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la mia dolce vita

おべんきょう・ワイン・パン・お菓子・旅・・・などなど

久しぶりの沖縄へ

2009-12-02 15:46:11 | viaggio (たび)
思い立って、先週末は沖縄へ。
全国的に寒かった週末を、暖かな那覇で過ごす。

以前行った時もちょうど同じぐらいの時期だったのだけれど、
あいにく台風が来ていて、覚えていたのは
強風の国際通りぐらい・・・。

今回は良いお天気が続くとの予報だったので、
初めて訪れる首里城、伝統的な沖縄料理の店など
存分に沖縄を楽しむ。

画像は、「沖縄すたいる」のカフェで飲んだ
ぶくぶくコーヒーと月桃カップチーノ。
月桃とは沖縄でハーブや香料としてよく使われる
ショウガ科の植物で、草の香りが心地よい。

この他にも、八重山諸島や石垣島に自生する
刺激的な香りのコショウ「ヒバーチ」を入れた
ヒバーチコーヒーなど、普段なかなかお目にかかれない
珍しいコーヒーを堪能。 沖縄食文化の奥の深さに
触れた思いである。

高野山へ

2009-11-05 01:21:48 | viaggio (たび)

京都を超え、今回は和歌山・高野山へ。

弘法大師・空海が真言密教の修行道場を開いてから約1200年、
今も多くの参拝者がこの仏教の聖地を目指す。

日本中が寒冷前線にすっぽりと覆われた先週末、
朝から底冷えする京都を出発し、
南海電鉄・ケーブルカーと乗り継いで
高野山口駅に到着する。

小雨も降り始め、凍えるような寒さの中、
バスで奥の院に到着する頃には、今にも雪になりそうな雲行き。

参道には戦国時代の大名家の墓から企業の供養塔まで、
数え切れないほどの墓や塔が立ち並び、高野山信仰の長い歴史を感じさせる。

ようやく奥の院に辿り着き、今も弘法大師が見守るという御廟所に参詣。
心を清めたところで、いよいよ総本山金剛峯寺へ。

境内へと上がっていくと、金剛峯寺の建物で最も古いとされる
正門の前は鮮やかな紅葉。山の紅葉の美しさにしばし目を奪われる。

寺に入り、数々の広間や日本最大と言われる石庭・蟠龍庭などを見てまわる。

身体も冷え切ってきたところで、169畳の大広間ともなる接待所・新別殿で休憩。
お茶とお菓子をいただきながら僧侶の法話を聞く。

日帰りと駆け足だったので、本当に主な場所しか訪れることができなかったけれど、
久しぶりに姿勢を正し、心の平静を取り戻すことができたような
すがすがしい一日であった。

名古屋へ

2009-10-22 00:08:41 | viaggio (たび)

先週末は所用で名古屋へ。

普段、新幹線でもほとんど降りることのない名古屋。
せっかくなので、空いた時間を利用して名古屋城に行ってみた。

チケットを買って東門から中に入る。
さてどこをどうやって回ろうかと思っていると、
ちょうどボランティアの観光ガイドの方が
無料の見学ツアーに出発するところで、
所要時間も1時間ぐらいとちょうど良いので
ガイドさんについて名古屋城めぐりへ。

庭園のある二の丸エリアから本丸エリアに入り、
現在復元中の本丸御殿の工事現場の横を抜けて、
小天守閣、そして金シャチが輝く天守閣へと入る。

今は鉄筋コンクリートのこの天守閣。
エレベーターで一気に上まで上れる構造で
昔の面影はないけれど、焼失前にきちんと計測していたので、
大きさは元の天守閣と変わらず建てられているとのこと。

