地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

地域メッシュ別他市区町村通勤通学率

2008-03-28 09:36:14 | Weblog
地域メッシュ別他市区町村(への)通勤通学率
国土実態総合統計地図のなかのひとコマです。
昭和45年(1970)、総理府統計局 発表
縮尺 1:300,000  第3次メッシュ・データです。
約1km四方の中の人口に占める、15歳以上の他市区町村への通勤・通学者数の比率をメッシュの色分けで示してあります。
紫色から薄桃色まで5段階に分けて表しています。住宅地と商業地、山間部などが明確に読み取れます。
反対に、地域メッシュ別他市区町村からの通勤・通学率(受容れ)を示した地図が見れると、なお一層、細かい分析ができるのでは?
例えば、遊園地などは、そこから他へ出る人は少ないでしょうが、他からそこへ来る人は多いはず。そのような土地が、他にはどこにあるか、季節によっての変動もつかめれば、いろいろ施策上、役立つ分析ができるのでは。
また、経年変化を見るのも大切な分析結果が得られます。
さて、この3次メッシュは「基準地域メッシュ」とも呼ばれ、国勢調査にも採用されています。国勢調査表を提示することで、貴方たちの住んでいるメッシュ・コードが自動的に確定しているわけです。これを基にすれば、人口分布図や、人口密度図などは機械的にたちどころに作成して見ることができます。
ただし、行政界はアメーバのように蛇行していますので、直線状のメッシュ線とは相容れません。そこで、メッシュの中心点の属する行政に丸めることにしています。
これも、標高については、中心でなく各メッシュの左下交点の標高を採用することとしています。
これとて、3次メッシュでは、全国600万個もあるそうですから、人手でいちいち記録していたら大変なことになります。スキャナにより自動的に読み取る方法が考案されているようです。
等高線一本一本の標高データと、メッシュ格子のデータから、レーザ光線により読み取るようです。細かすぎれば、拡大して読み取ればいいのです。

これら、メッシュ方式のいいところは、大地震などで、天変地異がおきない限り、メッシュ区画は変わらないことです。合併などで行政区画が変わっても不変です。
また、標高データなどは、一度データ化すれば、ほぼ永遠にそのデータは使えることです。
人間の知恵は、無限ですね~。