本。 ロマネ・サン・ヴィヴァンというと、どうしてもロマネ・コンティやリシュブール、ラ・ターシュなど有名畑のワインに押されがちの感があるけれど、こうやって飲んでみるとどのヴィンテージにもしっかり力強さが底にあって、新しいものも古いものも楽しめるワイン。 粘土質のしっかりした土壌の力を感じた今回のピノ・テイスティング。
美女の競演 2012-05-16 19:47:05 | vino (わいん) 今回の品種別クラスは、イタリアを代表する黒ぶどうサン・ジョヴェーゼ。 その中での人気の高い「レ・ペルゴール・トルテ」を2種類(1998&2006)、そしてセカンドの「モンテヴェルティーネ」、サードワインの「ピアン・デル・チャンポロ」を合わせて、という豪華なラインナップでのテイスティング。 このうち、モンテヴェルティーネとピアン・デル・チャンポロには、カナイオーロやコリノーロなど別のぶどう品種がブレンドされているけれど、レ・ペルゴール・トルテについてはサンジョヴェーゼが100%使われていて、味わいにもその特徴がよく出ている印象を受けた。 特に前当主の時代に造られた1998年のものは、上質のボルドーのような重厚な雰囲気があり、ただその中にもまだ若さ、きめ細かい酸なども感じられて、まだまだこれから楽しめるワインとのこと。 毎年違う女性の肖像がエチケットになっていることでも知られるレ・ペルゴーレ・トルテ。ヴィンテージをいろいろ集めてみたいとは思うけれど、さすがに1本数万円ではなかなか手が出ないので、こうやってまた時々美女にお会いするのを楽しみにしておこうと思う。
ウルグアイワイン試飲会 2012-04-26 23:12:44 | vino (わいん) 生産者や大使館関係者も交えてのウルグアイワイン試飲会。 白のトロンテスにはじまり、主要品種のタナ種のワインをいくつかテイスティング。 最後は甘口までタナ種のワインでしめて、ほとんどタナ一色の試飲会。 まだまだ知られていないウルグアイワイン。これからチリやアルゼンチンワインのように、日本でも人気が出てくると良いな、と思うところ。
世界の酒とチーズフェスティバル 開幕 2012-04-12 18:44:01 | vino (わいん) またこの季節がやってきた。 年に2回行われる大丸東京店の「世界の酒とチーズフェスティバル」。 毎回、世界各地のワインが出展されるとあって、今回も初日から大変な賑わい。 ほとんど身動きとれないような状況の中で、お目当てのブースでおすすめワインをテイスティング。 いつも会期の後半になると完売してしまう商品も多いので、とりあえず初日にある程度の目星をつけておこうと思ったのだけれど、この勢いではかなり早めに買いに来ないとお目当てのワインを手に入れられないようなので、また近いうちに、今度は「仕入れ」に行くつもり。
串揚げとワインのマリアージュ 2012-03-15 17:38:14 | vino (わいん) B級グルメマリアージュのクラス、今回のテーマは串揚げ。 16種類もの串揚げ(画像にあるのは一部のみ)を泡(シャンパーニュ)、白(オーストラリアのシャルドネ)、そして赤2種類(ブルゴーニュのピノ・ノワールとロワールのカベルネ・フラン)と合わせた。 やはり王道と思えるマリアージュは、シャンパーニュに合わせた海老やイカ、帆立などのシーフード、そしてカマンベールチーズ。玉ねぎやとろろ磯辺巻きなどの野菜系にシャルドネ。ウィンナーやハムカツ、豚肉などの肉系にはピノ・ノワール。 ただカベルネ・フランも案外合うものが多く、しいたけやレンコンなど、材料に香りがあって合わせにくいような素材のものと美味しくいただけた。 新しい発見だったのが、トマトとシャンパーニュ(一般的にトマトの酸がワインと合いにくいと言われるけれど、泡が酸のキツさを消してくれた)、ウィンナーにカベルネ・フラン(それぞれの香りがうまくマッチする感じ)、カニクリームとピノ・ノワール(ふんわりした雰囲気になる)など。 逆に何とも合わせにくかったのがショウガ。どれを飲んでも素材の味と香りが強くてワインの美味しさが隠れてしまって残念。やはりビールで合わせるのが良いのか・・・。 うずらの卵も、黄身特有の食感でワインの味わいが消えてしまってこれも難しそう。どなたか良いマリアージュを見つけたら教えていただきたい。 それにしても16種類の串揚げ。それを素材だけの味で、そのあとにソースをつけて、またそこに辛子をつけて、と3種類で試すだけでもかなりの労力。トータル48種類のマリアージュが終わった頃には、串揚げもワインもその美味しさがよくわからなくなってしまっていた、というのは仕方がないことかもしれない。
