la mia dolce vita

おべんきょう・ワイン・パン・お菓子・旅・・・などなど

さまざまな品種を飲み比べて

2011-02-25 17:20:27 | vino (わいん)

今回の品種のクラスは、メジャーなぶどう品種ではなくどちらかというとマイナーな印象があるけれど、ある特定の国や地域ではしっかりとその地位を築いているという4種。

具体的には主にカリフォルニアで生産されているジンファンデル、アルゼンチンのマルベック、チリのカルメネール、そして南アフリカのピノ・タージュ。

この4つの赤ワインをグラスに注いでブラインドで飲んでも、確かにそれぞれ特徴的で違いはある、ということはわかっても、どれがどの品種かはあまり良くわからない・・・。

しかしその中で美味しいと感じたのが、カリフォルニア・ソノマで造られているリッジの「リットン・スプリングス」と、チリ・マイポ・ヴァレーのテラマター「アンユージュアル」カルメネール・シラーズ。

どちらも100%ではないけれど、「リットン・スプリングス」にはジンファンデルが74%、「アンユージュアル」にはカルメネールが60%使用されていて、それぞれの特徴が出ている。

リッジは、実は大塚食品が所有するワイナリーで、フランスワインとアメリカワインの対決で有名なパリ対決から30周年の記念テイスティングの白ワイン熟成部門で第1位を取ったという名門のワイナリー。

ヴァラエタル・ワイン(品質を表示するワイン)を造らないため、このリットン・スプリングスにも74%しかジンファンデルを入れていないけれど、やはりジンファンデルの可愛らしい雰囲気とアメリカンオークのバニラのような香り、甘さとスパイシーさが感じられる春らしい1本。

そしてチリのテラマターは、テラ・マターは1996年に創立され、近代的な設備を用いてワインを造りながらも収穫は手摘みで行ない、品質の高いワインを造り上げている新進のワイナリー。

このアンユージュアルには厳選した完熟ぶどうが用いられ、ボルドーの熟成ワインのような力強さと凝縮した果実味がたっぷりの逸品。

普段はあまり飲むことのないジンファンデルとカルメネールだけれど、ぜひ「飲まず嫌い」ではなく一度お試しいただきたい2本である。

Kenzo Estateのワイン

2011-02-22 17:29:14 | vino (わいん)

百貨店の頒布会でKenzo Estateのブースがあり、2つのプレミアムワインを試飲させていただいた。

日本人がナパ・バレーで所有するワイナリーとして、これまでにもいろいろと評判を聞いていたKenzo Estateのワイン。あのカプコンの会長、辻本憲三氏が自分の名前を冠して作ったワイナリーで、ワインの生産本数も限られており容易に手に入らないカルト・ワインとして知られている。

今回飲んだのは赤がメインブランドのrindo(紫鈴)。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドで造られたボルドースタイルで、タンニンと酸、果実味のバランスが抜群に良く、ノド越しもつるりと入っていくようなキメの細かさが特徴的。

そしてもう一つが、唯一の白ワイン、asatsuyu (あさつゆ)。こちらはソーヴィニヨン・ブラン100%で造られており、赤同様アルコール度数が14度を超えた非常にコクのある濃厚な白。

いずれもプレミアムワインの名の通り、かなりいいお値段なのでどうしようかと迷ったけれど、どうしてももう一度飲んでみたい、という衝動に駆られてハーフながらそれぞれ一本ずつを購入。(通常は決められたセットでしか販売されず、今回は特別に1本ずつでも購入可とのこと。)

せっかくなので料理と一緒にではなく、食後にワインだけでゆっくり楽しむような時に開けてみたい。

お土産としてワイナリーのカタログなどももらい読んでみたけれど、Estate自体もなかなか素晴らしいところのようなので、こちらもいつか訪ねてみたいと思う。

リオハを代表するエグレン家のワイン

2011-02-19 21:49:07 | vino (わいん)

スペインワインにはカジュアルなものからウニコやピングスのように1本数万円のものまであり、何をどう選べば良いか迷ってしまうところだけれど、今回は名醸地リオハを代表するデミニオ・デ・エグレンのワインをテイスティング。

やはり傑出していたのは市場でも人気のヌマンシア2007。100年ほどの樹齢のぶどうの木から取れたテンプラニーリョを使った濃厚で滑らかなワインで、カリフォルニアのガレージワイン系や、メルロー系のボルドーワインなどが好きな方にはたまらないかも。

画像左のCuvee2005は、発酵前の低温侵漬を行っている本格派。まだタンニンが硬くてゴツゴツした印象だけれど、これからの成長が楽しみなポテンシャルを感じる1本。

本当のトップキュヴェ テルマンシアは、樹齢が120年という超ヴィエーニュ・ヴィーニュを使った幻の重厚ワインで、こちらもぜひ一度飲んでみたい。

いずれにしても、テンプラニーリョのワインは凝縮感たっぷりで味わい深いので、いろいろな価格帯のものもぜひ試していただきたいと思う。

ダンテの子孫が造るワイン

2011-02-15 23:21:41 | vino (わいん)