中には、階ごとに、名古屋城の歴史や
戦国-江戸時代のさまざまな展示があって興味深い。

もちろん、有名な金の鯱(シャチホコ)についても
原寸大のレプリカや、使われた金の量を示す
大量の小判の展示などがあって、さすがは名古屋のシンボル、である。

本丸御殿も2017年に完成する予定なので、
その時にはぜひ名古屋をまた訪れてください、と
観光ガイドの方に言われ、ぜひまた来てみようと思う。

ちょうど、日中韓大臣会合で名古屋を訪れていた
前原国土交通大臣の姿も見られたし、
なかなかに楽しい、プチ名古屋観光。

小籠包@台北

2009-10-16 01:27:49 | viaggio (たび)

夏に中国を訪れ、今度はぜひ台湾と思っていたので、
連休は迷わず台北への旅に出かける。

初めて訪れたので、ひと通り観光名所を周り、
夕食は、日本をはじめ世界にも支店を多く持つ
点心・鼎泰豐(ディンタイフォン)へ。

さすがに人気の店だけあって、
夕方かなり早い時間に行ったにもかかわらず、
店は既に満席。店の外に並んで席が空くのを待つ。

しばらくして席が空き、2階のテーブルへと
案内される。明るい店内には、地元の人と
日本人観光客が半々ぐらいで、小籠包など
さまざまな点心を楽しんでいる。

テーブルには、日本語で書かれた
「小籠包の食べ方」なる紙も置かれていて、
どのように食べるのかが詳しく書かれている。

今回はコースということで、前菜とスープに続いて、
いよいよ点心が運ばれてくる。

まずは小籠包。ショウガを入れた黒酢&醤油に
つけて食べると、中からはじゅわっと熱いスープが
たっぷり出てきて、さすがは名店の小籠包。

そのあとも次々に点心が運ばれてくるが、
どれもジューシーな具と皮のバランスが
絶妙で美味しい!

かなりの種類の点心を平らげ、
大満足で店を出る。

もちろん日本をはじめ、台湾以外のお店で
食べるのも美味しいけれど、
やはり台湾語の飛び交う店内で、
小籠包の熱いスープをすするのは格別!

もう一度、台北を訪れたら
ぜひまた足を運びたい店の一つである。

鼎泰豊(本店)
住所 台北市信義路二段194号
電話番号 (02)2321-8927、(02)2321-8928
営業時間 月曜~金曜10:00~21:00
土日、祝日09:00~21:00(本店)
休業日 年中無休



昨日、帰国

2009-10-13 01:17:08 | viaggio (たび)

連休をフルに使って海外へ。
なかなか素敵な美味しい旅だったけれど、
その報告はまた後ほど。

画像は帰りの飛行機から撮ったもの。
左後方に見えるのは、
雲から突き出した富士山。

飛行機からしか見えない贅沢な景色に
思わずシャッターを押したもの。

葡萄美酒夜光杯~

2009-08-17 01:09:55 | viaggio (たび)

中国で訪れた酒泉で手に入れた夜光杯。
祁連(きれん)山脈から切り出した石を
丁寧に研磨して薄く仕上げたこの杯。
月明かりに光を放つところから
夜光杯と呼ばれる。

この夜光杯については、
唐代の詩人、王翰が
漢詩「涼州詞」の中で詠んでいる。

葡萄美酒夜光杯 欲飲琵琶馬上催 
酔臥沙場君莫笑 古来征戦幾人回

<夜光杯に注がれた葡萄の美酒を飲もうとすると、
馬上で琵琶の音が聞こえてくる。
たとえ砂上に酔い臥しても、
どうか笑わないでほしい。
昔から、戦場から無事に故郷に帰れた者は
数少ないのだから。>

昔から、広大な国土でさまざまな小国が
領土を争って戦いを繰り広げてきた
中国の歴史を垣間見るような思い。

材料の石に含まれる鉄分から、
この杯で酒を飲むと鉄分を一緒に
摂ることができるという説明は
本当かどうかよくわからないけれど、
昔と同じように、夜光の杯に
葡萄の美酒を注いで飲んでみると、
いつもの味わいが、どことなくまろやかに、
そして深みをもって感じられるのは
この杯のせいなのかどうか。

月の「鳴沙山」をはるばると

2009-08-12 22:29:30 | viaggio (たび)

