甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

汽水空港から米子の町へ 誰かを探してたんだろうな

2022年09月07日 22時04分56秒 | 古本探しの旅

 この夏、山陰を少しだけ旅してきたわけですが、特にこれという目的はなかったんです。

 天橋立に行きたい。餘部鉄橋があったところに行きたい。鳥取砂丘にも行きたい。大山も見たい。鳥取はワインの産地でもあるので、ワイナリーにも行きたい。地ビールに出会えたら、それも飲んでみたい。出雲大社もお参りしたい。

 そんな漠然とした思いと、古本屋を見つけたら入りたい。とりあえず、ツイッターをフォローしているのは、鳥取のまん中、東郷湖のほとりの、汽水空港というお店ものぞいてみたい。あれ、そういうけれど、お休みとか確認したっけ? いや、してないけど、行けば何とかなるだろう。

 餘部鉄橋のあったところから、何度か道に迷い、工事中のところがあったり、土砂崩れをしていたり、鳥取砂丘にほぼ四十年ぶりに来たのに、「ああ、もう暑いから帰ろう」と思ったり、気ままに走って、とうとう倉吉の手前まで来たのです。

 町内に入り、グルグルまわり、湖のそばだというので、それらしいところを走り、写真で見たところを探し、道の駅で何か情報がないか聞いてみたり、もっとも簡単なのは、住所を調べてカーナビに打ち込めば、見つかったはずなのに、それもしないし、だったら、スマホで検索すればいいじゃないの、というのもしませんでした。

 カンで見つけたかったんです、たぶん。



 二度素通りした道のそばに、やっと写真で見かけた古本屋さんの「汽水空港」を発見しました。

 クルマを止めるところもわからないから、とりあえず、隣の空地にとめてみました。あとで聞くところによると、隣の空地には止めてはいけないということでしたが、必死だったので、止めてしまった。

 ビクビクしながら、ドアまでたどり着くと、なんとお休みということでした。はるばる来たけれど、お休みだったとは! 何というめぐりあわせの悪さというのか、縁がなかったというのか。せっかく探し当てたのに!

 仕方がなくて、そのまま倉吉の町をめざしました。そう、お店の中で電気がついてた気がしたんだけど、お休みであるのを無理やり開けさせるわけにはいかないし、仕方がなかったんでした。


 倉吉の町では、おそばをいただいたんでした。ここは三回目で、またいつか、四回目も行けるのなら行きたかったところ、それから……

 皆生温泉のそばのブックオフで本を買ったんでしたね。永六輔さんの本と五月女ケイ子さんの本を買いました。二冊とも、あと少しで読み終わりそうです。


 その夜は、米子に泊まることになっていて、ホテルは、インターネットができないところで、これまた私のチェックミスで、そんなことなら他のところにしたのに、細かいところまで見なかったのかもしれません。

 でも、このホテルのそばに杉島書店という本屋さんがあって、私が米子の町の住人なら、しょっちゅう行きたいような本屋さんで、中でお食事もインターネットもできるということでした。

 だったら、ここでお食事もしたらよかったのに、それをしないで、とりあえず他のところでゴハン食べて、少し酔ったところで再び訪ねてみて、米子の町家のガイドの本を買い、ネットもしないし、コーヒーも飲まないで、ホテルに帰りましたけど、本の旅としては成功ではないかもしれない、どちらかというと一勝一敗一引き分けみたいな感じでした。

 でも、この杉島書店のおかげで、すべては帳消しでものすごいオツリをもらった感じになりました。何だかとてもさやわかで、ここで私も生きていきたい、何なら移住してもいい、それくらいに思える、町の希望の本屋さんを見つけた気がしたんです。


 本屋さんだから、夜遅くまでとか、朝早くとか、そういう営業はしていないようで、10時くらいから夜の初めまでなんだと思われます。

 でも、こんな、本を読みながらとか、ここでの時間をゆったりしながらとか、誰かと待ち合わせしながらとか、そういうこと、私はしたことはないですけど、そういう自分をイメージできるような、ステキなお店でした。駅付近に用事があって、奥さんが用事が済むまでここで待ってみるとか、できそうな気がするけど、私は米子に住んでるわけではなかったんでした。

 本屋さんを目的に全国を旅している人っていると思うんですけど、そういう人たちも一目置く、何となく行きたいお店、私の米子の町の印象は、このお店一つでものすごく高くなりました。倉吉の町も好きでしたが、米子も大好きになりました。

 本屋さんがしっかりと町の中で生きている町、そういう町に私は住みたい。残念ながら、私の実家の大阪も、私が今住んでいる松阪も、本屋さんが町の中でしっかりと存在しているとは言えなくなりました。

 だから、私は今住んでいる町の中でひとりぼっちな感じです。古本屋さんもチェーン店しかなくて、ビジネスとしての本屋さんみたいです。だから、私は本屋さんを目的に伊勢に行かなくてはならないのです。津市にも古本屋さんはないみたいです。町の大事な機能を失ってしまっているんです。

 本って、生活にはすぐにはつながらないけど、なくてはならないものだと思うし、いつか私も、本作りもしたいんですけど、夢ばかり追いかけてるのかな……。

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