あの「神曲」を書いたイタリアの詩人ダンテ・アリギエーリ。

実は彼は政治的問題でフィレンツェを追放され、放浪の生涯を過ごすが、一時期亡命していたヴェローナ近郊で息子のピエトロが1353年に購入したのが、子孫であるセレーゴ・アリギエーリ家が今も所有するガルガニャーゴ・カザール・ディ・ロンキのぶどう畑。

今回はダンテから数えて21代目のマッシリアさんが来日し、ミニワインセミナーを開いた。

飲んだ5アイテムのうち、4つがヴェネトのワイン。

美味しかったのは、画像右のアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ2004。3ビッキエーリプラス(いわゆる4つ星)を獲得しただけあって、タンニンの重厚さとアマローネの甘い雰囲気でとてもエレガントなワインに仕上がっている。

そして画像左のヴァルポリチェッラ'デッラニヴェルサリオ'2006は記念日という意味があり、セレーゴ・アリギエーリ家がヴァルポリチェッラに来て650年という2003年を記念したワイン。やさしいタンニンが心地よく口当たりも良い。

あのダンテの時代から続くヴァルポリチェッラのワイン。たまには「神曲」の1ページでも読みながら、グラスを傾けてみるのも良いかも。

ドミナス・テイスティングセミナー

2011-02-13 22:20:44 | vino (わいん)

エノテカで行われたカリフォルニア・ドミナスエステートのテイスティングセミナー。

あのクリスチャン・ムエックスが所有するワイナリーで、今回はオテロ(2007)、ヌパヌック(2006)、ドミナス(2005、2001、1994)と5アイテムの試飲。

印象に残ったのはカジュアルラインのオテロ2007とフラッグシップワインであるドミナスの2005。

オテロはクセがなくサラリとした印象で、ただ少し置いておくと徐々に甘い香りが上がってきて、カベルネ・ソーヴィニヨン100%のポテンシャルが良くわかるワイン。

これに対してフラッグシップのドミナスは、若いヴィンテージでも力強くてパワフルなワイン。なかでも少し涼しかった2005ヴィンテージは、引き締まった印象ながら既に飲みやすいまろやかな味わいになっていて、シンプルに焼いた肉などに合わせると美味しそう。

ちなみにドミナス1994になると既に古酒の枯れた印象なので、少し若めで早めに飲み頃を迎えるオフヴィンテージものなどを選ぶと良いものが見つかるかも。

2人のパティシエのコンビロール

2011-02-11 23:36:03 | dolce (おかし)

エスコヤマの小山進シェフとサダハル・アオキという最強(?)コンビが、今回32本のみ限定で作ったのがこのコンビロール。

いつも完売でなかなか手に入らない「小山ロール」を抹茶風味にアレンジして、贅沢にもサダハル・アオキのショコラマカロンを生クリームと一緒に巻いた超レアなロールケーキ。

普段はアルコールを使わないロールにキルシュを塗って、ちょっと大人の味に仕上げてある。

そして小山シェフのデモでは作り方も公開していただき、スイーツファンとしては嬉しい限り。

このコンビロール、時間がたつにつれて中のマカロンがいい具合にクリームに溶け込んで、ふんわり柔らかいロールにぴったり。

まさに2人のパティシエが造り上げる絶妙のコンビネーションである。

サダハル・アオキとシャンパーニュ

2011-02-10 02:21:19 | dolce (おかし)

何度か彼のトークショーやデモンストレーションに参加しているけれど、いつも手にしているのがシャンパーニュ。

セミナーの間もずっとグラスを傾けていて、あれでどうやって酔わずに…と思っていたのだけれど、今回のトークショーで語ったところでは、パリでは空気が乾燥しているのであまり酔わないのだとか。

でも日本では?とつっこみたくもなるけれど、気持ち良く喋っているのだからまぁいいのかな、と思ってみたり…。

今回手にしていたのは、伊勢丹イチオシのRM(小規模生産者)、マリー・ノエルのシャンパーニュ。

伊勢丹で毎年行われているシャンパーニュの祭典、ノエル・ア・ラ・モードにも、ここ数年出店しているので、伊勢丹としてはぜひとも売り込みたいらしい。

あまり出回っていないシャンパーニュだけれど、去年飲んだ時もなかなか美味しかった気がするので、どこかで見つけたら一度試してみていただいても良いかも。

いずれにしても気分良くいろいろと喋ってくれた青木氏のトークショー。

これ以外にも、笑えるシーンや話などあるのだけれど、今年はフランスのガストロノミーガイドブック、ピュドロで最優秀パティシエにも選ばれたということもあるし、その辺はお祝いということでお蔵入りにしておこうと思う…。

パティスリーカナエのマカロンセミナー

2011-02-09 18:04:42 | dolce (おかし)