敦煌郊外に広がる鳴沙山。

風が吹くと砂が鳴るところから鳴沙山と言われる
この一面の「砂漠」。

しかし、現地ガイドの方によると
決してこれは「砂漠」ではなく「ゴビ」、
つまり砂だけではなく、岩や石も混じった
荒野の一部であるとのこと。

この鳴沙山に行くと観光用のラクダの群れが
待っていて、数百メートルの道を
ラクダの背に揺られて「月の砂漠」気分を
味わうことができる。

このcamel ridingはなかなか快適で楽しかったけれど、
そのあと、この砂地を自分の足で歩いてみて驚いた。

とにかく足がとられて前に進まない。
底なし沼かアリ地獄のように、
もがけばもがくほど足が砂地に埋もれていく。

人のかけたハシゴをたどって
ようやく三日月形のオアシス、
月牙泉が見える高い場所までたどり着いたものの、
古の人々がシルクロードを渡って行った時のことを
考えると、何とも恐れ入る気分にさせられる
「ゴビ」の体験であった。

秦の始皇帝 兵馬俑

2009-08-10 16:51:52 | viaggio (たび)

西安からバスで秦始皇帝兵馬俑へ。
正式には秦始皇帝兵馬俑博物館というけれど、
実際には、現在も発掘が続けられている
ドーム状のこの兵馬俑。

現在までに3つの坑が発見されており、
約8000体もの兵馬の俑(副葬品として
埋められた人形)が立ち並ぶ。
その表情はどれ1つとして同じものはなく、
この像を作った人の顔を真似て
作ったのでは、という話もある。

体育館のような巨大な空間を回り、
この「20世紀最大の発見」とも言われる
無数の像たちを見ていると、
始皇帝時代の秦の軍隊がいかに強大で
あったかと、ひたすら驚くのみ。

博物館には、1974年に実際にこの兵馬俑を
井戸掘り中に偶然発見したという
老人もいて、観光客の買うガイドブック
1冊1冊にサインをしていた。

2200年も昔の秦時代の様子が、
現代にリアルな姿で現れたこの兵馬俑。

中国の遥かな歴史を知るためにも
ぜひ見ておきたい貴重な文化遺産である。

中国より帰国!

2009-08-06 16:00:16 | viaggio (たび)

ずっと行ってみたかった敦煌・莫高窟を
はじめとするシルクロードの旅。

夏休みを利用して行こうと計画していたところ、
ウィグル地区の暴動が発生して
ウルムチ・トルファンなどへの訪問は断念…。

西安から敦煌へ飛び、河西回廊を東へ進み、
酒泉、張掖、武威、蘭州と周り、
最後に上海に寄って帰国するという
”半”シルクロード横断の旅に変更し
夕べ、その行程を終えて帰国したところ。

照りつける日差しや砂漠の砂ぼこりは
かなり苦しかったけれども、
画像の莫高窟をはじめ、すばらしい文化遺産や
自然の雄大さを目の当たりにし、
大いに命の洗濯をさせていただいた気分。

それぞれの都市や遺跡の魅力や
堪能した料理、ワインなどについては
また少しずつアップしていくので
お楽しみにしていただきたい。

本場の広東料理に酔う

2008-12-26 14:01:34 | viaggio (たび)

つい数週間前に発売になった「ミシュランガイド 香港・マカオ」。

初めてのミシュランで星を獲得したレストランは、
香港とマカオを合わせて3つ星が2軒、2つ星が8軒、
そして1つ星が18軒。

せっかくなので、滞在中に星つきレストランを1軒は訪ねてみようと
事前にWebなどでいろいろ調べていたけれど、
どうも3つ星は予約も難しそうな様子だったので、
滞在する九龍で2つ星を取った、ランガムホテルの「唐閣」
(T'ang Court)
に行ってみることに。

DFSやショッピングセンターなどで賑わう一角にあるランガムホテル。
しかしホテル内に入ると、落ち着いてゆったりした雰囲気。
ラウンジでのアフタヌーンティーもいただいてみたかったけれど
時間もないので今回はあきらめて、お目当ての「唐閣」へ。

