暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

言葉

2018年02月09日 | 古民家

 広縁というものは実に良く出来た機能を持っていると思います・・・

(縁側・濡れ縁・広縁・・・細かな違いがありますが今は広縁と致します・・)

訪問したお宅の広縁に休憩している方々がいました・・・声を掛けて近づくと・・・

まあ、お茶でも飲んでいって・・・と 広縁をすすめられて腰掛けると・・そこは陽だまりの暖かさです。

靴を脱ぐ事もなくお茶を頂きながら、ふっと 広縁の脇を見ると、切った野菜がざるの中で天日干しに・・・

さらに、反対側では洗濯物がずらりと並んでいました。

雨に当たることも少なく、野良仕事の途中でも地下足袋や長靴を脱ぐことなく、ゆったりと休憩が出来る・・・

夏、広縁での夕涼みから、夜の花火など情緒あるれる風景と、合理的に考えられた日本独特の文化だと思います。

建物の耐震強度を理由に、建物の角には必ず壁が作られるようになって、広縁の開放感や

日本家屋らしい間取りが失われました・・・時代の流れだと致し方なく思いますが・・

立派な設計事務所が設計された、摩訶不思議な形状の建物を見ていると・・・

地震にも安全な、広縁付きの日本建築などは、もっと簡単に設計できてしまうのでは・・・?

と思ってしまいます。(けして、現代の設計を否定しているのではありません)

流行語大賞ではありませんが、流行の中で多くの新しい言葉が生まれ・廃れていきます・・・

博物館にあるような、江戸時代の書簡でも読みづらく、意味も理解が難しいです・・。

さらに前の時代になれば、古文の世界です・・・

当時は一般的だった古民家も、今では贅沢で余裕のある方が、生活維持出来る、建物になってしまいました・・

それでも多くの古民家が持て余されて、解体処分される運命が待っています・・・

そんな状態になるまでには、いろんな理由がありますが、多くの方の知恵とご尽力を頂まして・・・

次の世代に引き継ぐ事が出来るように、広縁の良さを多くの子供達にも経験してもらいたいと思います。

 

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