ルロワの真骨頂 2012-03-09 19:08:13 | vino (わいん) ルロワにもメゾン・ルロワ、ドメーヌ・ドメーヌ、そして当主のラルー・ビズ・ルロワ女史が最も思い入れを持って造っているといわれるドメーヌ・ドーヴネの3種類があり、メゾンを除くとあまりの人気のために手に入れるのも難しいといわれるワイン生産者。 今回のクラスの目玉はやはりドーヴネとドメーヌの比較。ドメーヌ・ルロワのクロ・ド・ラ・ロッシュ2001は、つややかでエレガント、愛想のよい雰囲気もあって美しい!の一言。 それに対してドーヴネのボンヌ・マール2000はあまり華やかさはないけれど、タンニンやなめし皮の香りや味わいが出て非常にパワーを感じる1本。 どちらも違った魅力で、世のワイン通をうならせるだけのことはある、という品格。 ちなみにドーヴネにはアリゴテ(白)もあるらしいのだけれど、市場に出ることもまれらしい珍品(?)とのことなので、どこかで見つけたらぜひぜひ飲んでみたいものである。
DRCのクローンたち 2012-02-29 18:30:14 | vino (わいん) DRCのクローンたち、と題したピノ・ノワールのクラス。 集まった4本はカリフォルニア・カレラのトップキュヴェ・ジェンセン。オレゴンの・アイリーヴィンヤーズ、ニュージーランドのアタ・ランギ。そしてDRCに苗木を卸しているというフランス・フランシュコンテ地方のヴィニョーブル・ギョーム。 好みとしてはジェンセンとアイリーヴィンヤーズがエレガントな雰囲気で気に入ったけれど、それでもDRCのクローンだから味わいも・・・と言われると、ちょっとどうなのだろう、と首をひねるかも。 ちなみにアタ・ランギは、北島(ニュージーランドでも赤道に近いほうの島)で作られているのでパワーがありすぎて「いかにも新世界の濃いピノノワール」の雰囲気。またヴィニョーブル・ギョームは逆に華奢で線が細くて、冬に飲むとちょっと寒い雰囲気になってしまうかも・・・。 結論としては、いかにDRCのクローンと言えども、育つ場所や造り方によってぶどうも、そしてそのぶどうから造るワインも全く異なったものに仕上がる、ということ。 環境による影響やその大切さを体験できた貴重なDRCクローン対決。
B級グルメマリアージュ: 世界のチーズ 2012-02-22 21:49:44 | vino (わいん) B級グルメマリアージュのクラス、2回目のテーマは世界のチーズ。 チーズはフレッシュのフロマージュ・フレからはじまり、白カビチーズ、青カビチーズ、シェーブル、ウォッシュ、ハード、プロセスチーズに至るまで各種そろえ、ドライフルーツやナッツも加えて8種類のワインとの相性をチェック。 やはり王道としては、青カビチーズに重厚な赤や、フレッシュなチーズにさわやかな白などの組合わせがあがったけれど、シャンパーニュは基本的に何でも合う、とか、プロセスはどんなワインとも相性が良い、など新しい意見も聞くことが出来て良かった。 しかし、さすがに8種類も飲むとだんだん味わいがわからなくなってくるのも事実。 その中でも美味しかったのは、アンリオのブラン・ド・ブランとニコラ・ジョリーのワイン。どちらもさすがの出来である。
アルチュール・バロレ・コレクションに酔う 2012-02-17 17:25:56 | vino (わいん) 先日のピノクラスは、アルチュール・バロレ・コレクションのワインを飲む会。 バロレ家によって造られた秀逸なワインの数々。しかし1969年に2代目が亡くなると、後継者もなくワインもすべて売却。こうして幻となったコレクションは、時々競売で高値で取引されているという。 今回の目玉は1959のポマールと1964のシャルム・シャンベルタン。どちらも約半世紀を経たワインとは思えないほど、まだ若さもポテンシャルも感じられる。 なかなかお目にかかれないワインを堪能させていただいた今回のクラス。 ご注意いただきたいのは、同じ名前で市場に出ている新しいワインは、コレクションを買い取ったネゴシアンが造っているもので、オリジナルとは全く別物。騙されないように。