やはり美味しいと地元の人にも有名な店とあって、
かなり予約が混み合っていたようだったけれど、
早い時間ならば、と何とか予約を入れてもらい、
夕方、さっそく店へと出向いた。

席に案内され、メニューを見せてもらう。
これまでに賞を取った名物料理など、
さまざまなメニューが並んでいるけれど、
何をどう合わせると美味しくいただけるかわからなかったので、
今回は初めてということもあってコースメニューを頼むことに。

合わせるのは、ニュージーランド・マルボロのソーヴィニヨン・ブラン。
いただいてみると、フルーティーさと樽の香りがうまく溶け合って
とても美味しい!広東料理とどんなマリアージュを見せてくれるのか
楽しみにしながら料理を待つ。

そして料理が運ばれてくる。
コース自体はかなりリーズナブルということもあって
高級素材をたっぷり使った料理ではないけれど、
食べてみて驚いたのは、それぞれの素材の味がしっかり味わえること。

中華では調味料やソースで食材の本来の味が消えてしまうことが
多いのだけれど、この店の料理はどれも素材から取ったスープや
エキスの香りが口の中に広がり、料理の中に複雑な味わいを与えている。
正直、これほど塩分の少ない中華料理は初めて味わったけれど、
冷やしたソーヴィニヨン・ブランとも絶妙のバランスで
本当に満足できる料理の数々だった。

店内は、家族で食事をする地元の人でまたたく間に席がうまり、
彼等の注文するさまざまな料理を、きびきびと働くフロアのスタッフが
次々にサービスしていく。そのサービスも決して邪魔にはならず
見ていてとても気持ちがいい。

料理もサービスも味わえる、地元の人おすすめの広東料理。
ぜひ次回はアラカルトで、名物料理を食べてみたいと思う。

イルミネーション in 香港

2008-12-25 23:35:54 | viaggio (たび)

以前に見た香港のクリスマス・イルミネーションがまた見たくなって
クリスマス直前の香港へ。

行く前は、金融危機の影響やインフルエンザへの不安など
心配がいろいろあって、行くのをどうしようかとも思ったのだけれど、
久しぶりに訪れた香港は、本当に元気!だった。

人も街も活気にあふれ、いろいろな不安もあるけれど、
とにかく前向きに歩いているそのパワーに圧倒され、
熱いエネルギーをいっぱいもらって帰ってくることができた。

クリスマスのイルミネーションも相変わらず美しい。
海岸沿いに広がるネオンにいつまでもひたっていたくなるような
夢のようなHoliday in Hong Kong。

帰ってきたばかりなのに、また行ってみたくなる
不思議な魅力にあふれた街。

せっかくなので、と堪能してきたお料理については
また次回、報告することに。
今日12月25日は是非、香港の人々にもMerry Christmas!


フランスだより/パリ - Au Lapin Agileの夜

2008-10-09 01:46:59 | viaggio (たび)

