La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

不動産売買契約(手付)

2023年09月17日 | ユカタン諸々

【売買契約に関する説明じゃありません。そういうのは(海外では特に)きちんとした専門家に尋ねることをお勧めします。】

えー、少し前に家が売れたと書いたが、なんとか仮契約までたどり着いた。正確には日本では?仮契約という概念はなくてこのステップ自体ちゃんとした契約で、最終的な段階は契約完了というらしい。こちらでは「売買の約束」という呼び名の契約を交わす。手付金が信託口座に入金されたのを確認して、互いにサインした契約書を公正文書にする。

それにたどり着くまでに一悶着あった。米人の買い手から来た最初のオファーに書かれていたのが、ドル換算した金額だったため。当然のことながら、メキシコ国内での不動産売買契約書にはペソで金額が記載されていなければならない。我々の不動産屋も我々も「ペソにすればいくら」という話だと思ったので、その後少し交渉して、まずは金額(米ドル表示)が決まった。

 我々の不動産屋のHP。

とてもいいんで、ユカタンで海のそばに不動産を買いたいって人がいたらお勧めします。英語可。

レート(最終金額)はまぁ、仮契約でサインする前日のとかで決めることで許してやるかと思っていた。今、米ドル爆下がり中で気持ちは理解できるのと、メキシコに来る前/来たばかり、あるいは来てからも結構、「ドル換算&表記+英語頭」を続ける外人も多いんで。我々も、物価の感覚に慣れるまでは「円にするといくら?」なんてよく考えたので、それは分かる。

ところが我々の不動産屋が「いつのレート?」の話をしたら、相手のブローカーが残金支払いの契約完了時のレートを使うと言ってきた。外国人は信託を組まないとこの辺の土地を買えないんだが、その手続きに3、4ヶ月はかかる。ペソに換算すると最初に合意した金額より減る可能性の方が今は高く、とてもじゃないがそんなリスクは取れない。

買い手のブローカー(米人)がああだのこうだの説得しようとしてきたが、それがエライ高飛車な言葉遣いなのである。やたらエラそう。白人ってそういうとこある人が多いと経験上思うんだが、今は人種差別って言われるんですかね? 歴史の産物なんでしょうがないし、個人と付き合うときは関係ない、ひどい人とは付き合わないだけなんだが。とにかくそういうわけでムカついたし条件として悪すぎるので、じゃあ、売らないと断った。

そんな条件を飲んで売るメキシコ人がいるとは驚いたが、あまり計画性のない国民なので、すぐに現金化したい(売買約束までたどり着きたい)売り手も結構いるのかもしれない。それにしても、金を落としてくれるからか知らないが、ちょっと相手の言うこと聞きすぎ(卑屈)じゃありませんかね?

こっちは日本人だ。ドル事情なんか関係ない。頭の中での計算はともかく、単なる「売買の約束」であろうと契約するのに現地通貨で表記しないなど、もってのほか。まぁ、我々には時間的余裕があるので断れたんだが、っていうか、現金化を急ぐなら信託手続きの必要な外国人でなくメキシコ人に売ればよろしい。すると、その2日後にペソでいいと言ってきた。こっちも本心では「また一から探し直しか〜」とガッカリしてたので、やった!という気分。一方ブローカー、悔しそうwww。

そこからは早い、書類作ってサインするだけと思っていたんだが、売却益にかかる所得税を下げるための要件で、少し時間がかかった。売る時になってから税金を下げることができるのは、まぁメキシコだからですよ。昔からいろんなやり方があるんだが、悪い奴らのマネーロンダリングを防ぐために政府があれこれ法令を厳しくするんで、現時点でできることをしたわけです。買い手の方も何らかんらすることがあったらしく、こっちが一方的に待たせたわけじゃありません。

メキシコでは、法令を厳しく…の絡みでいろんな公文書の扱い方がしょっちゅう変わる。今の連邦政府は特に「汚職と闘う!」好きなので、ホント、面倒臭い。具体的には、不動産を買うだけで収入はなくとも納税者番号を取らなきゃダメとか、その番号がいろんな書類に記載されてなきゃダメとか。さらに、収入がある人間は毎年確定申告が認められた後の、ない人間もなかったんでOKとアップデートされた「現時点での経済活動状況」という書類も。以前の不動産売買には必要なかった。我々が土地を買ったときは、ただの身分証明だけ。で、Lさんの元奧さんに土地の名義人になってもらってるんだが、彼女はただの主婦なんでいろんな書類が古いままになっていて、全部アップデートしなければならなかった。

それと、売買に必要なものだけでなく、売却益をごまかすために必要な書類を揃えるのにも時間がかかった。

 売買の約束。

しかし、メキシコの「お上の思う通りにはさせないぞ!」熱意と工夫はすごいですね。つくづく、日本ってのはいい方にも悪い方にも例外がない国だと思う。間違いはないが融通がきくこともない。

そのへんのやり方はやっぱり自国民が一番詳しいし、コネもある。ここユカタンには日本人のコンサルは少ないし(いるのか?弁護士ならいる?知らんけど)、そもそも我々は郷に入れば…と思っているので最初からメキシコ人に頼む。が、騙されることばかりを心配してガイジン御用達か同胞のブローカーなんかに頼んでると、決まり通りの計算で出費がかさむってことになることもある。

というわけで、毎回いろいろ勉強になる。あとは信託を組む手続きが終わるまで、何も起こりませんように! 逆に我々が買う方(南部の村の土地)も、ただのシンプルな売買契約じゃないんだが、それはまた別の機会、サインするまでたどり着いたときに書きます。



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