12月の最初の記事からかなり堅めなお話ですけど・・・
テンプレートに合わない話題ですが・・・
お読みいただけたら幸いです。
薬害とは読んで字のごとく薬による害のことですが、そのままの意味ではありません。
国などの行政がその薬に関係する不手際や不作為をした為に起こる有害な事です。
肝炎とは肝臓が肝炎ウィルス等により侵され、放置すると肝硬変や肝臓がんへと変異して死亡する病気です。
日本の製薬会社「ミドリ十字」(現:田辺三菱製薬)という会社が製造していた止血剤「フィブリノゲン」。
この薬には人の血液が使われていました。
その血液はアメリカでにあるミドリ十字の子会社が、安全性の確認できない不特定多数の人たちから売られた(買った)血液を原料として製造されていました。
ただ、日本で作っていたフィブリノゲンは結果的にしっかりとウィルスの除去が行われていた為、その薬を使っても肝炎に感染する人はいませんでした。
(アメリカではすでにこの時期アメリカで作られたフィブリノゲンでB型肝炎への感染例あり)
しかし、ミドリ十字は勝手(厚生省へ届けず)にウィルス除去の方法を変更、販売を継続します。(この時点で日本国内製造のフィブリノゲンはC型肝炎ウィルス不死滅に)
その後、出産時の大量出血による民事訴訟でフィブリノゲン等を使用しなかった事を理由に医師側が敗訴する訴訟があった事から、産婦人科医でC型肝炎ウィルス混入のフィブリノゲン等の血液より作られた止血剤が大量に使用され始めます。
(フィブリノゲンの他にも第9因子製剤と言われる種類の血液から作られる薬「クリスマシン」と「PPSB-ニチヤク」という薬が、やはりウィルスの除去が不完全なまま使用され、自主回収がなされぬままに放置されたことから、たくさんの方が肝炎に感染されました。)
国は被害を防ぐ手立てがあったにもかかわらず、これを放置。
さらに、製薬会社から国がもらった資料に、感染した恐れのある何百名もの方へ連絡する事が可能な資料があったにもかかわらず、これも放置。
(
以上Wikipediaより)
薬害肝炎問題とはつまり(大変内容が難しい問題なのですが)、
「肝炎ウィルスの混入している薬を投与されて肝炎に感染してしまった方々が、その責任を国と製薬会社へ求めている」裁判です。
長年に渡り裁判がなされてきているのですが、一部の方のみの救済を認める判決や、国や製薬会社には責任が無いという判決が下されたり、
ある年以降に発症した方のみを救済する和解案を示したりし、あくまでも一律全員救済を求める原告との差は大きく、解決を見ていませんでした。
つまり、日本の行政がサボったおかげで肝炎にかかった日本国民が多数発生したにもかかわらず、裁判所がイマイチはっきりしない、及び腰判決しか出さない、悲しい事件の事です。
そう。
法律をちょこっとでも学んだものとして、こんなことは言いたくないのですが・・・
悲しいながら・・・
裁判所も国の親族なのかー! ヾ(。`Д´。)ノ
と思っちゃうような問題です。
そして・・・
議員立法により「肝炎対策基本法」の成立を考えていた民主党でしたが・・・
小沢幹事長の「議員立法は原則認めない」というお達しにより肝炎法案の見送りが決定したと思われました。
しかーし!!
福田衣里子衆議院議員らが小沢幹事長へ直談判!
昨日「肝炎患者一律救済」を担う『肝炎対策基本法』が成立しました。
(
肝炎対策基本法案)(
肝炎対策基本法案要綱)
この法律だけで救済できる訳ではありませんが、大きな1歩です。
今後この幹である法律から枝葉となる法律や予算が組まれます。
このままではまだまだなのですが、良かったのではないかと思います。
(詳しくは
福田衣里子 衆議院議員のブログで。)
ただ・・・
「薬害肝炎」で検索するといくつもの原告団への誹謗中傷を記したブログが見つかりました。
そして、この法案の可決に長い時間がかかった事、裁判で原告が勝利していない事、会社の為に人を切り捨てる事、市の為に生活保護の申請書を渡さない事などなど・・・
まだまだ日本は「人権」について貧しい国なのだと感じました。
国会議員は「一地方」とか「一団体」とかの利益の為に動くべきではありません。「国会の議員」だからです。町議会でも市議会でも県議会でもないのです。
一団体の為に動いては、新幹線の駅を2つ作ってくれた。高速道路を作ってくれた。というのや、いわゆる族議員と一緒だからです。
なので、福田議員には法がなかなか救済しない、本当のセーフティーネットであるはずの法の網からこぼれてしまった方々を、政治の力で今回のように救う方向へ導いていただくことを期待したいです。
今回はその第1歩だと思います。