サロン・デュ・ショコラで楽しみにしていたのが、小林かなえさんのデモンストレーション。

今年は新作の柚子ショコラマカロンのレシピをいただき、作り方のデモと試食を楽しむ。

もう1つのマカロンはカシスのフレーバーで、どちらも果実の風味が効いた素敵な味わい。

デモではマカロンを作る際の細かいコツなども伝授していただいたので、ぜひいつか試してみたい柚子ショコラマカロンのレシピ。

ショコラで描いた富士山

2011-02-08 20:32:24 | dolce (おかし)

富ヶ谷・テオブロマのショコラティエ、土屋公二シェフが描いた、故郷・静岡から見た富士山とのこと。

絵がうまいかへたかの評価は別として、これだけの立体感、そして色彩に富んだ絵がショコラと食紅(?)で描けることにびっくり。

次はどんな作品を披露してくれるのやら…。

噂の「東京焼きマカロンショコラ」とは

2011-02-07 13:13:23 | dolce (おかし)

パティスリー・サダハル・アオキが限定で作る「東京焼きマカロンショコラ」。

抹茶風味の生地につぶ餡と自身のチョコレートマカロンを入れて焼き上げる温かいスイーツ。

尚、作者の青木氏によるとこれは決して「今川焼き」でも「どら焼き」でもなく「東京焼きマカロンショコラ」なのでお間違いのないように!とのこと。

お味は、というと、やはりちょっとつぶ餡の味が勝ってしまっていたかな、という気はするけれど、今年はマカロンをいろいろなものと組み合わせてみよう、という青木氏の新しいアイデアの1つとしては、とても面白いコラボレーション作品になっているのではないかと思う。

Salon du chocolat in Kyoto

2011-02-06 16:47:59 | kyoto (きょうと)

東京での開催が終了し京都にやってきた2011Salon du chocolat。

会場の京都伊勢丹では、東京と同じように、ショコラティエ、パティシエのセミナーやデモンストレーションが行われる。

その京都伊勢丹入り口に飾られているピエスモンテ2つは、水野直己さん(洋菓子店マウンテンのシェフ・パティシエ)の扇を使ったものと、画像の藤田浩司さん(ファブリカ・デ・ヒロのシェフ・パティシエ)が作ったもの。

もちろんすべてチョコレートで作られていて、来店客の目を釘付けにしている

南イタリアの至宝

2011-02-02 17:10:23 | vino (わいん)

南イタリアのワインは濃厚で果実感もたっぷりあり、どちらかというと好きなタイプなので、普段から頻繁に飲んでいるものの一つ。

値段も手軽なものが多くデイリーには使いやすいのだけれど、時々まったり感が強すぎるものがあったり、ジャムっぽい黒い果実の雰囲気が妙に突出してしまったりと、本当に美味しいと思えるものに出会うのはなかなか難しい。

今回、カンパーニア州で昔から栽培されている土着品種、アリアニコに注目したクラスで飲んだのは、品質で言えばカンパーニアで1,2を争う生産者、マストロベラルディーノが造る4種類のワイン。

はじめの2種類は2008と若いヴィンテージでどちらもIGTの「マストロ・ロッソ」と「アリアニコ・カンパーニア・ロッソ」。2つとも若々しくチェリーやイチゴ、スミレなど果実の印象が表に出ている感じ。

そして後半の2種類が画像にあるタウラジ「ラディーチ」。黒いエチケット(ラベル)の方が通常のもので、それでも5年間熟成されてから出荷されるため、この2005が今の現行ヴィンテージ。

そして白いエチケットの方は何と10年寝かせるというタウラジ「ラディーチ」リゼルヴァ。ということで、こちらもこの1999が現行ヴィンテージである。

飲んでみると、どちらもしっかりした旨みと、いい具合に枯れた風味、ドライフラワーやドライフルーツといった熟成を思わせる香りがいっぱいに広がって、とてもエレガントでとろけるような印象のワイン。正直、南イタリアのワインにはこれほどのものは期待していなかったので、この2本の上品な美味しさにはかなり驚いた。

ちなみに、このワインを造っているマストロベラルディーノは、こんな素晴らしいタウラジを造るだけでなく、すでに絶滅したとさえ言われていた土着品種の白ぶどう、フィアーノ種やグレコ種を復活させてDOCG「フィアノ・ディ・アヴェッリーノ」や「グレコ・ディ・トゥーフォ」を造り、またポンペイの遺跡内から見つかったぶどうの根を解析してつきとめられたシャシノーゾ種などを使って、当時の醸造方法に従って「ヴィッラ・デイ・ミステリ」なるワインを造ったりと、この地方のワイン産業に多大な貢献をしている造り手で、それにより1994年にはカヴァリエーレ・デル・ラヴォーロ(Cavaliere del Lavoro=功労の騎士)の称号も授与されている。

他にあまり大きな産業を持たないこの地方にとって、イタリア全土そして世界からも注目される数少ないワイナリー。そんな造り手が時間をかけてじっくり造ったこのタウラジは、ゆっくり大事に飲んでみたいカンパーニアの秀逸ワインである。