今回の品種のクラスは、メジャーなぶどう品種ではなくどちらかというとマイナーな印象があるけれど、ある特定の国や地域ではしっかりとその地位を築いているという4種。
具体的には主にカリフォルニアで生産されているジンファンデル、アルゼンチンのマルベック、チリのカルメネール、そして南アフリカのピノ・タージュ。
この4つの赤ワインをグラスに注いでブラインドで飲んでも、確かにそれぞれ特徴的で違いはある、ということはわかっても、どれがどの品種かはあまり良くわからない・・・。
しかしその中で美味しいと感じたのが、カリフォルニア・ソノマで造られているリッジの「リットン・スプリングス」と、チリ・マイポ・ヴァレーのテラマター「アンユージュアル」カルメネール・シラーズ。
どちらも100%ではないけれど、「リットン・スプリングス」にはジンファンデルが74%、「アンユージュアル」にはカルメネールが60%使用されていて、それぞれの特徴が出ている。
リッジは、実は大塚食品が所有するワイナリーで、フランスワインとアメリカワインの対決で有名なパリ対決から30周年の記念テイスティングの白ワイン熟成部門で第1位を取ったという名門のワイナリー。
ヴァラエタル・ワイン(品質を表示するワイン)を造らないため、このリットン・スプリングスにも74%しかジンファンデルを入れていないけれど、やはりジンファンデルの可愛らしい雰囲気とアメリカンオークのバニラのような香り、甘さとスパイシーさが感じられる春らしい1本。
そしてチリのテラマターは、テラ・マターは1996年に創立され、近代的な設備を用いてワインを造りながらも収穫は手摘みで行ない、品質の高いワインを造り上げている新進のワイナリー。
このアンユージュアルには厳選した完熟ぶどうが用いられ、ボルドーの熟成ワインのような力強さと凝縮した果実味がたっぷりの逸品。
普段はあまり飲むことのないジンファンデルとカルメネールだけれど、ぜひ「飲まず嫌い」ではなく一度お試しいただきたい2本である。