ブルゴーニュからパリに戻り、以前から一度行きたかった
モンマルトルのシャンソニエ、「Au Lapin Agile」を訪れる。

モンマルトルへ行った際に外から覗いたことはあるけれど、
夜9時からの営業ということでいつも人の気配もなくひっそりしていた。

今回は絶対にシャンソンを聴いてこようと思っていたので、
夕食を済ませて9時少し前に店の前に到着する。

既に何人もの客がドアの開くのを待っているが、
店は準備中のようで9時を過ぎてもドアはなかなか開かない。

9時20分頃になってようやく店が開き、待っていた客達が中に通される。

老舗のシャンソニエらしく、昔ながらの木造りの店内には
誰がいつごろ描いたものか、シャンソニエゆかりの人々と思しき絵が
ところ狭しと飾られている。

スタッフが客を順番に席につけ、グラスに入ったオー・ド・ヴィーを配る。
席がほぼ埋まりかけた頃、ピアニストが入ってきて演奏が始まる。

真ん中の机に歌い手達が座り、客と同じようにグラスを傾けながら
思い思いに歌い始める。

ほとんどが知らないシャンソンだけれど、フランス人の客達には
おなじみの曲のようで、一緒に口ずさみながら歌を楽しんでいる。

いつのまにかこちらにもその雰囲気が伝わり、
何となく懐かしい場所に戻ってきたような気分になって、
メロディーを口ずさみながら手拍子を返す。

歌い手が次々に入れ替わり、曲の合間に新しく入ってくる客で
店の中もだんだん混雑しはじめ、熱気がこもってくる。

このままエンドまで付きあいたいところだけれど、
残念ながら今日はメトロで帰ろうと思っていたので、
時間を見計らって後ろ髪を引かれる思いで席を立つ。

出口までくると、既にいっぱいになっていた席があくのを
大勢の人が列をなして待っている。
次の人に席を譲ることができて良かった、と少しほっとして店を出る。

これまでに大勢の人が歌い、その歌を聴きに集まってきたであろう
この店で聴くシャンソンに、次回はぜひ、最後まで付き合おうと思いつつ、
モンマルトルの街をあとにした。



フランスだより/ブルゴーニュへ

2008-10-08 21:55:25 | viaggio (たび)


シャンパーニュ地方からパリに戻り、1日パリで過ごしたあと、ブルゴーニュのボーヌへ。

こちらも数件のアポを取っていたので、ワイナリーを回って
さまざまなおいしいブルゴーニュ・ワインをテイスティングさせていただく。

中でも樽から飲ませていただいた2007の熟成中のワインは、
これから瓶詰めされ、ワインとなってまた出会うのが楽しみになる
すばらしいポテンシャルのものばかり。リリースされるのを
今から首を長くして待ちたいと思う。

今回は、収穫前のぶどうが見られる時期に訪れたので、
せっかくなら、あのロマネ・コンティのぶどうも見ておこうと、
畑を訪れるツアーにも参加してみた。

有名な十字架が立つロマネ・コンティの畑には、
「訪問される方がたくさんいらっしゃるのはよくわかりますが、
決して畑には入らないでください」の看板が。

しかし、だからといって特に見張っている人がいるわけでもなく、
高い柵や鉄条網があるわけでもなく、
訪問者のモラルを信じてのことなのか、
やがて世界屈指のワインとなるぶどうは、
誰もいない畑でただゆっくり収穫の時を待っている。

ぜひここを訪れる人々が、美しいぶどう畑を目で味わい、
決して傷つけることのないよう祈るばかりである。


フランスだより/モエ・エ・シャンドンでグラン・ヴィンテージを

2008-10-03 18:27:54 | viaggio (たび)

エペルネへ戻り、シャンパーニュ大通りにあるモエ・エ・シャンドンへ。
あの、有名なドン・ペリニヨン神父の銅像が迎えてくれるりっぱなメゾンのビルに入り、
ヴィンテージ・シャンパーニュが試飲できるプレスティージュ・チケットを購入する。

ガイドの方の案内で、他の見学者と一緒にカーヴ内を回るが、
その規模(全長28km)と膨大な数の熟成中のボトル、
そして「Brut Imperial」の名前の由来となった
ナポレオンとモエ・エ・シャンドンとの歴史的なつながり、など
さすがに最大のシャンパーニュ生産者の一つに数えられる『老舗』のメゾン。

瓶詰めされ、カーヴ内で山積みされているシャンパーニュの中で、
ある一区画の山についてガイドの方から説明があった。
「これは次の時代の熟成担当者に残すため、つまりモエ・エ・シャンドンの
シャンパーニュを語り継いでいくために大切に保管しているのです」
つまり、モエ・エ・シャンドンのシャンパーニュが前の世代から現代へ、
そしてそれが未来へと受け継がれていくタイムカプセルのようなものであり、
これはもう、歴史的文化遺産と呼べるのかもしれない。

