今期最後のピノクラスは、おまちかねの特級5本の比較試飲。
はじめの3本はすべて2006で、フレデリック・エスモナンの
マジ・シャンベルタン、アンブロワーズのクロ・ヴージョ、
モンティーユのコルトン・レ・プージェーヌと
コート・ドールでも人気の造り手によるグラン・クリュは
味わいはそれぞれ違うものの、どれもきれいな造りで美味しい。
しかし、やはり群を抜いていたのは
そのあとに出されたグロ・フレールのエシェゾー(2005)
とDRCリシュブール(1999)。
両方とも黒い果実を思わせる深い色合いで
グラスから上がってくる香りもとても華やか。
もちろんヴィンテージが違うこともあるけれど、
グロ・フレールのエシェゾーは口に含むだけで
果実味とスパイスの香りが広がり、そのうちに
甘い花の香りが感じられるパワフルで魅力的なワイン。
そしてやはり、なんといってもため息が出るほどの
格の違いを感じさせるのが、DRCのリシュブール。
ブラインドで飲んでも、その完璧なほどのバランスの良さと
複雑味に、ただ感動するのみ・・・。
このDRCリシュブール、1999という
最高とも言われたヴィンテージのものは
今では1本数十万するそうで、また飲む機会が
巡ってくるのかどうかは疑問?であるけれど、
こんな甘美な時を味わうことができて、
とても幸せなグラン・クリュ比べの夕べである。