地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

行基図

2008-03-20 09:06:08 | Weblog
日本地図の始まりは僧・行基(668~749)が作った「行基図(ぎょうきず)」といわれていますが、いろいろあって、どれが本来の「行基図」かは、わかっていません。

この「行基図」が江戸時代中期に長久保赤水や伊能忠敬が現われるまでの日本全図のようです。
平安京のある山城国を中心に、諸国を俵の形で表し、国名と郡の数を記し、これに五畿七道を加えた、いわゆる「行基図」が日本全図なのです。

ずいぶん、お粗末な地図ですよね。
略図であり、概念図です。襖絵や絵皿のデザイン図ですね。
ただ、東西南北の方位感覚が記されているのは上出来ですが・・・。


別に「国郡図」や「荘園図」などがあったので、日本全図としてはこんな感じでよかったのでしょうが・・・。
それにしても、元寇の役や秀吉の朝鮮出兵、戦国時代の国を挙げての領土争いに堪える日本全図ではないように思えますが・・・?
島国・日本の自然環境の良さのなせる業なのでしょうか・・・。


おいおいに、国郡図、開田図、荘園図、国絵図などを調べてみましょう。
それらの地図のできた背景を探ることで、また新しい日本の歴史が見えてくるかもしれません。