ツアーを終えてテイスティングのため、サロンに向かう。
この日、テイスティングに出てきたのはグラン・ヴィンテージ2000と
同じグラン・ヴィンテージ2000のロゼ。

モエ・エ・シャンドンの方針でもあるという、
シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエのバランスを大切にしたシャンパーニュは、
ミネラルやナッツ、またロゼにはラズベリーやピンクペパーなど
特有の香りを持ちながら、その絶妙のバランスによって、
どちらもリッチでふくよかな厚みを感じる味わい。
パーティーや華やかな席がぴったり合うような、豪華な雰囲気がただよう。

テイスティングを終え、エントランス・ホールに飾られたフルートグラスのタワーや
やはりグラスで作られたシャンデリアもしっかり拝ませていただき、
帰りには、敷地内のドン・ペリニヨン神父の銅像にもう一度挨拶をして、
モエ・エ・シャンドンをあとにした。


フランスだより/シャンパーニュ・タルランへ

2008-09-30 13:47:42 | viaggio (たび)

まず、今回訪れたのが、シャンパーニュ。
エペルネまで列車で行き、そこからタクシーに乗ってウィー村へと向かう。

ぶどう畑と農家が点在する風景の中に、お目当てのシャンパーニュ・メゾン「Tarlant」がある。

「Tarlant」の看板と、その周りにきれいに手入れされたお花畑に迎えられて、
まずはメゾンのサロンへ。
約束の旨を伝えてマダムに取り次いでもらう。

やがて、奥からマダム・ミシュリーヌさんが姿を見せた。
飾らない感じの、いかにもワイン生産者のマダム、という風情のミシュリーヌさんに
メゾンを案内してもらいながら、英語と、そして時々、フランス語を駆使し、
シャンパーニュの製法やテロワール、タルランのシャンパーニュの特徴などについて
いろいろ話を聞かせてもらう。

ちょうど収穫直前ということで、メゾン内の皆も忙しく作業をしている。
日本から来て数年という方も醸造の作業に加わっていて、何だか少し嬉しい気分に!

それから、メゾンの向かいにある、マダムが言うところの「実験用」の
小さな畑を見せてもらう。
シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエがいく畝かずつ植えられていて、
ここでぶどうの状態や生育具合などをチェックするのだという。
もうすぐ収穫の時期を迎えるぶどうは、どれも色鮮やかに実っていて、
今からこのぶどうで造られるシャンパーニュの味わいが想像できるような、
そんな楽しい気分になる。

その後、サロンに戻ってシャンパーニュのテイスティング。

マダムがセレクトしたラインナップは次の通り。

Brut Zéro
Rose Zéro
Prestige 1997
Cuvée Louis
La Vigne d'Antan

スタンダード・キュベからのブリュット・ゼロは、
シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエを1/3ずつ使ったバランスの良い辛口。

同じドザージュ・ゼロ(補糖なし)ながら、シャルドネがメインでピノ・ノワールを加えたロゼ・ゼロは、
美しい夕焼け色の辛口ロゼ。

どちらも、酸が強すぎることもなく、
バランスがとれてすっきりと心地のよい飲み口。

これに対してミレジメのプレスティージュ1997は、
フレッシュな味わいの中に香ばしい香りも感じられる存在感のある1本。

そして最後にテイスティングさせてもらった、キュヴェ・ルイ、ラ・ヴィーニュ・ダンタンの二つは、
さすがにトップ・キュヴェであり、タルランを代表するシャンパーニュといえるすばらしい出来で、
レコルタン・マニピュランの真髄を思い知らされるようなシャンパーニュであった。

今回の旅では、他にも幾つかのシャンパーニュ・メゾンを訪ねる予定ではあったのだけれど、
このタルランで、ぶどうの、そしてシャンパーニュの魅力にすっかりはまってしまい、
その後の10日間を夢のような思いで過ごせるようになったことを、
タルランの方々、そしてそのシャンパーニュには心から感謝したいと思う。